台湾旅行記 vol.1

1月2日

 成田空港を13:40に出発するはずのJX0801便が、機体の到着の遅れのために1時間遅れで台湾桃園国際空港に向けて出発。婚約者は既に年末に実家の台南に帰っており、僕は一人で旅をしているのだが、既に予約購入していた高鉄桃園駅から乗る予定のHSR(台湾の新幹線)の時間には確実に間に合わない。幸先の良いスタートだ。

 

 もちろん、彼女は心配してLINEで色々と指示を送ってるくるが、海外旅行事態は慣れている方なので、「行けばなんとかなるやろ」の気持ちが強い。僕は飛行機内ではとにかく映画を観まくるようにしているが、東京⇄台北間は4時間5分と絶妙な距離感なので、昨年映画館に行こうとして観れなかった『ドント・ウォーリー・ダーリン』だけ鑑賞し、あとはずっと五目並べをしていた。コンピューターが強すぎて1勝41敗という惨めな記録を残す。

 

 台北に着くと、入国審査もほとんど顔パスみたいなものですぐに終わった。飛行機さえ時間が間に合っていればHSRの予約席に乗れたのに、まあ仕方ない。空港からHSRの乗り場がある高鉄桃園駅まで地下鉄で向かうが、チケットがオモチャのコイン見たいなもので噴く。しかしこれ、スキャンで改札を通れる意外にもハイテクなプラスチックなのだ。

 

 僕は無意識に抱いていたステレオタイプだが、中華圏の国は騒騒しいイメージがあった。しかし地下鉄とHSRに乗って、台湾の公共交通機関は日本の電車みたいに皆静かで、僕の大変失礼な偏見は覆された。正確にいうなら、電車の中で電話している人や、HSRの通路でスーツケースに乗ったりする人など、日本国内の「常識」では見ない光景もあるのだけれども、雰囲気自体はとても理路整然として礼儀正しい。ルールだらけの日本社会から、「窮屈さ」を差し引いたイメージだ。かと思えば、突然プラットフォームで駅員が並んでいる人々に向かって急に何かを怒鳴り散らしているので、このギャップが興味深い。

 

 1時間30分HSRに揺られて着いた台南駅でまず目撃したのは巨大な三井アウトレットパーク。看板で確認できるお店もユニクロビームス…木更津かここは!しかし、こんなのは序の口で、台湾が如何に日本文化の影響を受けているか知ることになるのだが、それはまた明日以降に書く話。

 

 駅の前では婚約者と彼女の両親が車で迎えにきてくれていた。実は、彼女の両親は昨年秋に日本を訪れていたので、これで2回目の再会だ。僕が日本語訛りのカトコト中国語で何かを話すたびに大喜びしてくれる良い人たちだ。バイクだらけで自由で危険な台湾の交通を目撃しながら、台南で有名な牛肉スープのお店に着く。もう既に21:00台だったが、彼女の妹二人とその彼氏たちも駆けつけてくれて、みんなで遅い晩餐をした。この彼氏たちも中々曲者揃いなのだけれども、これもまた明日以降に書く話。かくして僕の台湾旅は始まった。