今年も『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』見て新事実を知る!(+12/26 忘年会のお知らせ)

  • 今年も今年で『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』を見返しました。といっても、正直仕事と編集で疲れていたので途中で寝てしまいましたけど、何回観ても切ないいいアニメですよね。

     

  •  で、毎回見るたびに新しい発見があるのも楽しいところですが、今回はハロウィンタウン町長の口の周りの皺模様が、実はアニメーション用の入れ替えパーツになっていることに気が付きました。機能性とデザイン性を兼ねそろえた素晴らしいデザインですね。

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  • 途中で寝ちゃったものだから、物足りなくてNetflixの『僕らを作った映画たち』の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』回を見てみたんですけど、これが新しく知った情報の連続で驚きました。

    www.netflix.com

  • あ、ただ、『僕らを作った映画たち』のドキュメンタリーとしての作りはちょっと苦手でした…。あのナレーションと編集のテンションがちょっとクリンジー…。
  • とにもかくにも、まずドキュメンタリーをみて知ったのは、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』はティム・バートンに思ってる以上に権限があり、しかし思ってた以上にティム・バートンが制作に参加しなかったことですね。これは僕も去年の記事で少し書いたかと思いますが、それにしてもこれほどまでだとは思いませんでした。どちらかというと役割としてはエグゼグティブ・プロデューサーに近いですね。
  • といってもバートンは『バットマン・リターンズ』の現場で忙しかったためであり、ディズニー時代から温めていた企画である『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に対する情熱はあったので、ビジュアル面での責任者は古くからの友人で信頼のおけるリック・ハインリックスに任せ、監督としてバートンとハインリックスのディズニー時代の同僚であるヘンリー・セリックに頼んだ、ということだったんですね。
  • そして、制作が開始してもマイケル・ダクウェルの脚本が中々仕上がらず、業を煮やしたダニー・エルフマンがまずミュージカル楽曲を作ることでやっと撮影がスタートしました。ちなみに、ダニー・エルフマンはそれまでミュージカルすら作ったことがありませんでしたし、元々オインゴ・ボインゴのリーダーだったエルフマンが映画音楽を作ったのはバートンの『ピーウィーの大冒険』が初めてでした。
  • なお、ダクウェルが作った脚本は遅れていた上に全く良くなかったので、当時エルフマンと同棲していたキャロライン・トンプソンが書き直しました。これは今回見返していて思ったのですが、無邪気なキャラクターばかりのハロウィンタウンの世界で、サリーのみが唯一マトモで自立した女性として描かれています。元々のティム・バートンの原案では、サリーは「魔性の女」のような浅いキャラクターでいまいち納得しづらかったので、トンプソンが一から作り直しました。サリーには更にトンプソン自身も重ね合わせられており、キャラクター設計にはトンプソンが大きく貢献しています。
  • そして、ジャックにはダニー・エルフマンが大きくキャラクター形成に関わっていることも初めて知りました。というのも、エルフマン自身が当時オインゴ・ボインゴの活動にマンネリを感じていたらしく、どれだけ人気でも一切満たされることはなかったそうで、そうした気持ちをパンプキンキングにこめて作詞作曲したそうです。しかし、アフレコしていると歌唱パート以外でのジャックの声がノッペリしていたために、クリス・サランドンが別にアフレコすることになりました。これにはエルフマンも落ち込んだそうですが、僕は順番が逆だと思っていたので、これもビックリでした。
  • なお、僕はダニー・エルフマンが元々ロックバンドをやっていたことは全く知らず、さらにオインゴ・ボインゴは『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド使いの兄弟としてしか知らなかったので、思わぬところで元ネタを知ってアハ体験でした。
  • もちろん、言わずもがなヘンリー・セリックの存在も大きく、色んなことが彼のアイディアを通して実現していたそうですが、当初はブギーの正体はフィンケルシュタイン博士だった、というオチを用意していたものの、ラッシュ編集版を見たバートンはブチギレてスタジオの壁に穴を蹴り開けてしまったので、渋々元のエンディングを取り直すことになりました。セリックに同情を禁じ得ません。
  • 予算不足や納期の遅れなど、さまざまな『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』はなんとか完成に漕ぎ着けましたが、ディズニーが試写会を行ったところ子供たちからの評判が悪かったために、タッチストーンピクチャーズのレーベルで公開しました。宣伝にも力を入れなかったので『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は興行的には撃沈し、すぐに劇場からも姿を消しましたが、ビデオやDVDでファンが増えるとカルト的人気を生み出します。
  • そうすると腹立たしいのは、ディズニーがコロッと態度を変えてディズニー作品としてラベリングしなおしたことです。そもそも、この企画はバートンがディズニーのアニメーター時代から撮りたかった作品だったのにそれを実現させず、いざバートンが人気者になったら多忙になった彼を無理矢理引っ張ってきて無理のある予算と納期で製作させ、さらに劇場公開まで無碍に扱ってきた経緯を考えると、めちゃくちゃディズニーらしいムーブで非常に腹が立ちました。いつからなのか覚えてませんけど、今回ディズニー+で見た時も冒頭にシンデレラ城が追加されてましたしね…。
  • なにはともあれ、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』自体は色褪せない傑作であり、ドキュメンタリーを見たことで更に愛が増したので、来年以降も毎年クリスマスになると見るんだろうなぁと思います。

 


 

 というわけで、なんだか去年も『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の記事を書いてから告知をしたような気がしますが、今年もオンライン忘年会を行います!12/26 20:00〜 で、忘年会ということで去年と同じく皆さんが2021年に忘れ去りたい愚痴を聞く配信となっております。

 

 会場はSKITBOOKのYouTubeチャンネルにて、愚痴はTwitterスペースを活用してラジオみたいに順番に聞かせていただければと思っております。また、

YouTubeライブという仕掛け上、アーカイブに残ってしまいますので、気になる方はいつも通りお便りで愚痴を送っていただいても大丈夫です。

 

 お便りを送りたい方はhktaiyaki@gmail.comか、Twitter(https://twitter.com/skitbook​ )かInstagramhttps://instagram.com/skitbook)のDM/リプライか、ここのコメント欄か、匿名メッセージサイトのマシュマロでお知らせください。

 

ということで、すっかり年の瀬!今年も残り一週間切ってるのでなんとか乗り切りましょう!