最近見た映画リスト

 明日あたり時間ができたらTwitterにまとめて投稿しようと思うんですけど、仕事の合間に観ている映画のリストをまとめて載せておきます。こういうの、観たらすぐ投稿しないと感想忘れちゃうんだよね…。

TikTok TOHO Film Festival 2022を終えて

 素直に悔しい、死ぬほど悔しい。大学受験に失敗した時よりも感情のコントロールはできているが、心情としてはあの時以上に悔しい。もう10年以上映像制作をずっと続けてきて当然今まで色んなコンペには出品してきたが、そのどの結果よりも今回の結果が一番悔しい。

 

 前々から掲げていたように、今年はTikTok TOHO FIlm Festival でグランプリを獲ると宣言し、それを目標に時間も金も魂も投資して作品を作った。それは単にGPが欲しかっただけではなく、いい加減に僕もいい歳だし「映画監督」として生きていく為にもがいている現状を打破したかったからだ。

 

 企画構成段階からかなり計算をし、脚本を何度も書き直し、撮影も試行錯誤を重ねた『ワンダーランド』はラッシュ編集の時から「これはイケるのでは?」という自信があった。相方のトマゾー君も別の仕事で忙しい中編集を超絶頑張ってくれて、仕上がった作品は想像をはるかに超える出来で、初めてスマホで視聴した時の満足度は今でも覚えている。

 

 それだけに、今回壇上で作品名が遂に最後まで呼ばれなかったのは椅子からずり落ちそうになったし、他の受賞者がメディア用のフォトセッションをしている時は、あまりにも悔しくてずっとスマホをイジっていた。褒められた態度ではないだろうけど、意外にも自分が驚くほど負けず嫌いだったことも、今回初めて気がついた。

 

 正直、去年も授賞式に参加していただけあって、会場に入るまでは余裕をこいていたし、調子にも乗っていたと思う。直前までYouTube用に動画を撮っていて、「正直今年はいい線いくでしょ?」なんて大口を叩いていたが、蓋を開けてみると何の賞も得ることができなかったのは穴があったら入りたいほど恥ずかしい。

 

 授賞式が終わって数時間経った今、ようやく落ち着いてきたが、気持ちの整理はまだついていない。まだまだ悔しいし、GPは百歩譲ったとしても一つも賞を得られなかったことについて正直納得もできていないが、結果は結果として受け入れるしかない。その上で、僕はやっぱり『ワンダーランド』は傑作だと思うし、この作品を素晴らしいスタッフやキャストと共に作り上げたことは誇りに思う。僕は捻くれた性格をしていて、常に他人を見返すことを糧に生きてきた人間なので、今回選ばれなかったのも今後の創作活動に向けた良い燃料にはなったと思う。

 

 それはそれとして、『ワンダーランド』を手伝ってくれたスタッフとキャスト、ブログでも『SKITBOOK』でもいつも僕の活動を応援していただいている皆さんには心より感謝を申し上げます。関係者としてでも視聴者としてでも『ワンダーランド』という作品に出会えてよかったと思っていただけるように、これからも作品作りを頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 ちなみに今回の授賞式は『ワンダーランド』に主演してくれた田村さんと参加したんだけど、2人とも悔しさのあまり記念撮影もできなかったな。

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8/2 16:30〜TikTok TOHO Film Festival 2022 授賞式に出ます!

 以前から告知しております通り、我々が制作した『ワンダーランド』がTikTok TOHO Film Festival 2022のファイナリストになりまして、いよいよ8/2 16:30〜授賞式が行われます。

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 おそらく、TikTok TOHO Film Festival 2022の公式TikTokアカウントで生配信されると思いますので、『ワンダーランド』の行く末を是非見守っていただければと思います。

@ttff_2022

 若干の緊張は覚えますが、とりあえず僕は受賞に備えてスピーチを用意したいと思います。去年のグダスベりは体験したくないんや…!

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ハリウッド撮影現場潜入期vol2 コールシート編

 本場のハリウッドの現場を体験できる!とウキウキして参加した現場だったが、実態としては正直うまく現場が回っているようには見えない。理由は様々だろうが、一つには日本側とアメリカ側の現場の回し方やスケジュールへの考え方の違いが、上層部が想定していたより大きかったのだろう。

 

 その代表例として「コールシート」も挙げられる。コールシートとは日本の現場における香盤表(または日々スケ)にあたる。更に映像業界でない方向けに説明すると、香盤表とは撮影期間中に毎日配布されるスケジュール表のようなもので、集合時間・場所はもちろんのこと、その日に撮影するシーンの撮影時間、そのシーンに出演するキャストや必要な小道具など、撮影に必要な情報がおおかた書いてある。例として、ネット上で拾ってきた典型的な香盤表がこちらだ。

 

 一方で、海外の現場で配られるコールシートは以下のようなものが一般的だ。(なんと『007/慰めの報酬』のものがネットに落ちていた。)

 

 ご覧の通り、日本の香盤表と比べてかなり情報の密度が濃い。主要制作スタッフや1stや2ndAD(助監督)の連絡先まで書いてある。更にキャストの集合時間も細かく、例えばダニエル・クレイグは7:20にはトレイラーに集合して、7:30にリハーサル、その後ヘア&メイクと着替えを行い、9:00に撮影開始、その裏では撮影に参加していないオルガ・キュレリンコは9:30に集合して10:00からスタントトレーニングを開始し、16:30からは銃器の練習や訛りコーチなど…ということまで細かく書かれている。

 

 ところが、-これが冒頭の日米間の違いによる混乱につながるのだが-ここまで細かく情報が書いてあるコールシートには日本のスタッフからしたら一番重要な情報が記載されていない。それは各シーンの撮影開始時間や、おおよそどのくらい撮影に時間が費やされるかが全く書かれていないのだ。上のコールシートで分かる事といえばS95とS96を一部分撮影するという事と、それぞれが脚本のページにしてどれくらいの分量か(それぞれ3/8ページと7/8ページ)と言ったことだけである。

 

 だが、ハリウッドや海外の現場では12Hルールが一般的であり、基本的には全体集合時間から6時間以内に1回飯休憩を挟み、12時間以内には撮影を終了しないといけない。つまり、12時間の間に予定されているページ数を撮り切れば良い、という非常に大雑把な香盤の切り方をしているのだ。僕としても日本式香盤の方が合理的な気はするのだが、どんなブロックバスタームービーも何十年もの間このスケジュールで回ってきたのだからカルチャーショッキングではある。

 

 ちなみに、『007』などの大予算映画ほどスタッフの数も多いので、コールシートは流出しやすい。試しに調べてみたら色んな映画のコールシートが流出していて面白い。こちらは『ジェダイの帰還』の皇帝の玉座の間での撮影で使用されたコールシート。

 

 そしてこちらはかの有名な『アベンジャーズ/エンドゲーム』のトニー・スタークの葬式でのコールシート。プロダクション・タイトルは『Mary Lou』だったらしい。

 

  役者の数があまりにも多くて業界内でネタ化されている有名なコールシートだが、たった2分のシーンを取るためにこれだけの大スターが集められたのはやはり異常だし、特殊メイクが必要なネビュラを演じたカレン・ギレンなどは午前3:45に集合していて、改めて大変な職業だなと感心させられる。

 

 このように、コールシートを眺めるだけで現場の裏側が色々想像できる。映画ファンのあなたも、気になる映画のコールシートを検索してみてはいかがだろう?