映画で観光

 もう遅いので途中でやめちゃいましたが、新作に備えて旧版の『ナイル川殺人事件』を観てました。時代にあったようなゆったり編集なので気楽に見ていたんですけど、実際にエジプトでロケを敢行しているので絵面がリッチで、編集テンポと相まって観光映画のようなゴージャスさが味わえて今のところ楽しいです。貴重な遺跡で思い切った撮影をしているのも、まるで自分が観光地にあるような感覚になってワクワクします。

 

 特に前日に『アンチャーテッド』を観ておりまして、僕は好きで楽しい作品ではありましたが、やはりVFX合成前提のスタジオ撮影があからさまだとアドベンチャー映画としては物足りないものを感じていました。これは昔の『007』などにも言えると思いますが、インターネットがなく海外旅行も今ほど簡単に行けなかった時代において、映画は観光映像の側面もあったんだろうなぁと『ナイル川殺人事件』を観ながら思いました。

 

 ただ、これもまた昔の映画なので仕方がないんですけど、やはりどうしたって今の価値観で見るとちょっと引いちゃう偏見や酷いセリフがあったりするもので、観客があまり海外を知らない時代にこういう描写を広めていたのは割と無責任だったんじゃないかな、とは思います。逆に現代はいい意味で世界が身近になりましたね。

 

 今公開中の新作はどのようにエジプトを撮っているのか、楽しみです。