僕のみならず、連日コロナコロナで皆さん気が滅入っていることでしょう。でも人間気分が塞ぎ込んでいる状態が続いてしまうと鬱になってしまいます。そんな時はどうしたらいいか分かりますか?笑えばいいんです。
byシンジくん
そんな国民の心理状態に憂慮したのか、我が日本政府は素晴らしいネタの数々を提供し続けてくれました。歴史の教科書に乗る世界的な難局を前にしているにもかかわらず、特に僕が思わず笑った出来事を一部抜粋して皆さんと共有したいと思います。
清潔ルート/不潔ルート
日本で一番最初に新型コロナウイルスの問題と直面したのはクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の船内感染だった。日本政府がどう対応するか世界中から注目を集め、連日ワイドショーで取り上げられていた。
そんな中、神戸大学医学研究科感染症内科の岩田健太郎教授が視察に入り、ゾーニングすらまともにされていない厚労省のあまりにも酷い感染症対策に驚愕し、告発動画をYouTubeにアップ*1。即座に動画は国際的にも話題となり、面目を潰され橋本岳厚労省副大臣はツイッターで猛反発。「船内はゾーニングされている!」と証拠写真をあげるも、逆に全くゾーニングされていない実情が世に知れ渡ってしまう。
▲中で通路が交わっている!
特に「清潔ルート」 「不潔ルート」のワードチョイスが最高で、日本中を失笑、あ、失礼、爆笑の渦に巻き込んだ。橋本副大臣のツイートには「岩田教授が正しかったじゃないか!」と総ツッコミが集中し、当該ツイートは消去された。なお、いまや半ば常識になってきたように、ウイルスはスマホの表面にも付着するが、この写真が話題になった時は岩田教授は次のような指摘もしていた。
ちなみにぼくはクルーズにスマホ持っていってません。レッドゾーンに携帯持って入らないは基本だからです(非常に感染リスク高し)。なので写真がありませんでした。
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) 2020年2月20日
「Go To Travel」「Go To Eat」
ウイルスの対策としては、感染経路を経つのが基本的かつ一番効率的だ。つまり、早い話、人が誰とも接触せず外出しなければいいだけの話。しかし、そうすると経済活動が止まってしまい、生活できない人が増えてしまうので、外出禁止令やロックダウンを実行している各国や各都市の行政は自国民に対し、一律の現金給付や企業への補償を行った。
ところが、タローくん曰く「現金給付をしても国民にウケない」*2とのことで、日本では政府も地方行政もいつまでも金を出し渋った。色々なイベントやお店に対して中止「命令」を出してしまうと、損失を補填する責任が生じてしまうので、あくまで自粛「要請」を出すに止まった。埼玉県では度々自粛を要請した中で、大型ベントのK-1が強行開催されて批判を浴びたが、もし中止したら自分達だけ莫大な負債を被る主催者の気持ちを考えると、仕方がないことだとも思う。
こうして倒産する企業も増え、国民の生活も貧窮して不満の声が大きくなる中で政府が考案したのが、感染拡大で打撃を受けた飲食店で使えるクーポン券も発行することだった。*3クーポン券は「Go To Travel」「Go To Eat」などと銘打つことが検討されているとも報じられていたが、世界中が「家にいろ(Stay At Home)」のスローガンで団結している中で外出を促すようなフレーズ*4には失笑を、否、爆笑を買った。更に恥ずかしいことに、「Go To Travel」「Go To Eat」は文法的に間違っているので、日本人は英語が苦手であることが改めて世界中に知られてしまった。
新型コロナウイルス対策本部が「三密」
日本の新型コロナ対策はクラスター対策を基本としている。現在ではニュースでお馴染みとなったクラスター感染だが、1箇所で5人以上の接触ある感染者が発生することを指す。シラミ潰しにクラスターを検知して感染源を封じこんで行けば、感染の流行は抑えられる、という論拠に基づく。先進国と比べて死者数が少ないので、この対策は今の所まだ功を奏しているとも言えるかもしれない。
クラスター対策班の分析によれば、感染が特に大きく発生した場所では次のような特徴があった。つまり、換気が悪く「密閉」された空間で、かつ、多数の人々が「密集」し、かつ、近距離で人々が大声を上げる「密接」された場所で感染者が多数報告された。その分析を受けて、我々日本国民は感染拡大初期から今日に至るまで、耳にタコができるほど「三密」を避けましょう、という指導を受けてきた。*5
では、ここで政府が3/5に行った新型コロナウイルス感染症対策本部の写真を見てみよう。
外出自粛要請の中アッキーが桜を見る会
今都内では感染者数が急増加しているが、これは3月下旬の3連休に自粛疲れで気が緩み、花見やイベントに出かける人が多かったからだと推測されている。政府や都が散々国民に自粛要請をしていた中で外出する人が多かったことに呆れる声もあったが、実はその3連休にシンゾーくんの嫁ことアッキーも手越祐也など著名人を集めて都内のレストランで花見を行なっていたことが週刊誌にスクープされた。
