我々は変わらなければならない。

 僕の映画やコントに度々出演されている田村優依さんが書いた記事を是非読んでいただきたい。

 

 「私にとっても近い位置にいらっしゃる方でした。」とある書いてあるので、この記事を執筆した彼女の心情は、さぞかし辛いものだったろう。それなのに、その中で現状を変えるべく、とても読みやすく多くの人に届きやすい文章を書いたことは心から尊敬する。

 

 明日も朝早いので長文が書けないのが悔しいけれど、このブログを読んでいる方やTwitterをフォローしている方ならご存知の通り、僕も酷いパワハラを受けてきた。ふと油断した時に当時の記憶が蘇って動悸がする時があるが、何故エンタメ業界の人間は「人を人として扱う」という至極真っ当のことができないんだろうか。

 

 この記事を読んで言いようのない得体の知れない憤りを覚えた現場終わり、僕はあるミスを起こしたことで叱咤を受けた。まあ、自分に非があったにせよ、人前で思いっきり怒られたのは非常識だと思ったし、納得もいっていない。が、この現場の名誉のためをいうと、海外系の現場であることもあってコンプライアンスには厳しく、普段はとても居心地の良い現場ではある。海外から来るスタッフは誰もが優しく、他社をリスペクトすることを心がけている。映像業界で働き始めて5年、初めて心地の良い現場に出会えたことに感激していたわけだが、やはりたまにこうして現場で嫌な目にあったり、嫌なことを目撃するときは大体、というか必ず日本人スタッフによるものだったりする。

 

 日本のエンタメ業界は変わるべきだと、ここ数年声高に叫ばれてきたが、根本的な何かが欠けてしまったまま、しかもそれに慣れてきてしまったまま長い間存在してきたので、今更すぐに変わるとも僕は残念ながら思っていない。しかし、やはり僕らは今ここで変わるべきだと決意しなければならない。もうこれ以上、何人の人生を壊せば気が済むんだ。

 

最近の映画は「信じられない」から残念

 予定から先ほど帰ってきまして、もう遅いので今日も寝たいところですが、もう一個今日見返した『ロード・オブ・ザ・リング』の素晴らしさは「VFXが信じられる」という事ですね。最近マーベル映画に疲れてきている理由の一つはあからさまに「CGしているCG」でありまして、これは皆さん報道でもご存じの通りマーベル映画の過酷なポスプロ現場状況が悪影響していると思いますが、昨今のマーベル映画はただ物理的に現場で撮れないものを業務作業的にCGで補っているだけにしか見えず、そしてそれがCGである事を隠そうとしていない、というか隠す余裕がないように見えます。

 

 でもこれはまあマーベル映画の問題というよりかは『ゴジラVSコング』『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』などでも感じたように、商品性が高まった近年のハリウッド映画の傾向なのかもしれません。他方で『ロード・オブ・ザ・リング』はもう20年以上の映画であるにもかかわらず、どこまでロケ撮影に頼るのか、どのシーンをセットで見せるのか、何をプラクティカルエフェクトで見せるか、どこにCGを使うかの判断が絶妙で、本当に中つ国の実存を信じさせてくれるんですね。IMAXの巨大スクリーンで見ても昔の技術の粗などは見つからず、「ああ、CGを使ってるなぁ」なんて事を気にせず純粋に世界観を楽しむことができました。

 

 ディズニー+で配信されていた傑作ドキュメンタリー『ライト&マジック』でもILMの面々が如何に空想世界を現実的に表現できるかにこだわり、『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』などの歴史的な作品を生み出していったかが伺えましたが、最近の大作映画では資本主義的な姿勢ばかりが先行してしまい、『ロード・オブ・ザ・リング』のような野心的な作品を見る機会が減ったのが非常に残念です。

 

 が、これを書いていて思い出したのは、同じく「CGで撮ってるかどうか」なんて余計な事を一切考えさせないで見せてくれた最近の作品は『トップガン:マーベリック』だったなぁと思います。もちろん、あくまで生身のスタントにこだわるトム・クルーズ作品なので、そもそもリアルなものが映像に捉えられているのでしょうが、それにしたってCGを使っていない映画はウンチをしないアイドル並みに存在しない事であって当然『TGM』でも一部使われている部分はあります。しかし、やはり実機飛行シーンは生で撮る、などの狂った野心がとんでもないリアリティを生んでいる事は間違いなく、『TGM』はその世界を信じられるからこそこれだけ世間の絶賛を呼んでいるんじゃないでしょうか。

 

 

 

中つ国に行ってました

 昨日撮影終わりで、撮影休日前だってのに終了予定時刻が30分伸びてもうヘトヘトになって帰宅するなり爆睡してしまったので、昨晩は更新できませんでした、すみません。

 

 で、今日は『ロード・オブ・ザ・リング』のIMAX再上映を観に行ったわけですが、撮影現場の実態を知ってから見る『ロード・オブ・ザ・リング』のスケール感のバカデカさには改めて驚愕した次第で、一体全体どう現場をまとめることができたのか、皆目見当もつきません。wikipediaを読むと三部作倒し438日間の撮影と3年間に渡る追加撮影があり、延べ2400人のスタッフキャストが関わり、150のロケ場所で撮影したというのですから、正に戦争を指揮しているようなしっちゃかめっちゃかさだったに違いありません。

 

 今自分がやってる仕事内容と照らし合わせて、どのような苦労がLOTR三部作の助監督を苦しめただろうか書きたいと思ったのですが、これからまたちょっと予定があるのでまた今度にします。あと、久々に見返した実感としてナッチの字幕はメチャクチャ誤解を生みやすいなと思いました!

 

 



世も末…

 前も同じようなことを書いた記憶がありますが、佐久間信行がラランドの西田を起用して始めた『ラランド西田のお悩み散歩』という番組がありまして。この番組は西田が佐賀の風景をバックに子供たちの悩みを聞いてあげる、という趣旨のものなんですが、記念すべき第一回で西田が「学校で流行ってる芸能人とかいる?」と聞くと、少年が「ひろゆき」と答えていてゾッとしました。

 

 今の現場での初日、小学校を舞台にした撮影で大人数のコントロールできない子役エキストラを扱った色んな意味で大変な撮影だったんですが、そのうちのある子供グループが口論を始めまして、とある子供が「嘘つくのやめてもらっていいですか?」とひろゆき語で煽っていた時は世も末だと思いました。

 

 ここまで書いて、やはり以前同じエピソードを書いたことを思い出しましたが、どうやら都内だけでなく佐賀の子供たちにもひろゆきのモノマネが流行っているそうなので、全国的に浸透しているものなのでしょう。そんな子供たちが大人になった時にあちらこちらで屁理屈や効率主義の権化みたいな事を言い出して上の世代を困らせるかとと思うと、少子高齢化に加担したくなりますね!『クレヨンしんちゃん』よりもひろゆきを大人たちは子供に規制じゃないでしょうか。