フリーランスにとっての時間とお金

 今週やっている夜勤の仕事が辛い。人間関係が辛いとか、パワハラが辛いわけではないのだが、やりがいが全くない。放送の仕事なのだが、単純作業に近く、時間帯は深夜か早朝で、ギャラはかなり低い。定期的に同業務を受けているのだが、クライアントは僕が日本から帰ってきてコロナ禍も仕事をくれていたので大変恩義を感じており、それでこの仕事も毎回請け負っているのだが、モチベーションが全くと言っていいほどない。

 

 なぜやる気が生まれないか考えると、時間が果てしなく勿体無いからだ。僕が本業としている映像仕事と無関係ではないが、放送なので畑が異なり、他の分野で活かせないニッチな作業を繰り返すだけで学びが何もない。また、僕のスキルが全く活かされていない仕事という点も辛い。いつも翻訳とか、編集とか僕にしかできない仕事をオファーしてくれるのに、どうしてこの単純作業にアサインされるのか全く分からない。これでギャラが高ければ…というところなのだけれども、学生バイト並みに安く、30を超えて受ける仕事ではない。お世話になっているクライアントではあるのだけれども、だからこそ単純な労働力としてしか見られていないことに憤りも感じる。

 

 こういう風に考えられるようになったのも、自分が無一文で日本に帰ってきてから3年、フリーランスとしてようやく軌道に乗ってきたからだろう。今までは来た仕事は拒まないというスタイルでなんでも受けてきたが、もう30も超えてなんとなく時間の有限性というのも分かってきた。同じ時間を過ごすなら、お小遣い程度のために働くよりも、より自分の能力を伸ばせる経験が得られる投資と捉えられるような仕事がしたい。

 

 と書いたところで、僕の日本人としての根っこの部分が「いや〜自分なんて大したことないですよ〜」などと謙遜し、お客様第一主義でクライアントの要求を無条件で全て飲んでしまう。言うのは易しなんだよな〜。フリーランスは難しいよ…。ということで、今夜も働いてきます。