いやー、面白かった!珍しく連日映画館に足を運んでいて、2日続けてダメ映画を観た*1ので映画を嫌いになりかけましたが、ベテランのシャマランに救われた気持ちです。
いや、厳密に言うと結構脚本は甘かったりします。あるサイコパスのシリアルキラーが愛娘と共に人気歌手のライブへ行ったところ、その情報を掴んでいた警察に会場を包囲されて、さあサイコパスはいかにして会場を逃げることができるのか!というのが大まかなあらすじです。とても面白いプロットなのですが、その割にはどいつもこいつも口が軽すぎで、明らかに犯人像に当てはまる主人公に対してベラベラと情報を渡しすぎ!さらに厳密かと思っていた警備体制も結構ザルなところがありますし、「それは流石に運に頼りすぎだろ!」とツッコミたくなる場面もあります。
が、それでもやはりシャマランはサスペンスとして緊迫させるのが圧倒的に上手い*2ので、主人公が毎回どのようにして絶体絶命の窮地を切り抜けるかがとても痛快でした。また、シャマラン映画といえばドンデン返しが代名詞なところがありますが、今作は物語上の仕掛けというよりも展開の読めなさで観客に驚きをもたらせていたのがとても新鮮でした。
僕が鑑賞中に思い出したのはサスペンスの神様ヒッチコックの名作中の名作『サイコ』で、『トラップ』は前半と後半ではまるで違う映画になっているんです。これ以上書くとネタバレなのであまり深くは触れませんが、観客を誰に感情移入させて映画をハラハラ見せるのか、シャマランはシーン毎に巧みにコントロールして演出していたと思います。また、どの情報を観客に見せるのかの取捨選択も見事だったと思います。
ただ、皆さんが一番驚いているのはエンドロールでしょうね。この映画のキーとなるカリスマ性あふれる歌姫「レディ・レイヴン」、僕が音楽に疎いので誰か有名な歌手かと思ったら、クレジットで確認したらシャマランの娘なんですね!そういえば、全体的に父と娘に焦点が当てられていましたが、シャマランの思いがいろいろこもっていたんでしょうね。そんなシャマランもいつも通りちゃっかり出てますが、どの役はみてのお楽しみに!