『サウスパーク』S23E5「Tegridy Farms Halloween Special」感想

 僕の怠惰でもうクリスマスも近いっていうのに大変申し訳ないですが、今回の『サウスパーク』はハロウィン回!タイトルの通りランディがメインだが、今シーズンの主役はすっかりランディだなぁ。

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 ハロウィンに向けてテグリディーファームでプロモーションをすることを家族に発表するランディ。しかしシェリーの姿が見当たらない。ランディはシェリーは「マリファナ問題」を抱えていると察知し、彼女と親子水入らずで会話することにする。なお、英語圏で「マリファナ問題(marijuana problem)」という時は、大概未成年が大麻に手を出してハマってしまうことを指すが、ランディが心配しているのは何故シェリーがマリファナを嫌うのか、というトンチンカンな問題である。「シェリー、どうしてマリファナを嫌うんだい?世界中の偉大な人がマリファナを吸ってハイになってるんだぞ?お前の好きなセリーナ・ウィリアムズだってテニスの試合前に吸って凧のようにハイになってるんだ」父のデタラメに益々腹を立てるシェリー。「この国の人々は大麻のせいでどんどんバカになってる!マリファナがもう一度違法になれば良いのに!」シェリーの言葉に傷ついたランディは娘との関係を修復し、マリファナを好きにさせようと奔走する

 

 一方、デンバー博物館のエジプト展覧会でスタンプラリーを集めているバターズ。最後のスタンプは博物館の中でもひっそりとした部屋に展示されていたトゥーク・タン・ラーのミイラの元にあった。バターズは意気揚々とスランプを押そうとするが、『ペット・セメタリー』に登場するジャドそっくりのキュレーター*1が登場し、バターズに忠告を行う。「そのスタンプは押さない方が良い…子供には相応しく無い古代の愛の呪いがかかっているんだ」しかし朗らかなバターズは忠告を無視してスタンプを押してしまう。

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 その夜、ぐっすりと眠るバターズの部屋をノックする音が。恐る恐る目を開ける、蘇ったミイラが襲いかかり部屋をめちゃくちゃにする。泣き叫ぶバターズの元にミイラが手を差し伸べると…そのままバターズを優しくハグする。これが「愛」の呪いである。そのままミイラはバターズにプレゼント箱を渡す。箱を開けてみると…「あ、ありがとう、Fitbitか…僕もう持ってるけど、これ僕の友達にあげるよ」それを聞いたミイラは激昂し、更にバターズの部屋をめちゃくちゃにし、そのまま街に出て大暴れしてしまう。

 

 さて、娘にマリファナの良さを中々理解してもらえないで悩むランディだったが、ビジネスパートナーのタオリーが新手のハイブリッド種ハロウィンスペシャルの開発に成功し大喜び。一方、当のシェリーは研磨剤、ペイントシンナー、漂白剤を使って禍々しい魔女のスープを作り、ハロウィンスペシャルにブチまける。発狂し落ち込むランディだったが、このスープをきっかけにハロウィンスペシャルはより強力な種類の大麻に突然変異している事に気付く。「これでハロウィンのプロモーションは大成功だ!」と乱舞しパーティーを開くランディとタオリーであったが…!

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 これまでのハロウィンエピソードと同様、『ミイラ再生』『クリープショー』などホラー映画からの引用が多数。『ゾンビ』の引用もあり、ジョージ・A・ロメロ風味が若干強め。笑うのはクライマックスでハロウィンスペシャルの効能のせいで色々なゾンビがランディを襲う中、ハーベイ・ワインスタインがランディのお尻を襲う。バターズの注目を引きたくて暴れるミイラは壊れかけのカップルみたいで笑える。でも確かにミイラ映画の本文は悲恋だしね。

 

 しかし、全体的にはこれまでのハロウィン回と比べると風刺も弱くてイマイチな出来。やはり今シーズンが取り扱っているマリファナという題材があまりハマっていないのでは…?

 

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*1:ちなみにこのキャラは名前も無いが、サウスパークの子供達に忠告を与えたり呪われた何かの過去を説明する便利な役割で頻繁に現れる。初登場回はジョンベネ事件をパロったS5E14「バターズ☆ベリーマッチ(Butter's Very Own Episode)」