いやー、酷い!前2作をニコニコ観れていた僕だけど、流石に今回はちょっと擁護できなかった。1作目は真面目に作った映画が図らずも奇妙なケミストリーにより愛らしいバカ映画になり、2作目はそれを上手く模倣していたのだが、今回は3匹目のドジョウを狙った結果可愛くもないただのバカ映画が出来た感じ。
だって、全ての展開があまりにも行き当たりばったり過ぎる。逃亡生活のくせに隠れる気のないエディとヴェノムも、何の為に存在しているかも分からない酸性タンクも、薄っぺらい兄貴のトラウマのためだけに宇宙人研究している科学者も、練り込みの薄い作戦で部下を死なせて逆上して事態を悪化させる軍人も、ヒッピーで無責任なバカ家族も、繰り返される意味のない靴のジョークも、全ての計画性のなさにイライラする。
極めつけはクライマックスに向かうためだけに存在するラスベガスのシークエンスで、ヴェノムは今回はとある理由で完全体になれない制約がつけられるのだが、都合がいいとしか言いようがないチェンおばさんとの再会でテンションが上がり、「俺は踊りたいんだ!」とか言い出して完全体になってABBAで踊り始め、案の定危機的な状況に陥る。もう我ながら書いていてもアホらしくなるくらい馬鹿馬鹿しいシーンで、こんな酷い脚本を通してしまったスタジオを叱りつけたい気分だ。
そのくせ、最後は『ワイルド・スピード/SKY MISSION』か!と思うくらいエモーショナルなラストを迎えるのだが…いや、無理だって!馬鹿馬鹿しすぎて泣けるわけないだろ!エイリアン(外国人)と移民を掛け合わせても、何も上手くないから!
そういや、思い返せば前作のビックリポストクレジットでMCUとの合流を匂わせておいて、本作冒頭でものすごく雑な処理をした時点で、色々と察すべきだった。しかしSSUはどうしてこうも何もかもうまくいかないんだろうか…。