『エイリアン:ロムルス』とても良かった!

 今日は仕事終わりに『エイリアン:ロムルス』観たんですけど、仕事の疲れなんか吹っ飛ぶくらいとっても良かったです!

 

 どんなシリーズでもそうですが、続編が作られれば作られるほど1作目が持っていた「神性」といのは失われていくものだと思います。例外としてはオリジナルクリエイターが続編で積極的にクリエイティブに関わっている時ですが、『エイリアン』シリーズも監督のバトンがドンドン渡されていくうちにゴシックSFホラーからアクション面が強くなってしまい、最終的には映画会社のオモチャにされてプレデターと戦わされる落ちぶれた日々もありました。

 

 で、オリジナルクリエイターのリドリー・スコットが帰ってきたものの、巨匠にはゼノモーフそのものにはあまり興味がなかったので、『プロメテウス』も『エイリアン:コヴェナント』もシリーズのファンからしたら焦点がぼやけたよく分からない2作になってしまいました。余談ですが、『エイリアン』シリーズの問題点はあれだけリプリーが地球にゼノモーフを持ち込ませないように死闘したのに、シリーズが作られるほど、というか前日譚が作られれば作られるほど彼女の努力がぶち壊されるところです。特に『AVP2』でアメリカの田舎の高校でプレデターと戦い始めた時はもう顎が外れるくらい呆れました。

 

 そんなわけで、今回の『ロムルス』も『エイリアン』と『エイリアン2』の間の物語ということで何も期待していなかったのですが、これがどうして中々に良かったんです。昨今流行りの取り敢えずファンサービスを盛り込んでおくノスタルジーポルノになる危険性もあった*1のですが、それよりも1作目のようにホラーに集中した演出が何よりも良かったですし、プラクティカルエフェクト重視のビジュアルも恐怖に説得力を持たせていました。

 

 もちろん、1作目のみならず、人気の高い『エイリアン2』や『3』『4』への目配せはもちろん、『プロメテウス』シリーズまで意識したファンサービスはあるんですが、ファンサに溺れずにあくまでも演出で勝負していたのが大変立派な作品でした。何よりも91年生まれの人間として、初めて劇場で面白い『エイリアン』を観れたのがとても嬉しかったですよ。もう一回見たいなぁ。

 

 

*1:実際、亡きイアン・ホルムを復活させちゃったのはちょっとな〜と思いました。アニマトロニクスとディープフェイクの合わせ技だったようですが…だったらマイケル・ファスベンダーでも良くない?