トイレットペーパーマン💩

 えー、昨晩は『サウスパーク』S23E03「Shots!」の更新をしようと思ったのですが、友人宅で鍋パーティーをしていたら腹を壊してしまったので、大事を取って休みました。まあ、毎日がサンクスギビングみたいな状態なのに何を大事取ってるんだ、という話なんですけれども。

 

 僕は比較的に腹の弱い人間ででして、小さい頃からすぐお腹を壊してトイレに籠る事が多かったです。おそらく睡眠の次に人生で最も時間を使ってるのは排便じゃないでしょうか。それくらい僕はお腹が弱く、お腹を下して失敗したエピソードは数知れません。

 

 例えばあれは去年の話でしょうか、マッチングアプリで知り合った女の子とやっとデートする約束を取り付けたと思ったらですね、何を気合い入れてたのか集合時間の3時間前から現地でスタンバって、暇でも潰そうとスターバックスでフラペチーノを飲んだらそれだけでピーピーお腹が暴れ始めまして、頑張ってリサーチした洒落乙なバーで女の子そっちのけで40分トイレと愛し合っていた事もありました。それほど僕は胃腸が弱いのです。もちろん、その子から連絡が途絶えてしまったことは言うまでもありません。

 

 また、もう何も失うものもないので今だから始めて告白しますが、大人になってから大を漏らした事もあります。(汚い話ですみません。)忘れもしないあれはですね、僕が3年前NYで1ヶ月だけインターンをしていた時で、当時僕は映画館から歩いて10分、という映画館通いとしては超好立地なアパートに住んでいました。インターンなんで仕事は大体19:00には終わり、家に帰って飯食ったらそのまま映画館へ、というのが当時の日課でありました。

 

 ある日、いつもの通り夜映画館へ『バットマン:キリングジョーク』を見に行きました。すると道中突然のゲリラ豪雨に襲われ、天気予報をチェックしていなかったので傘も持っておらずずぶ濡れになりました。映画館についてタオルを貸してくれないかと頼んだものの、もちろんそんな物は無くてずぶ濡れのまま映画を観たら案の定体が冷えてきました。しかし、映画が終わるまでに体に何の変調もなく、雨も止んでいたので普通に歩いて帰りました。

 

 するとどうでしょう、家までの距離があと1/3と言ったくらいでしょうか、お腹が躍り始めたのですね。変な脂汗もかき始め、経験則的にこれはヤバイ!と焦り始めました。ゴールが絶妙に近くて遠い。ゆっくり歩くと出てしまうし、変に早く走ってもお腹に刺激を与えて出てしまう。いっそ野糞でもしようかと思いましたが、こんな異国の地で野糞をしてるのがバレたら法律的にどうなるかわかりません。解決法は一つ。死ぬほど丁寧にゆっくり急ぐしかありません。これほど矛盾に満ちた文章はありませんが、これしか形容の仕方が分かりません。

 

 競歩選手もかくや、というスピードで歩きつつ、ズボンのベルトもファスナーのチャックも前回でなるべくお腹に負担がかからないように歩きました。猛烈な便意と闘う苦労の末、僕はアパートの前に辿り着きました。「やった!間に合った!」と油断した瞬間、全部ドバッ!!!っと漏れでました。脱糞という言葉これほど似合う経験はありません。真夏でしたが、お尻がひんやりと冷たかったです。

 

 NYのアパートは基本ルームシェアですので、僕はルームメイトに事態を悟られないようにゆっくりと家へ上がりトイレへ行き、まずは汚れてしまった身体を清めました。涙はシャワーと一緒に流れていきます。洗濯だってコインランドリーしかないので、ズボンとパンツは諦めることにしてビニール袋に密封し、外のゴミ箱に捨てました。枕も涙で濡らしたことは言うまでもありません。僕も数々の経験をしてきましたが、あれほど羞恥心が死んだ日はありません。

 

 さて翌日。幸いな事にルームメイトとも顔を合わせなかったので、僕は何事も起きなかった事にして、墓までこの話をもっていくとこにしました。(今ここでネットに載せてしまったし、元ルームメイトも僕のブログを読んでるのでで全て台無しですが)前夜、大量のキッチンペーパーとビニール袋で何とか道端の糞を処理しましたが、誰にも目撃されたくなかったのでサササッと済ませていました。その跡はどうなってるんだろうと気になりながら家から出ると、散歩中の犬がペロペロ僕の糞のシミを舐めていたのでありました。その通りは今も通ったりするので、アパートの前を通るたびにこの話を思い出すのですが、あの犬は今も元気にしているか、それだけが気がかりです。

トイレットペーパーマン

トイレットペーパーマン

 

 



