今年の最低なアカデミー賞を見て、改めてオリンピックは中止したほうがいい気がした!の巻

 本日はオスカーウォッチパーティーにご参加いただきありがとうございました!といっても、平日朝は流石に厳しいものがあり、僕のYouTubeライブを見るくらいなら普通にWOWOW見たいと思うので、参加者の数は大変少なかったですが、裏を返せば1人でも2人でも月曜の朝から見ていただいたことには感謝感激雨あられでございます。こちらが配信アーカイブリンクですので、興味がありましたらどうぞ。

 

 しかしですね、正直ちょっと今回は配信ライブとして面白いものが提供できたか自信がありません。というのも、僕もゲストのヘアリンも二人揃って今年のオスカーのつまらなさに明らかにテンションが下がっていたからです。

 

 いやー、もう本当に酷かった。僕は2012年から毎年欠かさず生放送でアカデミー賞見ていますが、受賞内容は置いておいて番組としては今年が過去最低だったと思います。どれだけ酷かったかは上記配信リンクでヘアリンが途中で興味を失い、眠気に襲われ、ブチギレて目が醒める、までの様子が全て見れることからも伺えるでしょう。

 

 じゃあ、何が問題だったかと言いますと、これはもう仕方がないのですが、感染症対策に気を使ってしまったがために、番組が非常に味気のないものになってしまったからです。今回の授賞式プロデューサーにはスティーブン・ソダーバーグが起用されたことが話題になりまして、ソダーバーグは「今回の授賞式は映画みたいにする」と公言していました。

 

 で、確かに番組の開始時はレジーナ・キングが会場に入場する様子を番組のオープニング・クレジットとあわせて映し出していて「お!映画っぽい!」となり、全体的に映画っぽいカラリングやシネスコっぽく画面がクロップされているんですけど、悪く言えばそれだけなんです。

 

 他にも部門賞をプレゼンするときも作品の映像が流れるのではなくて、プレゼンターがノミニーのバックグランドを語ったり、スピーチにも時間制限が取り払われたりしました。これは例年だったら行われていたダンスやパフォーマンスなどの視覚的に楽しい演目がコロナのせいで行うことができなかったので、余ってしまった時間が延々と各プレゼンターや受賞者のスピーチに割かれてしまっただけなんですね。僕はまだヘアリンと愚痴を言いながら見てたので良かったですが、これ同時通訳で見てたら地獄じゃなかったですか?

 

 で、催し物がないんだったらないで、だったらとっとと結果を発表していけばいいのに、番組後半になって急に思い出したかのように誰も興味がないトリビア・クイズとかやり始めて意味不明ですよ。グレン・クローズのトゥワーキング(腰ふりダンス)に救われたから良かったものの、終始こんな感じでグッダグダ。番組制作陣はグレン・クローズに頭が上がらないでしょうね!

 

 感染症対策で言えば、今年はいつものドルビーシアターではなくて、LAのユニオン・ステーションを貸し切って大分小規模に行われました。それ自体は再三言っているようにしょうがないんですけど、青を基調にしたセットデザインは地味だし、プレゼン画面で候補者の下に出していたピンク色のカードにテロップはあっていないし、色合い的にも全然楽しめませんでした。なお、これは配信中のヘアリンからの指摘でしたけど、今年のアカデミー賞はスポンサーにサムスンがついていないので、予算的にも限られていたんじゃないか、との推測です。

 

 で、観た人全員が話している、最後の発表順のアレ。紅白で言ったら大トリに当たる作品賞が最後に発表されて、我々映画ファンは一喜一憂して盛り上がるわけじゃないですか。それが途中で発表されて拍子抜けして、でもきっと主演男優賞が最後に発表で亡きチャドウィック・ボウズマンにトリビュートを捧げて終わるのかと強引に自分を納得させていたら、会場にも来ていないアンソニー・ホプキンスが受賞してスピーチもなく尻切れとんぼエンド。

 

 これ二重でも三重にも最悪で、まず『ノマドランド』の最優秀賞受賞の感動が潰されたこと。そしてアンソニー・ホプキンスの『ファーザー』での名演は素晴らしく、通常だったら男優賞受賞は当然の結果であるのに、発表順序入れ替えにより勝手に人々のチャドウィック・ボウズマン受賞への期待値が上がってしまい、アンソニー・ホプキンスの受賞にミソがついてしまったこと。そして、結果的に番組としても締まらない結末になってしまったこと。

 

 もうね、マジでなにしてくれとんねんと。『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』の受賞結果が入れ替わっていたなどとは比較しようがない、番組として構造的なやらかしですよ、これは。ちなみに、僕この配信のためにZoomの有料版とWOWOWに加入して、合計で5000円以上支払っています。……余計に腹が立ってきた!

 

 ただ何度も言っていますが、何が一番悪いかっていうと、これはもうコロナが悪いとしか言いようがなく、コロナ禍の制限の中で無理やり大規模イベントを推し進めようとすると、理想とは似ても似つかないクソつまらない代物ができあがってしまうリスクがあることを我々映画ファンは今日目撃してしまいました。

 

 で、我々日本人には数ヶ月後には超巨大規模のイベントが控えているじゃないですか。アカデミー賞ですらこの有様なんだから、オリンピックなんか成功するビジョンが全く見えませんよ!今ならまだ間に合う、引き返そう!タイタニック』みたいになる前に!*1

 

ノマドランド (オリジナル・サウンドトラック)

ノマドランド (オリジナル・サウンドトラック)

  • 発売日: 2021/02/19
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

*1:ただ、逆に制約の中で面白いイベントを作り出すことも可能だとも思いますよ。去年のNBAバブルとかその代表例じゃないですか。ただ、IOCJOCNBA並みの運営力があるかと聞かれたら…うーん。