今お盆休み中の嫁が旅行中をしており、仕事がある僕は家で黙々と作業をしているのだが、久しぶりの自由ではあるのでどうしても夜が遅くなりがちである。んでまあ、『ジュラシック・パーク』を1時間ほど観てたんだけど、やっぱり、ちょっとどうかと思うくらい傑作で自然と涙が出てきてしまった。
あまり健康的な考えではないので懐古厨みたいな事を言いたくないんだけど、それにしたってやはりスピルバーグのサスペンスの引き出しが多く、先日『復活の大地』を観ただけに残酷なまでにスピルバーグの手腕が光ってしまう。
例えば、今となってはアイコニックなT-REX襲撃場面。システムエラーでパークの電力が止まり、管理室の面々が「彼らはどこにいるんだ?」と心配した次のカットで、前半エサとして登場した山羊から見せる事で、T-REXのエリアの前にいると映像だけで見せてしまうスマートさ。
ドシン…ドシン…と雷とも似た地響きが鳴り、コップの水に波紋が静かに広げる画を見せる事で巨大な何かが近づいてくるという不安。そして、先ほどのヤギがいつの間にかいなくなったかと思えば、ジープの天窓に足が落ちてきて、高圧電流のサインにT-REXの指をかける事で皮肉としてパーク内に電力が通っていない事を登場人物たちに分からせる。
ここまでT-REXは登場していないのに、視覚と聴覚を使ってスピルバーグは観客の想像力をフルに稼働させる。そしていざT-REXが子供達を襲うと、天窓が押し破られたり、車がひっくり返されたり、T-REXの重みで車体は潰され、泥が車内に流れ込む。ちなみに、『ジョーズ』のリバイバル上映を今年観た時もスピルバーグは重さでサスペンスを表現するのが天才的だと思ったばかりだった。
一方で、また『復活の大地』の愚痴になってしまうが、先日の感想記事で書き忘れていたけど、ギャレスが不審な物が登場人物に近づき、危機が迫ったかと思えば視界から消えていなくなる、という演出を多用しているのが気になった。ホラーで手垢が塗れた演出だし、しかも何度も使う事で逆にサスペンスが薄まってしまう。
また、サスペンス的に工夫がある場面でも基本的には『ジュラシック・パーク』のオマージュになっていて既に見たことがあるものばかりで盛り上がらない。ギャレス的には愛するスピルバーグへのリスペクトの気持ちだろうが、新鮮味に欠けてしまう。
『ジュラシック・パーク』以外にも『ジョーズ』や『レイダース』への目配せもある。なんなら『新たなる希望』のゴミ処理場を想起させるシーンまである。もちろん、ギャレスにはギャレスなりの良いところがたくさんあるのに、どうしてスピルバーグやルーカスのオマージュにこだわってしまったんだろうか…。
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