昨晩は酔っ払って近所のお店を散策してたらゲイバーに入りました。面白かったです。
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最近キャリアウーマンを主人公としたファンタジーコメディ映画を三本観て、それぞれ似ている設定だったので一緒にご紹介。『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』はアビー・コーン、マーク・シルヴァースタインが監督・脚本、 エイミー・シューマー主演。『ロマンティックじゃない?』は トッド・シュトラウス=シュルソン監督、 レベル・ウィルソン主演。『What Men Want』はアダム・シャンクマン監督、タラジ・P・ヘンソンが主演。
続きを読む一般的なイメージでアメリカは世界を先導する科学先進国だろう。世界最先端の技術を要する企業が揃っているし、並外れた予算を持つアメリカの大学や研究所には世界中の優秀な人材が集まる。しかし、そういったイメージとは裏腹にアメリカには変なところで非科学的で前近代的な側面がある。「アンチ・ヴァクサー(Anti-Vaxer)」と呼ばれる人たちはそういった奇妙な部分のアメリカを代表している。
つまり、アメリカには「ワクチン予防接種は自閉症をもたらす」と信じ込んでいる連中がおり、彼らは子供にワクチンによる予防接種を受けさせない。町山智浩のエッセイ集『マリファナも銃もバカもOK の国 言霊USA2015』(文藝春秋)には以下の記述がある。
政府や科学者たちがいくら証拠や資料を揃えてワクチンと自閉症は関係ないと説明してもアンチ・ヴァクサーたちは聞く耳持たない。「政府と医薬品会社が結託した陰謀」と信じ込んでいる。「地球温暖化は左翼の陰謀」と思い込んでいる人たちにいくら科学的根拠を見せても無駄なのと同じことだ。
陰謀論に傾倒するアメリカ人が多いのは興味深い特徴だが、特に移民当時の生活様式を営む宗教集団アーミッシュが多く暮らすオハイオ州ではアンチ・ヴァクサーは顕著だ。2015年の地元ニュース紙によれば、オハイオ州内で宗教的・個人的理由でワクチン接種を拒んだ子供の数は過去10年で3倍に膨れ上がったという。
反知性的な大人のせいで子供たちの健康に被害が生じるのは大変憂慮すべき事態だが、そんな大人たちに反旗を翻している少年が今アメリカで注目を集めている。イーサン・リンデンバーグ君はオハイオ州に住む高校生だが、これまで母親がやはりワクチン接種は政府の陰謀と信じ一切受けさせてもらえなかった。そして母親がワクチン接種が悪であると信じ込んだのは、Facebookのフェイクニュースを読んだからだった。
幸い、賢いイーサンくんは自分でリサーチを重ね、ワクチンと自閉症には何ら関係がないことを示す証拠を揃えたがそれでも母親は聞き入れてくれなかった。数ヶ月前に18歳になった際Redditに「18歳になったんだけど、どこでワクチン接種を受けられる?」と投稿して彼は全国的に有名になり、数々のニュースメディアに取り上げられるようになった。無事に両親の許可なしでワクチン接種を受けることができたイーサンくんは、ついに今週火曜日に米国連邦議会の保健・教育・労働・年金委員会に招かれワシントンDCまで足を運び公聴会に出席したのだ。
今年は麻疹が世界的に流行している。予防接種を受けることは自らを守るだけでなく、他人に広げないためにも大事なことだ。イーサンくんが公聴会に呼ばれたのはワクチン接種の重要性を広めるたmで、18歳とは思えない堂々とした口調で母親が誤った情報を信じ込んでしまう経緯を説明し、教育の重要性と、誤った情報の危険性を訴えた。
公聴会の最中、イーサンくんが度々口にするのは「情報」という言葉だ。ポスト真実の時代とも呼ばれている現代、いかに見出しや都合の良い情報、あるいはフェイクニュースに踊らされてる人々が増えていることか。現代の諸悪の根源はSNS社会にあるのではないかと思ってしまうが、しかし無数の情報の中で真実を見極める目を持っているのは大人たちではなく、意外にもイーサンくんみたいにデジタル文化に慣れ親しんできたミレニアル世代だったりするので、彼らが大人になるにつれ世の中は好転していくんじゃないかと僕は微かな希望を抱いている。
