全部銃が悪い、ただそれだけ。

つい先日テキサス州サンタフェの高校でまた起きた銃乱射事件で、州副知事のコメントが凄い。

CNN.co.jp : テキサス副知事、高校銃乱射の原因列挙 「銃の問題ではない」

テキサス州サンタフェの高校で起きた銃乱射事件について、同州のパトリック副知事は20日、暴力的なテレビゲームや命を軽視する教育などの影響が原因だと述べ、銃の問題ではないとの考えを示した。

(中略)

パトリック氏は事件の原因として、まずテレビゲームの影響を挙げ、「十代の若者の97%がテレビゲームを視聴し、暴力的なゲームは全体の85%を占める」との統計に言及。ゲームの殺人シーンを見ることで若者たちの攻撃性が強まり、暴力への感覚がまひしてしまうと指摘した。

同氏はまた、今の米国では命が軽視され、学校から宗教教育が排除されていると批判。人工妊娠中絶や父親不在の家庭環境も問題だと述べた。

 

 出ました、もう耳にタコができてそのままタコ焼きが作れるんじゃないかってくらい聞き飽きた「乱射事件は全部テレビゲーム(もしくは映画)が悪い」という、幼児退行も甚だしい主張。乱射事件を「青少年の犯罪」に、テレビゲーム・映画に「漫画・アニメ」を加えれば日本でも声高に叫ばれている主張になりますが、問題の論点を挿げ替えてなんでも表現規制しやがる奴らに限って「正義」の名の下に中東で爆弾落として罪なき市民を殺したり、9条改正に血眼になってる連中ばかりじゃないですか。

 

 ちなみにかのナチスドイツも「社会的に」「道徳的」に「有害」なアートを退廃芸術と呼んで弾圧し、同じく「社会的に」「道徳的に」正しいと信じてユダヤ人虐殺を行っていたことを考えると、芸術表現とその規制を求める体制側の、どちらがより残虐でより多くの人命を奪っているかは一目瞭然です。

 

 またパトリック副知事が「宗教教育の排除」が「命の軽視」に繋がっているというのもバカらしく、宗教なんかがこの世に無ければ一体どれだけの無駄な殺生がこの世から無くなり平和になっていたかを『スター・トレック』を観て学んでもらいたい。父親不在の家庭環境に至ってはもう何が言いたいのかよく分かりません。

 

 どっかのバカが銃を公共に持ち込んで人を殺しまくるのはそこに銃があるから、ただそれだけ。でもそれだけのことをアメリカ人は全然分かってくれないっていうことを、僕はアーカンソーで嫌という程味わってきたよ。

 

 

 

パトリオットたちの不思議

 是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞するという快挙を成し遂げました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180520/k10011445651000.html

 是枝監督は僕が日本で通ってた大学の教授でもあり、大教室だったので面識はないだろうけれども授業も取っていたので感慨深く、またパルムドールを取ったんでNYでも上映されるだろうし「是枝監督の最新作がアメリカで観れる!」と喜んでたんですよ。(ちなみに是枝監督のツイッターによると監督は今NYに向かってるそうで、そんな時になぜ僕は出張に出ているのだ!とヤキモキします)

是枝裕和 on Twitter: "カンヌ映画祭⑧興奮の夜が明けて名残惜しいですがカンヌの街を出ました。パルムドールのトロフィーはスタッフに預け、僕は日本には帰らずにニューヨークへ向かっています。大好きな役者さんと打ち合わせ。授賞式より、むしろ緊張しています。… "

 

 で、喜んでいるのは僕のみならず、こういう「日本人が国際的な偉業を成し遂げた」って時に必ず「やはり我らが日本はスゴイ!」とまるで自分が偉大な何かを達成したかのように喜ぶのが右翼思想の皆様方*1で、今回もそうなるかと思っていたんですけど、なんと『万引き家族』は反日映画として叩かれているんですよ。

http://anonymous-post.com/archives/23683

 

 元々是枝監督はリベラルな思想を持っていて安倍政権にも批判的でしたし、恐らくカンヌでのインタビュー*2が原因でネトウヨさんたちが盛り上がっているんだと思いますが、しかし今でこそ大好きな「日本スゴイ!」を発揚すべき場面なのに、何が彼らの火を点けるの全く読めないので本当に面白い人たちだと思います。

 

 

 

*1:いや、誤解のないように言っておくと、別に同じ日本人として是枝監督凄いなぁと喜ぶのは僕は人間の気持ちとして自然だとは思います。

*2:http://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/14726791/?__twitter_impression=true

いつかは必ず死ぬってことを心に刻め!

 また今日から木曜まで出張なのですが、空港の本屋がチャック・パラニュークの特集をしていて思わず『ファイト・クラブ』の原作本を衝動買い。日本語の本だってまともに読んでないのにこれを一冊読み切るのにどれほどの労力を費やすのだろうか、まあでも名セリフの数々を思い出しながら楽しみたいと思います。

 

 

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更新し忘れ

 昨晩は『デッドプール2』を仕事終わりに観に行っていて、帰った時にはクタクタでブログどころではなく、今朝通勤電車の中で書こうと思っていたけど、仕事に向かう電車の中でそんな気にもなれず、仕事の合間になんか書こうと思っていましたが、書く隙を見つけられなかったので、結局コソコソとこの記事を書いていまに至る…

人種差別は身を滅ぼす

 NYの火曜日昼頃。とあるレストランで撮られたビデオが現在バイラルに広まっている。動画の中の男はお店の店員がスペイン語を話していることに激高し、「ここはアメリカだ、英語を喋ろ!」「お前らは不法移民だろうから移民局に通報するからな」などと脅した。


 

 口論となった客は危険を察知したためスマホを取り出してビデオを回し始めたのだと言う。この動画がfacebookにアップされると大炎上、インターネッツの力ですぐにこの男はNYの弁護士だと特定されてしまった。笑ってしまうのは客が録画を始めるとこの男もまるで対抗手段の武器かのように動画を回し始めたことで、いや、お前の方は録画回したってなんの意味もないだろ!これがネット時代の決闘術なのか。

 

 今回は結果的に身元がバレたこの弁護士の元にメディアが殺到し、おそらく仕事も減るだろうからこれから大変だろうな。本当に人種差別は身を滅ぼすから良いことないよ。