『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観た!

 超久しぶりに仕事がまとまって片付いて時間ができたので、PTAの『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観ました。いやー、もう、3時間大興奮でした!

 

 白人至上主義が跋扈する国家権力が移民を強襲する様を描かれるとどうしても昨今のアメリカを連想せざるを得ませんが、それはどちらかというとオマケみたいなもんで、タイトル通り次から次へと押し寄せてくる展開と、それがエンディングに向けて大きくうねりながら収束していく話術に魅了されっぱなしでした。

 

 本作のストーリーテリング技術を集約したのがクライマックスのカーチェイス。実態としては一本道をただただまっすぐ走っていくだけなのに、それをあんな勾配のある道路で望遠で撮るだけでとてつもないサスペンスになるんですね。この起伏の中で観客に何を見せるか・見せないか、またキャラクターに何が見えてるか・見えてないかの選択にはただただ翻弄されっぱなしでした。また、劇中に何度も登場する「波に乗る」というセリフを視覚的に表しているのも素晴らしかったですね。

 

 また、本作は活動家を引退してハッパ吸いすぎてボンクラになっているディカプリオが最高で、パスワードを思い出せない件なんかは爆笑して観てましたけど、このギャグが最後の「パスワード」なんかいらない!という泣かせの伏線になっていたので、脚本までもが脱帽ものでした。もう一回観たい傑作。