新海誠最新作『すずめの戸締まり』を観てきました。感想の方は…まあもうTwitterには書いたんですけど、正直監督の直近2作品と比べると大きく見劣りする内容になってしまったと思います。震災を想起させる内容なのに、お得意の「ボーイ・ミーツ・ガール」部分が非常に表面的で薄くてドラマ的にもあまり核心と関係がなく残念でした。
詳細はまた今度ブログに書くとして(本当か?)、鑑賞中にふと思ったことがありました。本作の主人公すずめが猫のキャラクター(ダイジン)を肩に乗せて歩く描写がありましたが、アニメではもはやお馴染みの「小動物が主人公の肩に乗る」演出はいつから始まったんだろう?ということです。だって、現実世界では飼い主が無理やり肩にのせることはあっても、大体の動物は自分の意志で肩に乗って飼い主に歩かせたりはしないじゃないですか?
91年生まれの僕は『ポケモン』直撃世代でして、当然サトシがピカチュウを肩に乗せて歩いているのをしょっちゅうみていて、実写版『名探偵ピカチュウ』でもそれが再現されて嬉しかったのですが、実写で再現されるくらいポケモンでは定番の表現だったわけです。
ワンチャン「これは『ポケモン』発祥なのでは!?」と期待しましたが、調べてみると『風の谷のナウシカ』(84年)でもそういえばナウシカがキツネリスを肩に乗せていましたし、未見ですが『あらいぐまラスカル』(77年)でも主人公の肩にラスカルが乗っている描写があるようです。奇しくも両方とも宮崎駿関連作(前者:監督 後者:作画)ですが、ひょっとして宮崎駿が始めたのでしょうか?
こりゃもっと情報が必要だと思い、英語圏でも検索してみたら「TV Tropes」なる映画やテレビ、文学などフィクションの中での「お約束」描写や演出をまとめた超便利なサイトを見つけたんですけど、なんと生き物キャラが人間の肩に乗ることをを「Parrot Pet Position(ペットのオウムの位置)」と呼ぶらしいです!
https://tvtropes.org/pmwiki/pmwiki.php/Main/ParrotPetPosition
で、この便利なサイトに「Pirate Parrotもこの位置」と書いてあって気付いたのですが、恐らく冒険小説とかに出てくる海賊が肩にオウムを乗せているイメージが大元なのではないでしょうか?ということは、発祥はロバート・ルイス・スティーヴンソンの冒険小説『宝島』(1911)に出てくるシルバー船長に遡るのかもしれません。
いやあ、なんだか賢くなった気がしますな!気になったら調べ物はしてみるものです。なお、実際にオウムを肩に乗せるのは危ないらしい、と上記の「TV Tropes」には書いてありました。