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映画ドラ○もん〜のび太のトラック〜/『Monster Trucks』★★☆

感想 映画

 パラマウントが製作時点で赤字作品として計上していたことで話題の『Monster Trucks』を鑑賞。監督は『アイス・エイジ』『ロボッツ』などのクリス・ウェッジ、脚本は『ジュラシック・ワールド』のデレク・コネリー。出演は『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のルーカス・ティル、『ドント・ブリーズ』のジェーン・レヴィ、『リーサル・ウェポン』のダニー・グロヴァーなど。

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  石油会社が覇権を握っている田舎町。その閉塞感に嫌気がさしている高校生トリップ(ルーカス・ティル)は、町から出るためにバイトしている自動車のスクラップ工場で集めた部品からトラックをコツコツと作り上げていた。ある晩、石油採掘中の事故により謎の生物が地中より飛び出し、スクラップ工場に隠れているところをトリップは発見する。一方で、石油会社は事故を隠蔽すべく謎の生物の行方を追うのであった…。

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 冒頭に書いたようにパラマウントが製作中からして赤字を確信していた作品であり、トラックの中からひょっこり顔を出す謎の生物と青年の種族を超えた友情…という『E.T.』の何番煎じの予告編から伝わってくる中々に狂ったビジュアルに、多方面から大コケを約束されているこの作品は僕が観に行かずして誰が観に行くんだよ!とぶっちゃけかなりバカにして見にいったつもりだったのだが…これが意外にもとても面白かった。

 

 ツッコミどころがないわけではない、というかいっぱいある。まず、主演のルーカス・ティルもジェーン・レヴィも高校生というにはあまりにも老けており、モンスターを匿っている割には目立つ事故を起こしすぎだし、途中彼らがモンスターを救うために侵入する研究所のセキュリティはガバガバだし、出てくる車は何故か軒並みトラックだけでカーチェイスも鈍重である。

 

 しかし、それらのツッコミ所を引っくるめて愛おしくさせてしまうのは、その真摯で丁寧な演出と見せ方である。展開は雑でも、しかしキチンとモンスターと主人公が絆を育む場面を構築し、モンスターとトラックが融合するギミックも笑ってしまうほどロジカル。何よりも偉いのはセンス・オブ・ワンダーを忘れなかった*1ところで、まさかエンディングではホッコリと温かい気持ちにさせられるとは思わなかった。

 

 ちなみに余談ではあるが、タイトルの『Monster Trucks』はバカデカいトラックを競わせるスポーツの総称でもありダジャレになっている。アメリカで車を運転していると気づくが、とにかくトラックの数が多い。コンパクトな日本車が潰されそうな怪物級に大きいトラックを皆運転している。とにもかくもなんでもスケールが大きいものが好きなアメリカにおいてトラックは大人気の車で、そんなアメリカ人のトラック信仰と登場するモンスターの可愛らしさが絶妙にマッチした怪作がこの『Monster Trucks』なのである。オススメ!

*1:ちなみにトラックがクライマックスで宙を舞うスタントではジョン・ウィリアムズに極めて似た音楽が流れる!