金がなくてもプライドがある

 海外作品の現場は基本的にギャラが良いので、断ることは少ない。労働環境も人権も日本の現場よりもずっとマシなので、海外案件しか最近は受けていない。特に最近は『SKITBOOK』の制作費がかかり過ぎていて、稼いだ金はほとんど使っているような状況なので、仕事はあればあるほど嬉しい。

 

 が、今日はイスラエル映画の依頼が来て、これは断った。もちろん、依頼をしてきた人たちが何か悪いことをした訳ではない。しかし、僕がもらうであろうギャラが、虐殺を行なっている国家から生まれている。そんな血塗られた紙幣を受け取る気にはならない。金はないかもしれないが、最低限の倫理観や表現者としての矜持は持っている。

 

 ところで、長崎市が9日に開く平和記念イベントにイスラエルを招待国から除外したら、米国やイギリスなど主要6カ国の駐日大使が出席を見合わせたそうだ。この人たちに、矜持はないのかな。長崎市を僕は誇りに思うよ。