爪に火を灯す

 実は今回の渡米、怪しまれないように1週間滞在の航空券を買って、無事にイミグレーションを突破できたら現地で変更しようと考えていた。エクスペディアを通して予約したのだが、経験上アメリカの航空会社は$300位の手数料と、元々の航空券と変更予定の航空券の差額分を支払えば簡単に変更できると思っていたからだ。実際仕事で何回もやったし。

 

 で、無事にアメリカに入国できた訳だが、エクスペディアに変更したいと問い合わせるとなんと$300+新規チケットの値段分がかかると言われた。そんな訳ないでしょ、今まで散々やってきたんだから!って聞くと、どうやらそれは一般的にアメリカの航空会社だけの規約らしい。つまり僕はアメリカ国内でのイミグレを恐れて、カナダ経由で渡ってきたのでエア・カナダを使っており、エア・カナダにはそんなルールがないということだった。

 

 げ、ゲゲェ!も、盲点やったぁ……。大体、カナダ経由で来たところで結局別室で拘束されたじゃん!こんなんだったら最初から直行便でアメリカ来れば良かった。詰めの甘さが自分らしい。

 

 とはいえ、家賃も払っちゃったし、とっとと返ったところでだし、こちとらアメリカ3ヶ月いるぞ!って気持ちできたので、このまま帰るのも忍びない。結局、キャンセル料を払うだけ損なので、航空券をブッチして新しく買うことになった。今のところ来年1/8までいることになった。

 

 しかし貯金に依存して生活しようと思っていたので、今回のチケット変更はちょっとした打撃で、更に3ヶ月もいるとなると切り崩しながら毎日もやし炒めを食って生きていかなければならない。というか、大体仕事を辞めたのでやる事もさしてなく、滞在1週間にして飽きてきて「これ、3ヶ月も続くの…?」と五億年ボタン的なサムシングを覚え始めたが、そう言ったあたりも楽しんでいきたいです。

 

貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

 

 

 

『サウスパーク』S23E2「Band in China」感想

 今回の『サウスパーク』は、日本でもニュースとなり話題となった中国を強烈に皮肉った回。ちなみにタイトルは「中国のバンド(Band in China)」と「中国で禁止(Banned in China)」を掛けている。

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 「いいアイディアを思いついた!家族会議だ!」と騒ぐランディの掛け声でリビングに集められたマーシュ一家。「昔の家に戻るの?」と淡い期待を抱くスタンだったが、そんなわけもなく、「中国にテグリディー大麻を売ろう!リサーチしてみたんだが、中国にはたくさん人がいるんだろう?2%の人たちだけにでも大麻を売ることができれば、何百万ドルも金を稼ぐことができるぞ!だから俺はこのアイディアをパクられる前に、明日から営業で中国へ飛ぶ!」呆れる家族を放ってランディは中国へ向かう。

 

 さあ、人々が集まるサウスパーク秋フェスでスタンはケニー、バターズ、ジミーと「クリムゾン・ドーン」というバンドを組んでいた。可愛い4人組の演奏を見守る町民たちだったが、披露されたのはなんとデスメタル*1父親と農場への怒りをありったけデスボイスの乗っけるスタンに呆気にとられる町民たちをよそに、音楽プロデューサーが4人の才能を見出す。

 

 さて、中国へ向かったランディは飛行機内でビジネスマンと乗り合わせる。ウキウキのランディが「僕はちょっとしたビジネスをしに中国へ行くんですよ!あなたは何しに中国へ?」と聞くと、ぶっきらぼうに「衣料品会社で働いてるんだけど、中国の市場を開拓しようと思っててね」と答えるビジネスマン。「なんだって!?ファック・ユー、俺はこのアイディアを3日前くらいに思いついたんだぞ!」しかし、ランディが振り返るとGoogle社員と、ジェームズ・ハーデン、レブロン・ジェームズ、ウィル・バートンといったNBAプレイヤー、そしてアベンジャーズの面々やカイロ・レン、白雪姫といったディズニーフランチャイズのキャラクターが全員中国とのビジネスの為に乗り合わせる。「どいつもこいとも俺のアイディアをパクりやがって!」と憤るランディ。

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 サウスパークに話を戻すと、音楽プロデューサーはスタンたちに近寄り、『ボヘミアン・ラプソディー』や『ロケットマン』などのトレンドに則ってクリムゾン・ドーンの伝記映画の製作に乗り出し、金儲けを提案する。スタンたちは喜んで皆で脚本会議でアイディアを出し合う。「ジミーがドラムをやって、バターズがギターをやって、ケニーがジョン・レノンダライ・ラマの映像をYouTubeで見ながらベースを練習したんだ」とスタンがバンド結成の裏側を話すと、「あ、すまんが、ダライ・ラマの要素は映画に出せないんだ。中国政府の検閲に引っかかるからね。何百億ドルも稼ぐには中国の観客が必要だろ!」とプロデューサーに説得される。「もっと幼い頃のエピソードはないのかね?」「僕は小さい頃『くまのプーさん』が好きだったよ!」とバターズが答えると、「くまのプーさん』はもってのほかだ!習近平に似てるとインターネットで話題になってから違法になったからね。中国のケツを舐めたかったら自由を手放す必要があるんだ!」こんな調子でスタンたちの思い描いていた理想がどんどん遠ざかって行く。

