コロナ対策珍百景

 このコロナ禍が始まってからというものの、昨年までは考えもしなかった色々なものが使用規制されていましたが、一番謎だった規制が公共トイレでの「ハンドドライヤーの禁止」でした。3、4月ごろから使用できないところが増えていき、緊急事態宣言を開けて以後は使えるところは見たことがありません。すごく不便に感じていたので親に聞くと、「ハンドドライヤーによってウイルスが飛ぶ」との報道があった、ということらしかったですけれども、こちらのニュースによるとやはり意味がなかったようです。

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 他にも、飛沫を防止するためのアクリル板なんかも一般的な光景になりましたが、先日とあるプロダクションオフィスにお邪魔させてもらったところ、プロデューサー陣のデスクはしっかりとアクリル板で仕切られていたものの、ディレクターやADのデスクには何の対策も施されていなくて笑いました。何の意味があるかわからないばかりか、感染症対策が実施されているか・いないかで社内ヒエラルキーがビジュアル化されているのは面白い発見でした。

 

 あと、このあいだ入った撮影仕事の現場でかなりビックリしたのは、メイクさんがしているフェイスシールドの目の部分が切り取られていたんですね。僕も以前自分のスケッチを撮影するときに、スタッフにはフェイスシールドを義務付けしていたら、視界が悪くなると不評でした。なので、目の部分を切り取りたくなる気持ちは分からなくはないですが、そもそもフェイスシールドってウイルスから目を守るものであって、飛沫を防止するものとしての効果は一切ないですからね。

 

 とはいえ、僕含めて一般市民は感染症対策の素人なので、巷にこういう珍百景が溢れてくるのは仕方がないと思います。が、冒頭のハンドドライヤーの事例みたいに、政治が非科学的な理由で社会に不便をきたすのは、なるべくなくなっていってほしいですね。ただでさえ、日本は要らぬ空気を読むのが好きな国なんで……。

 

旅で出会った絶景・珍景ニッポン百景―日本全国

旅で出会った絶景・珍景ニッポン百景―日本全国

  • 作者:稲葉 隆生
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 単行本