『トロン:アレス』観ました

 ということで、昨日のブログに書いたように『トロン:アレス』観てきたっす。そちらの記事にも書きましたが、『トロン』シリーズはいつも映像はすごいけど話が面白くないな〜、と思ってたんで、本作にも実は期待は1ミリもしてなかったんですけど、いや〜良かったですよ!

 

 ただね、まず言っとかないといけないのは脚本は結構酷い部類に入ると思います。これまでのシリーズは人間が電脳世界に入っていく話ですが、今回は逆に電脳戦士たちが現実世界に現れる設定で、この設定自体は面白いものの、そこにロジックも何もないんですよね。電脳戦士たちは29分しか現実世界に現れることができないのが味噌となっていて、アクションにサスペンスこそもたらしてくれますが「そもそも何故短時間しか活動できないんだろう…」という根幹を説明してくれません。

 

 また、今回騒動を起こすデリンジャー社CEOは軍隊や投資家たちにこの新技術を売り込みたいと思っているはずのに、その新技術を使って街で大暴れをするのはいくらなんでも浅はかすぎるし、主人公たちも冒頭でわざわざアラスカの僻地までとある「キーコード」を入手しようと頑張っていたのに、クライマックスでは結構近い場所で同じものを入手しようとするので「では、3ヶ月も雪山にこもっていた意味とは…?」と疑問が脳裏によぎります。

 

 でもですね、『トロン』シリーズはこれまでもずっとストーリーが酷いシリーズではあったんですが、今作は疑問がよぎったらすぐに置き去るくらいのスピード感があるんですよね。冒頭からラストまでチェイス尽くめで、そこにシリーズ特有のクールなエレクトロビジュアルがテンションを上げてくれます。あと、僕は念の為に予習して『トロン』を観ましたが、その努力を労うかのごとくビジュアルショックがあって、思わず声が出ました。

 

 また、よく分からない設定の「29分しか生きられない」電脳戦士ですが、これがクライマックスに向けて良いエモさを産んでくれるんですね。29分しか生きられないが何度でも再生できる命と、時間無制限に生きられるが1度きりの人生。このAI時代に人間らしさとは何かという哲学的テーマを急にハッと突きつけてくるので油断ならないんですよね。

 

 残念なのは、本作は興行収入的にはあまりうまく行っていないようです。でも、前2作もそんな感じでしたよね。ストーリーが悪くて、興行的にもうまく行っていないのに、ビジュアルに全振りした魅力によりどの作品もカルト的人気を産んでシリーズ化しているので、おそらくまた15年後くらいに続編と出会えますよ!気長に待ちましょう。