 

 一方、中国に渡ったランディだったが、大麻をありったけ詰め込んだスーツケースが当然税関でひっかかかる。「こ、これは何かね!?」「ああ、これはウィードですよ、マ・リ・ファ・ナ! 这是我的テグリディー・ウィード!」ニッコニコに馬鹿正直に答えたランディは当然その場で拘束され、収容所送りとなりガンプラやバービー人形作ったり強制労働に従事する羽目に。牢屋の中で塞ぎ込んでいると、隣の房から声がする。「君は新人かぁい?ハチミツ持ってなぁい?」くまのプーさんピグレットであった。「君らも囚人なのか?」とランディが聞くと「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくたちはプーが中国の国家主席に似てるから違法になってしまったんだ」とピグレット。「なんて狂った場所なんだ!」果たしてランディはこの地獄から生き延びることができるのか……?

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 冒頭にも記したように、中国政府の検閲と、それに迎合するアメリカのエンタメ業界を相当コケにした回。ちょうど同じ時期、NBAヒューストン・ロケッツGMダリル・モーリーが「自由のために戦え、香港を支持する」とツイートしたところ、国営中国中央テレビがロケッツの試合放映中止を発表し、複数の中国企業がロケッツのスポンサー提携を打ち切る事態まで発展。ロケッツは中国でのNBA人気に火をつけたヤオ・ミンの古巣だったこともあり、この打撃は強く経済的損失は約60億円までに上ったため、ロケッツの人気選手ジェームズ・ハーデンが謝罪、NBAコミッショナーのアダム・シルバーも中国とダリル・モーリー双方を擁護する曖昧な態度を取ったため、中国からもNBAファンからも批判が殺到してしまった。

 

 当然、このエピソードも代償としてタイトル通り中国政府は『サウスパーク』のコンテンツをインターネット上から排除・禁止することを決めた。そもそも僕は『サウスパーク』が中国で観れること自体驚いたが、それに対するトレイ・パーカーとマット・ストーンの"謝罪文"がとにかく最高。

NBAみたいに、僕たちも心から中国の検閲を受け入れます。僕たちも自由や民主主義よりもお金が大好きだからね。習近平くまのプーさんに全く似てません。この水曜日22:00放送の300回放送記念のエピソードも是非観てください!中国共産党に繁栄あれ!この秋のトウモロコシの収穫が実りあるものでありますように!これで仲直りでいい、中国さん?

 

 これまでトレイとマットはトム・クルーズサイエントロジー金正日サダム・フセインイスラム過激派も全員中指立てて怒らせてきたわけだから、今更中国政府を怒らせたところで屁の河童な訳だ。そもそもここで彼らが1999年に製作した『サウスパーク/無修正映画版』を思い出して欲しい。過激で下品な表現ばかりが話題に上がる映画だが、その実とても真摯に表現の自由について考え抜かれ、そして子供たちのその自由を守る戦いを感動的にすら描いていた作品だった。 

 

 『サウスパーク』が作られてきたこの22年、作風は少し変わってもこの「表現の自由」に対するスタンスは全く変わってないのだ。そんな「表現の自由」を標榜して過激な表現で戦ってきたトレイとマットが、資本主義の原理に則って中国市場に忖度して作られる表現の緩いハリウッド大作にムカついてしょうがないのはすごく理解できるし共感できる。

 

 あと、資本主義ついでにひょっとしたら著作権的な意味で中国よりも恐ろしいディズニーも(また)バカにしているのが笑える。途中ディズニー傘下のIPキャラクターたちが集合する部屋で、お得意様の中国の機嫌を損ねるランディに激怒したミッキーが「ハハッ、お前は一体どこのもんだ!?ピクサーか!?」と聞くとランディが「サウスパークです」と答えるもんだから、ミッキーが部下に「サウスパークってなんだ、俺買ったっけ?ハハッ!」って確認すると、「いや、まだです」と返答がある。この短いやり取りにここ数年のディズニーのモノポリーゲームへの批判がびっしり詰まってて最高なのだが、いや本当にあいつら独占禁止法で規制しろよ!

*1:ちなみに、この楽曲は実在のデスメタルバンドDeath Declineの「Usless Sacrifyse」とDying Fytusの「Second Skin」を元ネタとしている。

今日は休みます。

本当は『サウスパーク』シーズン23第2話「Band in China」の感想を書くつもりでしたが、中国政府から発禁処分を食らっただけあり書くこと満載の傑作エピソードだったので、今日中に纏まりませんでした…。でもディズニーも一緒にコケにする傑作回なので、明日の更新に乞うご期待!