うーん…。コロッセウムの剣戟と同じく見せもの映画としては面白く観ましたが、前作とやっている事がほとんど同じなので、しかし前作の方が印象に残るという意味で、果たして作られる必要があったのか甚だ疑問な一作でした。以下は上映中に思ったことを羅列
- 前作『ナポレオン』も全然好きな映画ではなったが、2作続けてこんな歴史大作を作るリドスコのパワフルさはすごい。
- 大概の場合、映画にのめりこめていない時は職業病として映画の裏側が気になってしまうのだが、何にせよどのシーンもエキストラが多く、あの群衆を演出したADの苦労を勝手に想像して感心した。エンドロールを見ると実際ADの数がすごく多くて、IMDbで数えてみたら36人もいる!!もちろん、全ての撮影に同居していたわけではなく、ロケ地ごとに稼働していたADもいただろうけど、このスペクタクルを作り上げた皆さん本当にお疲れ様でした…。
- 僕はいつもリドリー・スコットは生粋のビジュアリストとして映画を楽しんでいるのだけれども、今回はその映像美を堪能することはできなかった。その最たる例は日中に夜のシーンを撮影するデイ・フォー・ナイトの多さ。デイ・フォー・ナイトで撮っているのが問題なんじゃなくて「これ、明らかに昼間に撮ってるよね?」と一目見て分かるシーンが多過ぎる!現場のライティングもカラーグレーディングも雑で、ちょっとビックリしちゃった。
- これ、今調べたらRedditでも話題になってて、本当かどうかは分かりませんが本作の撮影に参加したというグリップ(カメラ用のクレーンやドリー、三脚などをセッティングする役職)が「リドリーは高齢で、夜に撮影したがらなかった」と書いていて、妙に納得しました…。
- ローマ帝国の話なのに英語でマキシマスを讃える文章が書かれていたり、皆シェイクスピアっぽい古いイギリス訛りで話しているかと思えばデンゼル・ワシントンがアメリカ英語で話していたり、リドスコって意外と言語に対するこだわりがない監督だと思いました。これは『ハウス・オブ・グッチ』で取り敢えず全員イタリア訛りの英語を話させてイタリア語として強引に成り立たせていた時も思いましたが*1。
- あと、本作の主人公が実はルシアスだった…というのは数奇な運命といえば聞こえがいいが、映画として波に乗れてないのと気持ちが「そんな偶然あるかよ…」の方に傾いちゃうのは残念ですね。
- ADの話と似ているが、エンドロールでカメラオペレーターがAカメからHカメまで、合計8カメあったのは仰天だった。リドスコは早撮りの名手というが、8カメも同時で回してたらそりゃ撮りたい画は一気に全部撮れるなと…。撮影監督は大変だろうけど。
*1:まあ、ハリウッド映画あるあるっちゃハリウッド映画あるあるですけどね!