人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには (世界をカエル―10代からの羅針盤)
アメリカは日本と違って車庫証明がいらないので、法律を破らなければ路駐がどこでもできる。特に土地の狭く駐車場がほとんどないNY市なんかは路駐が一般的だ。ただし、NYは曜日代わりで清掃車が道を清掃するので、道路毎に車を止められる曜日と時間帯が決まっている。ということで、うちの会社でも時々社員が社用車を管理することがあるのだが、そのうちの一台を今僕が家まで持って帰っている。通勤を車で通えるのは便利だが、最近会社⇆自宅間をナビを一切使わずに行き来できるようになった。段々ここの生活に慣れてきたんだなぁと感じるのであった。
NYのクリエイティブ地区 ブルックリンへ (旅のヒントBOOK)
ベトナム映画史上初めてアメリカ公開を果たした『Furie(原題:Hai Phượng)』をAMCエンパイアで鑑賞。監督はレ・ヴァン・キエト、主演はヴェロニカ・ゴー。
我々はブルース・リーやジャッキー・チェンらにより、香港人をナメたら即死ということを教わった。ラジニカーント様からはインド人をナメたら即死、『ザ・レイド』からはインドネシア人をナメたら即死、数々のタイ映画からはタイ人をナメたら即死ということも教わった。そして『Furie』により人類は新たな事実を学ぶことになる。
ベトナム人をナメたら即死!!と。
ベトナム南部の農村で娘マイと二人暮しをしていたハイ・フォンは借金取りを生業としている。ハイが村中から金を巻き上げているが故にマイは学校ではイジメられており、母娘関係も冷え切っていた。ある日、二人が村の市場に行くと、目を離した隙に人身売買グループによりマイは誘拐されてしまう。ハイの必死の追跡も虚しくマイはホーチミンに連れ去られてしまうが、人身売買グループには誤算が一つあった。ハイは元ヤクザであり、ベトナム武術ボビナムの使い手だったのだ!かくしてハイというワンマンアーミー、否、ワンマザーアーミーと国際的な犯罪グループの死闘の火蓋が切って落とされたのであった。
この様に非常にシンプル且つ何度も観てきたプロットで、本作は映画ライターのギンティ小林氏が提唱する「ナメてた相手が実は殺人マシンでした」映画の系譜に当たる。しかし、『Furie』が凡百のアクション映画の中に埋もれず、こうしてベトナム映画史上初のアメリカ公開となったのは、やはりボビナムという普段あまり聞き慣れない武術アクションが凄まじいためだろう。
ウィキペディア*1によると、ボビナムは欧米列強に抑圧され続けてきたベトナムでこそ生まれた護身術で、「武術によって心身ともに励まし鍛える」ことを目的としているそうだ。西洋と東洋の武術が研究し尽くされ、手・肘・足・膝の他に剣、ナイフ、扇子、爪、薙刀なども使われる。本作はそんな硬派な格闘技を自在に操っているのがお母さんというギャップが素晴らしく、ハイを演じるヴェロニカ・ゴーの身のこなしには感嘆する。
更にチンピラの男どもを簡単にのしていくハイの前に立ち塞がる筋骨隆々の女傑ボス、タン・ソイ様がまた素晴らしい。あれだけ強かったハイですらまるで歯が立たず、監督これはちょっとパワーバランスやっちまったんじゃないかといらん心配をしてしまったが、ボビナム由来の精神力でハイがタン・ソイ様と目にも止まらぬ速さで拳を応酬し合うクライマックスには観客席から拍手が上がったほどだ。
▲『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』のマザーロシア以来の女傑、タン・ソイ様。なお、様付けが義務である。
アクションのみならず、ハイがずっとアオババを着ていたり、やたらとバイクや原付が登場したり、電気も通らないド田舎とビル群が立ち並ぶ大都会ホーチミンの比較など、初めて観るベトナム映画のベトナムらしさも面白い。更に個人的に最近ハマっている赤・青・緑を強調したネオンカラーな照明も使われまくっていて画的にも楽しい。本作の存在を知ったのは『流浪地球*2』を観たときにかかった予告であるが、普段あまり触れていないアジア圏の映画がどれもこれも面白かったりすると邦画もこうしちゃいられないぞと少し焦る気持ちになるのであった。
ベトナム総合武術 新 ボビナムの教科書 (「開け! 次代の扉」編)