つまらねぇ大人になっちまったもんだ

 来週いよいよアカデミー賞の発表だ。僕は2012年からずっとアカデミー賞の授賞式をリアルタイムで追ってきていて、渡米以後は全ての作品賞ノミネート作品に臨んでから授賞式を鑑賞していた。日本に帰ってきてからも、日本未公開作品はわざわざVPN通してアメリカのサービスを使って鑑賞するほどの徹底ぶりだった。

 

 これはよく僕が使っていた例だが、僕にとってのアカデミー賞はスポーツ観戦に似ている。なぜ人々がこれほどまでにアカデミー賞に熱狂していたか、それはやはり応援している作品があるからだ。自分が好きな作品、嫌いな作品が受賞するからその結果に一喜一憂して盛り上がれる。アカデミー賞は僕にとってのスーパーボウルなのだ。

 

 ところがどっこい。今年のアカデミー賞は全く食指が伸びない。理由は色々あるが、今年WOWOWアカデミー賞の生中継を止めてしまった、というのが大きかった。今ではNHKが引き継いで生中継をすることが発表したが、当時「オスカーを生で見れないのか…」というショックが関心の糸をぶっちぎってしまった。

 

 もう一つ一番大きな理由は、その後3月前半にヨーロッパの旅行を決めてしまったことで、まさしくアカデミー賞生放送中に飛行機に乗っているもんで、どう足掻いてもアカデミー賞を見れなくなってしまったのである。アカデミー賞を大事にしていたら恐らくこんな選択はしなかったので、自分の中での優先順位が変わってしまったのを感じる。

 

 そうなってくると、今まで徹夜してでも臨んでいたアカデミー賞作品賞ノミネート作品の鑑賞だが、今年はどうしようか真剣に悩んでいる。なんていったって、今年ノミネートされている10作品のうち、見れているのは日本公開のあった『デューン PART2』のみで、これから1週間以内に9作品観るのは正直しんどい。人生には映画以外のことがたくさんあるのだ。

 

 そう、このブログでも2020年以降何百回も書いているように、人生に映画以外の事がたくさんできてしまったが結構悲しい。最近、子供ができた知人の話など聞くに、映画など見る暇が全くなくなることを聞く。彼らは僕が知る限りかなりの映画好きで、そのまま映像業界に進んだほどだった。でも、それでも皆食ってかなきゃいけないし、家族に衣食住を提供しないといけない。分かっちゃいるんだけど、かつて自分にとって何よりも大事だったものの優先順位がここまで下がってしまったことが、何よりも悲しいし、なのに映画を観る気が起きないのが本当に辛い。