『ビーキーパー』観てきたっす!

 いやー、良かった!今のところ2025年のベストワン。って今年まだ1本目なんで当たり前なんですが、年末ベストに残してあげたいくらいとても楽しくて終始ニンマリしていました。

 

 本作の魅力は尽きることがないんですが、社会の秩序を外から守る「ビーキーパー」という厨二病歓喜な設定の上に、ステイサムの怒りに満ちたキレッキレなスタントが乗っかり、さらにデビッド・エアーのソリッドで緊迫感溢れる演出が掛け合わさり、まるでトルコライスのようなてんこ盛りで濃厚な映画が出来上がっていました。

▲長崎名物トルコライス。初めて目にした時は衝撃を受けた。

 

 なんて言ったってもうね、殺し方が一々工夫に富んでいて、ずっと引き笑いをしておりました。しかしデビッド・エアーなのでどこか真面目さが抜けてなくて、『バクマン。』でいうところの「シリアスな笑い」が本作の大きな魅力になっていると思います。で、本作でステイサムが鉄随を下すのは高齢者を標的にした特殊詐欺グループで、そりゃこれだけ残虐に殺されるのは当たり前だよな〜と、妙な納得感で見ていました……嘘です、途中で流石に可哀想になるくらいぶちのめされていました。

 

 あと、ステイサムは最初から最後まで最強の人で多くは語らないのですが、ちょっとした表情で過去に被害者との間にドラマがあったんだろうなと匂わせるのは演技が上手いと思いましたし、ステイサムが成長しない分脇のキャラクターたちが生き生きと人間臭く描かれていたのも大変良かったですね。

 

 本作はネオンライクなビジュアルも『ジョン・ウィック』と似通っているところはあるのですが、ひとつ撮影として特筆するならば「養蜂家」を主人公としたアクションとして黄色を基調とした画作りが面白かったと思います。だいたいこういうソリッドなアクション映画はホワイトバランスを白く冷たく設定していますが、今作は暖色系で構成されていたのがまた特徴的で、ルックに設計があるのが凡百の忘れ去られるアクション映画と本作を分けている点だと思います。

 

 本作で相性の良かったステイサムとデビッド・エアーは次回作でも仕事人ものとしてタッグを組むようです。アメリカでは今年公開。楽しみだな〜。