RIP ジョン・マケイン

  共和党上院議員ジョン・マケインが亡くなりました。

 共和党員でありながら己の信念を貫いて時に自らの党と対立する姿勢は稀有で大変かっこよく、残念でなりません。マケイン議員の訃報を受けて、2008年の選挙の時に戦ったバラク・オバマ元大統領も声明を発表しています。

 ジョン・マケインと私は異なる世代の人間で、全く異なる出自や背景を持ち、そして政治の高い次元で競い合いました。だが、私たちの間にどれほど違いがあろうと、私たちは全ての世代のアメリカ国民と移民が共に戦い、歩み、そして犠牲にしてきた理想への忠誠心を共有してきました。私たちは、私たちの政治的闘争を特権や何か高貴なもの、我が国が持つ高い理想への執事として従事し、そしてそれを世界に促進させる機会として捉えてきました。私たちはこの国を可能性に満ちた土地であると見出し、そして市民権を未来永劫に現状保持する愛国的な義務として捉えてきました。

 ジョンが過去に直面したような方法で試された者、あるいはジョンが過去に見せたような勇気を示すように要求された者は少ないでしょう。しかし、私たち全員が個人よりも社会の利益を優先する勇気に熱望することはできます。ジョンは最善のやり方で、それがどういう意味か私たちに示してくれました。そしてそのために私たちは彼に恩義があるのです。ミシェルと私は心から哀悼の意をシンディと彼の家族のために表します。

 

 かつての政敵に対する敬意の満ちた崇高な追悼文だと思います。対して、共和党員で現大統領のあの男も得意のツイッターで追悼文を発表しましたが…。

 

ジョン・マケイン議員の家族に哀悼の意と敬意を送る。我々の思いと祈りはあなたがたと共にある!

 

 あ、圧倒的言語力の差よ!先ほどのオバマの声明は訳すのが難しくて悪戦苦闘しましたが、トランプのスマホからチャッチャッと投稿したのがよく分かるような弔文の翻訳には5分もかかりませんでした。まあ、マケインはいつもトランプを批判していたし、自分の葬式にも参列してほしくないと周囲には伝えていたから、トランプに追悼の意なんてこれっぽちもあるわけがないよな。

 

John McCain: An American Hero

John McCain: An American Hero

 

 

今日は華金

なので更新を休みます。今週末の更新予定はバルバドス日誌の後編と『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の感想+もう1記事をお送りする予定ですが予定は未定です。

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こちらの写真はバルバドス空港に設置されているバーでございます。素晴らしくバルバドスらしい。

エッッッグ!エッグリアン!(CVシルヴェスター・スタローン)

 このブログでも何度か書いたことがあるが、アメリカでは生卵を食べられない。むしろ卵を生食するのは日本や韓国くらいで世界的にも珍しい。卵を生食する文化がないので基本的に殺菌処分をしないのでサルモネラ菌による食中毒の恐れがあるのだ。『ロッキー』で生卵を一気飲みするシーンは公開当時アメリカの劇場で悲鳴が上がったという。

 

 

 なのでアメリカに住んでいると日本人の僕には生卵がどうしても恋しくなる。僕は納豆と卵かけご飯さえ食べられれば365日生きていける自信があるが、最近人生を生きていける自信がないのはひとえに卵かけご飯が食べられてないからではなかろうか。

 

 生卵への探究心はさっき韓国系スーパーでレンジでチンをして食べる牛丼を見つかったことから始めたった。度重なる出張で食材のほとんどを腐らせてしまい、かといって新しく食材を買って遅く帰ってから何かを作る気もおきず、困っていた時に冷凍牛丼が燦然とした輝きを持って目の前に現れた。牛丼といったら温泉卵ではないか…待て、火の通った温泉卵なら食べられるのではなかろうか…!あたかも初めてエロ本を買うがごとく、早く家に帰りたい気持ちを抑えて冷凍牛丼と卵のパックを買ってレジに並んだのであった。

 

 帰宅してクックパッドを調べると、早速温泉卵の作り方が見つかった。ただ沸騰したお湯に水を加えて12分待つだけで温泉卵が作れる、たんこたんきち氏による魔法のようなレシピである。リンク先にも書いてあるように作り置き用に4個を投入し、iPhoneのベルがなるまで12分ひたすら待った。これほど12分が長く感じたのはいつ以来であろうか。

 

 あの牛と玉ねぎとトロットロの黄身が絡み合う感覚を久しぶりに味わえる…!記憶の中で日本ですき家で食べた牛丼の味を思い出し、温泉卵が出来上がるタイミングを見計らって牛丼も解凍する。見事なタイミングでiPhoneと電子レンジの合図がなり、火傷しないように気をつけつつ牛丼と卵を食卓の用意する。焦る気持ちを抑えながら卵をゆっくり割ると…

 

 

 

 

 

ゆでたまごがでてきた。

 

 

 や、やっちまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

※火は止めたものの、コンロの上に鍋を置いて待ったことで全ての計算が狂った模様。

 

 

 ということで、今冷蔵庫には、作り置きした何の変哲も無いゆでたまごが3つある。1つは牛丼のサイドとして美味しくいただきました。

 

ロッキー (字幕版)

ロッキー (字幕版)

 

 

カリブの海賊日誌・中編

この記事の続きです。 

 

バルバドスの交通事情

 前編でバルバドスはイギリス連邦加盟国であるため右ハンドル・左車線と書いたが、そのためか街を走る日本車の数が圧倒的に多い。前回書いたように街を爆走するバスはトヨタハイエースだし、道で見かける車はマツダとかスズキばかりで、アメ車はほとんど走ってない。道も狭いから日本の小型車の方が融通が効くのだろう。

f:id:HKtaiyaki:20180822115455j:imageバルバドスのバスターミナル。全部ハイエースを改造したもので、夜になると爆音でヒップホップを流す。


f:id:HKtaiyaki:20180822115426j:imageバルバドスのタクシーもスズキ!

