誇り高き南部訛り

  僕はアーカンソーに住んでいたということもあって、映画の中とかでコテコテの南部訛りを話す人が出てくるとついつい嬉しくなってしまうんですよね。南部訛りっていうのは、「ユー・オール(You all;あなたたち)」を「ヤー(y'all)」と単語がやたらと連なったり、母音が伸びた感じになるんですよね。YouTubeのコメディアンでジンジャー・ビリーというノースカロライナのおっちゃんがいるのですが、見た目通りの強い南部訛りで「オイラが嫁の夢の中で浮気したことを謝れって言われだ!」とぶちギレてるだけで超笑えるので、同じコメディ系YouTuberとしては嫉妬しちゃいます。

 

 で、なんで南部訛りの話をしようかと思ったら、YouTubeのおすすめで急にこのビデオが出てきたからなんですよ。

 

 これはアルジャジーラのショートドキュメンタリーで、完璧な南部訛りを習得してテキサスでカウボーイをやっている中国人留学生ブルース・ワンくんをフィーチャーしています。彼はアイデンティティの形成に暗い過去があったようなのですが、テキサスに来てからは南部文化に魅了され、南部を舞台にしたリアリティーショーやテキサス出身のすたんだっぷコメディを見て南部訛りを積極的に練習したそうです。カウボーイとしてのアイデンティティーを習得して以降、ブルースくんはシャイな性格から抜け出せたということです。

 

 ブルースくんが留学していたのが、独立至高の高いテキサスがあまりにも個性的な州であったことも一役買っていると思いますが、連邦制で地方分権が強いアメリカでは自分の出身地というアイデンティティを特に大事にする傾向があると思います。ブルースくんはただ英語が喋れただけでなく、電話で話しているだけでは中国人だと分からないと言わしめるほどのテキサス訛りの持ち主だったからこそ、テキサス人として受け入れられたと思うんですよね。日本でも同じ地方出身者同士だと方言で話すと郷土愛が高まるのとよく似ていますね。

 

 ちなみに僕の十八番のモノマネは南部の酔いどれなんですが、如何せん披露しても伝わりづらそうなのが残念です…。

 

 

テキサス・レンジャーズ (字幕版)

テキサス・レンジャーズ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video