大阪万博レポ

  • 先週末大阪万博行ってきました。当初はさほど万博に対して興味が無く、『スケッチブック』でもトピックとして取り上げてこなかったが、いざ終わるとなるとちょっと勿体なく感じてしまい、どんなもんかと嫁と見に行くことにした。
  • なお、報道の通り万博のチケットはもうほとんど買えない。僕も2週間前に買ったがその時点で公式HP上では全然買うことができず、旅行代理店を通して購入した次第だ。なので、今からこのブログを読んで万博に行こうと思っても残念ながら行けるもんではないので、あくまで体験記として読んでいただければ。
  • ちなみに、人が多いところが嫌いな嫁は全く万博に行く気がなく、直前まで文句を言っていた。
  • 我々は9/28 12:00入場のチケット。どうも2時間は並ぶらしいと聞いていたので10:00には着きたかったが、この日『スケッチブック』の公開直前最後の編集と配信作業やら何やらをしていたら時間を食ってしまい、東ゲートに着いた時点で11:30。最寄りの夢洲駅に向かう中央線の混雑具合もゲッソリしたが、夢洲駅を降りた時点での人の多さに青ざめた。

  • 入場できたのは12:40。事前に聞いていたよりかは早く入れた。だが、我々夫婦はリサーチ不足で、待っている間に座れる折り畳み椅子や日傘などのアイテムは持ってきておらず、炎天下の中1時間以上も並び続けるのは結構体力を削られた。
  • で、ようやく入場してみると、まず万博リングに僕は素直に感動した。ネットやマスコミにバカにされまくっていた印象だけど、普通にあの大きさのリングを木造で組み立てたのは感心する。上からのビューも絶景で風も気持ちが良く、雨が降ったり日差しが強かったらこの下を歩けばいい。万博リングが一番良い展示物だと言っても過言ではなく、今万博リングを保全するかどうかが議論されているが、残したくなる気持ちも分かる。

  • さて、肝心のパビリオンだけども…。まあ〜もうちょっとシステムをうまくできなかったのか、というのが正直な感想だ。ディズニーランドみたいにWebサイト上で予約することはできるのだが、このWebサイトがまともに機能していない。我々夫婦は運良くイタリア館だけ予約することができたが、ほとんどの場合は残席僅かで予約可能な△マークが出ているのに「予約希望数を確保できません」と出るばかりで先に進めない。このサイトのUI自体も大概なクソっぷりで大変ストレスフルだった。また、サイト上で地図がpdfしか配布していないのもつらく、自分がどこにいるのかが分かりづらい。

  • 結果、会場を歩き回ってどのパビリオンも並ぶばかりなので、小さな子連れや高齢者にはきついだろうなぁ…という印象。実際に、倒れて救急搬送されている高齢者も見かけた。ただ、閉幕期ということもあってこの混雑はある程度致し方ないとは思う。
  • ただ、パビリオンに入れなくても楽しいイベントや見せ物などはたくさんあるので、それは良かったと思う。吉本のパビリオンがあり、芸人さんたちが子供たち向けのショーをして観客を笑わせていてホッコリした。一方で、世界に向けた展覧会でほぼ大阪ローカルの人しかわからないお笑いをやっているのはどうなのよ…?というモヤモヤは感じた。

  • イタリア館は教科書でしか見たことないような超絶名画や彫刻、レオナルド=ダ・ヴィンチの素描などが平然と飾られていてビビる。今年ヨーロッパ旅行をした時にも思ったけど、名画は教科書の小さい絵ではその魅力がさっぱり分からず、実物の大きさを見て初めてインパクトを得る。

  • 次は万博で我々夫婦がどうしても訪れたかった「Tech World(テック・ワールド)」館へ。ようするに台湾(TaiWan)館なのだが、台湾は国際政治的に万博に国として出展できないので、あくまでも民間団体としてパビリオンを出しているのだ。このパビリオンでは「テック・ワールド」という島を舞台に、半導体がもたらす明るい未来をプレゼンするのだが…どう考えても台湾の事なのに、堂々と「台湾」と名乗れないのは歯痒い。中国は堂々と出展してるのに…。

  • テック・ワールドでは我々が普段使う電化製品の半導体の大きさが見れるのが面白い。また、感心したのは入り口でスマートブレスレットを配られるのが、これが来場者の心拍数を測っており、自分がどの展示で最も心を動かされたのかが最後にわかるのだ。テクいね〜!

     

     

  • 「テック・ワールド」を出たら外ももう真っ暗。時間ももう18:00を回っていた。6時間いてまだ2つしかパビリオン見てないよ!でも帰りも混むことと聞いたので、そろそろ出口へと向かう。帰りしなに、ガラガラのパビリオンに人が集まり始めていると思ったらバーラト(インド)館だったので、我々も待ち時間0で入場。バーラト館は入り口にデカいナマステの手が展示されていてウケた。

  • ここで万博の残酷な真実に気がついてしまったが、バーラト館はガラガラだったのに、同じエリアのオーストラリア館などは並んでいるし、一番人気のアメリカ館やフランス館は閉園まで長蛇の列を作っていた。つまり、白人様の国が結局一番人気なのだ。世界の縮図だ…。
  • 最後に僕が今回一番行きたかったパレスチナ展示へ。パレスチナは当然専門のパビリオンなどはなく、コモンズDというその他の発展途上国たちと共同の展示ブースとなる。



  • なるべく政治色を隠そうとしているが、パレスチナ館の入り口にはガザの現状を知らせる駐日パレスチナ常駐総代表部のウェブサイトへ飛ぶQRコードがひっそりと貼られている。その横の呑気な万博スタンプQRとの対比に胸が締め付けられそうになる。

     

  • パレスチナの人々には万博などに目を向けている余裕などほとんどないだろう。ただ、パレスチナの女性衣装に使われる伝統的な刺繍の展示品の前で、おそらく今のガザの惨状などを全く知らないであろう小さな女の子が「綺麗〜」と目を輝かせていたのを見た。このような瞬間にこそ、パレスチナの人々が苦しみながらも万博に展示する動機が詰まっていたと思う。

  • さてはて、花火やらショーを万博リングの上から見ながら、名残惜しいが万博会場を後にして駅へと向かう。東ゲートを後にしたのは19:30頃、夢洲駅に着いたのは19:50頃だったので、そこまで悪くはなかった。ただこの日は合計19000歩以上歩いたので、流石にホテルに帰る頃にはヘロヘロだった。

     

  • 万博の総括としては、僕は非常に期待値が低かったので思ったよりもずっと楽しかった。ただ、運営面ではもう少しうまくできたのではないか、という不満はある。万博は計画時点で政治的な論点となり、いまだに賛否両論は多い。僕も維新は好きではないし、万博をめぐるあれこれや今後のIR計画に対して思うところはたくさんある。ただ、「万博は失敗だったか?」と聞かれると、どれだけフェアに考えても少なくとも失敗とは言えないと思う。これだけの人を世界中から大阪に向かわせただけの魅力は確かにそこにあった。もし自分に子供ができたとして、歴史の生き証人として子供に万博行った話はすると思うな。
  • あ、でもこれだけは言わせてくれ。やっぱミャクミャクはきもいよ!