 

 タクシーに乗った時にカーナビや車内のステッカーとかも全部日本語表記でビックリしたんだけど、恐らく日本から直接輸入しているんだろうなぁ。「カーナビ日本語じゃん!」って言ったら「英語設定の変え方が分かんなくてな、ガハハ」と呑気な運ちゃんであった。バルバドスは小さい島国なので、行き先さえ伝えればタクシーの運ちゃんは皆地図なんか見なくても辿り着けるので、まあカーナビなんぞを使う機会は一切無いのだろう。

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バルバドスのご飯

 一体何を食べで良いのか皆目見当もつかず、とはいえせっかくバルバドスにいるのにファストフードばかりじゃもったいなくて、初日はまずビーチサイドにある出店に座った。「バルバドスの地元の飯は何?」と聞くと店のおばさんがとりあえずフィッシュケーキを試せというので食べてみると、タコの代わりに魚肉が入っているタコ焼きのようなものが出て来た。日本にも似たような食べ物あるけど、魚の代わりにタコなんだよ、と伝えたら、バルバドスではタコが滅多に採れないのでタコは高級食材なのだそうだ。 f:id:HKtaiyaki:20180822115559j:image

これがフィッシュケーキ。エビのソースにつけて食べる。

 

 フィッシュケーキに使われた魚はタラであるが、どんな魚が他に食されているか聞くとトビウオやシイラ(マヒマヒ)がよく採れるそう。大抵はグリルかフライにして食べるのが通常で、僕は他にもイルカのフライも食べた。だってまあ、日本人だし*1」のシーンの!」と写真を撮られる。彼女がいうに僕はジョン・チョウに似ているということらしいのだが、それ黒人を見たら「エディ・マーフィーに似てる!」というくらいレイシストで失礼じゃないか!?

 

 

 と、酔っ払いに説法を垂れても無駄だし友達もおらず寂しかったので輪に入って見ると、僕を呼び止めた男はセントルシアに40年住んでいるスイス人で、僕をジョン・チョウ呼ばわりした女性はフロリダ州タンパに住むアメリカ人、他にはドイツ人の男とバルバドス人の男2人がグループにいた。彼らは皆シェフで、年一回バルバドスで開かれるクッキング・コンペに参加しに来たそうだ。

 

 彼らと暫く飲んでいると「これからカラオケバーに行くがお前も来るか?」と誘われ、他にすることもなかったのでついて行くことにしたら、5人乗りのコンパクトカーにまたもやギュウギュウに大人6人が詰め込められた。バスもそうだが、ギュウギュウに人を詰め込むのはバルバドスの文化なのだろうか。

 

 道中では「もし俺らがお前の内臓を売り飛ばすことを目的とした誘拐犯だったらどうするつもりだったんだ」と酔っ払いのスイス人に聞かれたが、「まああんたらシェフで誘拐犯だったら俺の内臓で料理できるよね」と上手いのかもよくわからない返しをしたら皆酔っ払ってるので爆笑してくれた。そうしてカラオケバーに着くとこりゃもうヤケだと飛び跳ねてガンズ・アンド・ローゼズの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』を熱唱したら店中でウケた。お店にいた女の子に「あなた最高ね!」なんて話しかけられる美味しい思いもしたが、これまたケイティ・ペリーの『ファイヤーワーク』を夢中になって歌っている間にその子はいなくなってるのであった、トホホ。

 

Teenage Dream

Teenage Dream

 

*1:))な!ちなみにイルカの肉は初めて食べたが、意外と白身魚と同じ味だった。

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バルバドスで誘拐される

 Wikipediaによるとバルバドスはラム料理で有名らしいが、それらしい料理は見当たらなかった。代わりにラム酒はどこでも売ってたので、毎日毎日バカほど飲んだ。しかし正直「せっかくバルバドスにいるのだから」という義務感のような気持ちで毎晩ビーチバーに繰り出しており、一人で飲む酒ほどつまらないものはないのでふとした瞬間に「僕は一体何をやってるんだろうか…」と酔った頭で我に帰る瞬間があった。

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 そんなある晩のこと、またもビーチバーで慣れないラムパンチを一人で飲んでいると「おい、東京!」と酔いどれのオッさんに呼ばれた。行ってみると同席していたこれまた酔っ払った女性に「あんた『アメリカン・パイ』に出てたでしょう!あの「MILF!((Mom I'd Love to Fuck(俺がヤりたい母さん)の略で、つまり熟女のこと。この単語はジョン・チョウが映画内で叫んだことで一般にも広がったのだが、『アメリカン・パイ』については当ブログの該当記事を参考にされたし。