Taiyakiが観て面白かった2022年のコメディ作品

 年末ベストテンの季節がやってまいりました。コロナ禍以降、僕の年間映画鑑賞本数は平時の半数近くにまで減ってしまいまして、今年に至っては単純に仕事が忙しすぎてまた映画があんまり観れませんでした。なので、コメディ映画に限らず、映画をそもそも観れていません。

 

 が、毎年当ブログでは大晦日に年末映画ベストテン、その前日にコメディ映画ベストテンを決めているのですが、今年はコメディ映画ベストを10本も選べそうにないので、代わりに面白かったコメディ作品を選んで紹介していきたいと思います。

 

Taiyakiが観て面白かった2022年のコメディ作品(順不同)

解説

 『私ときどきレッサーパンダ』はオタクとして共感性羞恥の塊で悶えながら爆笑した。アジア系移民の物語としても、保守的な家族と個の間で揺れる主人公に笑いつつも最後はほろりと泣かされる。仲のいいガールズたちが頑張る様も微笑ましいし、近年フォトリアリスティックな方向に進んでいたピクサーが急にデフォルメ方向に舵を切り、90年代日本アニメを彷彿とさせるテイストも合致していてどこを切り取っても素晴らしかった。あと、さりげないトロント・ラプターズへの目配せもポイント高し。

 

 『ザ・ロストシティ』は冒険映画のパロディとしても、さらにアップデート版として秀逸だった上、とてもロマンティックで良かった。(『アンチャーテッド』がちょっと荒唐無稽すぎたしね…。)久々にチャニング・テイタムお得意の「いい奴だけどとてもバカ」なキャラクターを観れてホッコリ。でもちゃんと政治的に正しいところも笑っちゃう。ダニエル・ラドクリフは悪役が似合うようになりましたなぁ。

ザ・ロストシティ

ザ・ロストシティ

  • サンドラ ブロック
Amazon

 

 『デイブ』今年は映画をあんまり見れてなかった理由の一つとして、テレビドラマにハマっていた、というのもある。そのキッカケとなったのがラッパー リル・ディッキーが自身を主人公に製作した『デイブ』で、下品で笑えるかと思いきや、デイブの繊細さや脆弱さも垣間見えるシリーズで、詩的な美しさすら感じる。S3は今年撮影が終わったようで、おそらく来年配信なので今から楽しみだ。

 

 『ピースメイカー』もハマったドラマで、ジェームズ・ガンが書いた口汚いセリフの応酬は最高だったし、時代に取り残された「有害な男らしさ」の塊であるピースメイカーが極右の塊である父親と対峙することで、自分の存在価値を見つけるドラマもとても熱かった。ドラマに登場する全てのサブキャラクターも愛せるバカばかりで、こちらもS2が待ち遠しいが、最近のDCの不安定さには正直不安…。

 

 『ソー:ラブ&サンダー』は流石のタイカ・ワイティティって感じで、彼にコメディ作品として期待するものは全て詰まっていたし、最近のマーベルはタイムラインがどうとか神様がどうとか超存在的な話ばかりで飽き飽きしてきたので、肝心な神様本人であるソー様の最新作が凄くバカで安心した。個人的にはギャグの洪水だった『バトルロワイヤル』と比べて少しおとなしめに感じたほど。これくらいで良いんだよ!

 

 『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』はコメディ映画のベストテンを作っていたら、ベストワンに選んでいてもおかしくないくらいの大傑作。『ロジャー・ラビット』的にあっと驚くアニメキャラクターのカメオ出演が見られるが、最近増えてきた雑なクロスオーバー作品と違い、全てのカメオキャラクターが「ストーリーを前進させるか、ギャグとして機能する」時のみに登場しているので無駄な時間が一切なく、ファンに媚を売ることだけに注力した下品な作品にはなっていないのがとても良かった。ディズニー作品にしては扱っている内容がとてもブラックだったのもいいね!

 

 『ブレット・トレイン』はブラッド・ピットのボンクラ演技を堪能できて最高だった。伊坂幸太郎原作らしい構成の妙もいいが、まさかこんなにギャグで笑わせる作品に仕上がっているとも思わなかった。ヘンテコ日本描写も、むしろ世界観やアートとして受け止められて良い味を出していた。良いコメディ映画は脇キャラクターを愛せる出来になっているけれど、まさかフィジーウォーターにまで愛着が湧くとは!実は『ロストシティ』と製作裏話的には切っても切れない作品でもある。

 

 ということで、明日はいよいよ当ブログのベストテン!お楽しみに!