当然、「国民に外出自粛を促している癖に自分の奥さんはいいのかよ!」と批判が殺到。安倍政権が丁度「桜を見る会」で色々問題を起こしていたことや、アッキーが関与を疑われているモリカケ問題で自殺した赤木さんの手記が出てきて報道が再熱していた最中の花見だったことも拍車をかけた。国会でも野党に追求されたが、シンゾーくんは「(場所は)公園ではなくて、都内のプラベートなスペース」「じゃあレストランに行ってはいけないのか?」「都の自粛要請に当たらない」と珍回答を連発した。
まあ、ここまでバカな行動をとった奥さんを頑なに守った、という面ではいい旦那とも言える。
アベノマスク
国民や企業への補償が待望される中、日本政府が満を持して出した対策は「全世帯に布マスク2枚を配布する」というもので、日本中がズッコけた。発表したのが4/1だったこともあり、「エイプリルフールでは?」と淡い希望と抱いたが、もちろんそんなことはなかった。
確かに日本中でマスクが不足しているが、そもそもマスクそのものに感染予防効果はない。感染者がマスクをすることでウイルスの拡散が防止されるだけだ。しかも、布マスクは素材的にウイルスへの防御力は低い。
というか、政府は国民に家にいて欲しいはずなのに、外出するためのマスクを配るのはどういうつもりなのか?大体、家族が2人以上いる世帯はどうしたらよいのか?というか、このマスク配布策に466億円もの費用がかかるそうだが、その金で補償すればよいのでは?と疑問が尽きず、海外メディアからも「アベノマスク」と報じられてしまう。
なお、この「布マスク2枚配布」はあまりにもインパクトが強かったからか、インターネットのオモチャになった。こういう時のネットの反応速度は素敵。
一世帯に二枚のマスク #贋作 #○○風に時事ネタを振り返ろう pic.twitter.com/43j8zUizyK
— 北村ヂン (@punxjk) 2020年4月1日
シンゾーくんと星野源コラボ動画
休業補償を頑なに行わないことはそっちのけで、「新型コロナウイルスをバラまいているのは若者」と決めつけにかかった為政者たちは、ウイルスの運び屋となる若者層に届くメッセージを考えるのに奮闘した*6。まあ、無自覚の無症状者や軽症者が外出することでウイルスを広めている、というのは少なからず事実ではあり、例えば小池都知事なんか大人気ユーチューバーのヒカキンとコラボした動画を出した。ムカつくけれど、正直これは僕は中々よかったんじゃないかと思う。
これに嫉妬したのか分からないが、一方のシンゾーくんは星野源がフリー素材として提供してた『うちで踊ろう』の映像を使って、自身がソファに座ってくつろぐコラボ動画をツイッターで公開。そのあまりにもノーテンキな映像に大炎上した。
友達と会えない。飲み会もできない。
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) 2020年4月12日
ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/VEq1P7EvnL
星野源の「うちで踊ろう」という呼びかけにすら応じず、踊るどころか自宅で優雅に茶を飲むだけの総理は本当に何もやる気がないんだと痛感させられた。シンゾーくんは「友達と会えない。飲み会もできない。」と国民の不満を代弁するような言葉を記したが、「もうとっくにそんな段階じゃない」「こんな動画を作る暇があるなら補償しろ」「お前は家に篭るんじゃなくて仕事しに行け」というツッコミが各所で上がっていて笑った。
みなさんどうでしょう?笑えたでしょうか?笑うと免疫がつく、と昔からよく言われていますからね、きっとこうやって国民を笑わせるのが俗にいう「集団免疫」というやつなのでしょう。さすが日本が世界に誇るシンゾーくんと愉快な仲間たちの政府です!
海外に住んでいる方などは「はっはっは、流石にフェイクだろ。……そうだよね?」と思う方もいるかもしれないので、なるべくソースをつけて紹介するように努めました。もちろん、ここに挙げたもの以外でも笑えるニュースはたくさんあると思うので、皆さんのお勧めがあれば教えてください!
最後に一言。全く笑えねぇよ!*7
*1:
*2:
*3:その後30万円の現金給付も発表されたが、収入が減った世帯のみに限定されている。
*4:正確には収束後の損害補填という意味合いとのことだが、現在進行形で金に困っている人の救済措置に全くなってないことも失笑ポイントである。
*5:キーなのが、不思議とこの「三密」条件が揃わない場所、例えば多数の人が集まっても密閉されていても大声があがらない満員電車などではクラスターは生じていない。余談であるが、『ザ・ルーム』の「スプーン上映」も「三密」のためにできなかった。
【クラスター対策専門家の活動とは】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月11日
「クラスター対策専門家って何やってるの?」という質問が散見されましたのでパワポ4枚にまとめてみました。
感染症対策の目的から現状の問題点も踏まえ、クラスター対策専門家が行っていることを説明しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/f23a3nGvK6
*6:僕は若者よりも、コロナを舐めて行動する中年たちの方が問題だと思っています。僕の父親とか。