そこまでしてみんな観たいかね?

 このブログを度々読んでいる人なら僕がディズニー傘下になった以降の『スター・ウォーズ』に対するスタンスはお分かりだと思いますが、ここ数日このニュースに煮え切れない思いを抱いております。

 


 いえ、まあ、すでに2年前の段階で報じられていたニュースではあるので、こうなることは分かっていたんですよ*1。ただ記事にあるボブ・アイガーの「金が入るから作る」以上以下の何もないスタンスには改めて怒りを覚えます。というか、他人が作った基盤で金を儲けておいて、「『スター・ウォーズ』シリーズに関しては大きな野心を持っている」ってなんだよ。ルーカスが『スター・ウォーズ』でやり遂げたかった野心は映画界の革命であって、金を永遠に作り続けることしか考えない浅薄な計画の何をもって「野心」と呼ぶのか。

 

 というか、シリーズが長く続くことについて喜んでいるファンも多いですが、よくよく一度冷静になって考えて欲しいです。ジョン・ウィリアムズだってベン・バートだっていつまでも元気にプロジェクトに参加はしていないでしょう。ただ、「創造性の違い」と称して言うことの聞かないフィル・ロード&クリス・ミラーやコリン・トレボロウといった若手監督のクビを切ったり、世界観に合わないからと巨額を費やしてトニー・ギルロイに再撮影させたディズニーのことなので、「すごくよく似た」ものを作り出せるスタッフを連れて入れ替えていくのでしょう。

 

 そうして『スター・ウォーズ』はどんどん作り手を変えていきながら工業製品のように延々と量産・消費され続けて行くわけですが、それは本当に僕たちが観たかった『スター・ウォーズ』なのでしょうか。いや、百歩譲ってそれが皆さんの観たかった『スター・ウォーズ』だったとしましょう。でも、永遠に続くということは、自分が死ぬまでにシリーズが終わらない、ということですよ?つまり、死の床で「ああ、死ぬ前にエピーソド〇〇が観たかった…」と非常にモヤモヤした思いを抱きながら死ぬわけです。そんな未練たっぷりな状態でこの世をさったら親族に化けて出ること請け合いです。それはファンとして幸せな死に方なんだろうか?と、今一度立ち止まって皆さんの終活のあり方を冷静に考えて欲しいです。

 

 とか言いながら、一番タチが悪いのは批判するのに観にいってしまう僕のような人間なのだろうなぁ…。だって金が入る限りディズニーは『スター・ウォーズ』を終わらせないんだから。

 

 

 

*1: