日本のタバコ嫌いはどこから?

 このニュースを読みましてね。

 

 このTravis Japanというグループが未成年だから問題なのか?と思って調べたら、最年少メンバーでも24歳というガッツリ青年グループでした。もう立派な大人なんだから、勝手に吸わせといてやれ!

 

 僕は仮にも映像の現場で働いているので、有名な俳優さんや役者がタバコを吸っているのを見たことがあります。中には「あれ、意外?」と思う有名人の方もいますが、それはメディアに出演される時にタバコを吸うイメージが徹底的に排除されているので、頭の中で結びつかないんですね。先のジャニーズグループの記事でも、メンバーが動画内で「バレるぞ」と指示していたとありましたが、これは裏を返せば「タバコ=悪」と認識しているからこそ隠そうとしているんですね。

 

 「芸能人 タバコ」で検索すると、タバコを吸っている芸能人をまとめている記事がたくさんありますが、それは日本の芸能界でタバコがタブー視されていることの証明でもあります。これは本当に馬鹿馬鹿しくて、例えばアメリカなどは健康問題や若者への喫煙助長防止の観点から喫煙シーンのある映画をレイティング分けすることはあります。まあ、個人的にはこれはこれで馬鹿馬鹿しいとは思うのですが、日本のタバコタブー視にはこういった倫理観的なものはなくて、なんとなーくタトゥーみたいに不良の印象付としてしかタブーされていないんです。余談ですけど、タトゥーを入れている芸能人もわざわざ記事にまとめられていますね。

 

 エンタメ作品がレイティング分けされることはあっても、アメリカでもどのセレブがタバコを吸っているかなんて、成人している限りいちいち取り沙汰されることはないです。思想的な理由でタバコを吸っているセレブを叩く人はいるかもしれませんが、基本的には個人の自由として扱われています。僕もタバコは吸いませんし、好きかって聞かれたら臭いし喉痛くなるし全然好きじゃないですが、友達がタバコを吸っていたって別に毛嫌いしません。非喫煙者の皆さんだって、タバコを吸う友達いるでしょう?

 

 同じように、芸能人がタバコを吸ってたって、本人の自由なんだし別にどうでもいいじゃないですか。話は少しそれますが、日本でも大麻の合法化が議題に上がるようになってきましたが、著名人がタバコ吸っているくらいでいちいち週刊誌の記事になっているような社会じゃ、ハッパなんていつまで経っても合法化はないと思いますね!

 

 

また忙しくなってきたよ〜

 昨日は撮影をしておりまして、19:00に疲れて家に帰ってきたら依頼を受けていたTikTok用広告制作の納期が3日も過ぎていたことにクライアントからの連絡で気がつきまして、大慌てで家を即飛び出して衣装を買いに行き、家の中に簡易スタジオ作り、嫁も帰省中なので一人で機材をセットアップして撮影し、編集し、納品して…という動画制作の全工程を2:00までに終えました。これもまたスケジューリングミスで納期を超えてしまったことはいただけませんが、わずか7時間の間で作ったとは思えない高品質な動画は作れたと自負しており、我ながらよく頑張ったと褒めてあげたいです(褒められない)

 

 という慌てふためきで昨日は更新ができませんでした。このブログ、最近は前日になぜ更新ができなかったか、という言い訳をひたすらに垂れ流していくブログと化していて申し訳ないですが、本当に忙しいんです、許して下さい…!今晩はもう1本更新します。

Twitter乗っ取られた

 今日現場に向かう車両の中で、Twitterから見慣れない通知が来た。なんと、現在進行形でテキサス州から不審なアクセスがあると!といっても、僕が普段メインに使っているアカウントやSKITBOOK、更には『ザ・ルーム』の公式アカウントではなく、僕が大学時代に裏鍵アカウントとして開設していたTwitterだった。

 

 心の闇を愚痴るためだけのアカウントで、ここ数年は愚痴る暇もないので使っていないが、それにしたって気持ちが悪いのでパスワードリセットをかけようとしたら、全然アクセスできない。ものの数秒でアカウントのパスワードを変えられてしまったみたいだ。Twitterサポートに連絡したものの、イーロン・マスク体制の新Twitterはどこまで真摯に取り組んでくれるかわからず…。

 

 しかたもなしに裏垢を見に行ったらもう鍵は解除されてしまい、うさんくさい広告がすでに垂れ流されてしまっていた。百歩譲って広告を垂れ流すのはいいが、鍵垢を解除するのだけはやめてほしい!僕が溜め込んできた愚痴が全世界に公開されちゃったよ!

 

 芸能人が明らかに裏垢と間違えたツイートを本垢でしてしまった際に「Twitterが乗っ取られました」と釈明するのがもはや一般的になりつつあるが、僕はその度に「んなわけ〜」なんて思っていた。が、意外にも乗っ取りはこうも簡単に起こり得るのだなと我が身を持って体験した。逆にいうと、いざ乗っ取られるとTwitter全く迅速に行動してくれないこともわかったので、乗っ取られ言い訳をしている芸能人の皆様、本当かな〜?

 

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3』を観てきたっす。

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3』を観てきたっす。完結編にしてロケッツの出自に関わる物語、柔和な印象を残す撮影でジェームズ・ガンがエモい置き土産をマーベルに残して行った作品で、ここ数年のMCU作品の中ではずっと面白かった。

 

 もう散々語られているのである程度踏み込んで書くけど、本作は「ありのままでいる」事の大切さを謳った映画だった。ロケットは完璧主義のマッドサイエンティスト、ハイ・エボリューショナリーに魔改造された悲しき過去を背負う。ハイ・エボリューショナリーに完璧を押し付けられるのだが、ロケットは「ありのまま」の姿を肯定して対峙する。

 

 ロケットの救出劇を主軸に物語は進むが、この「ありのまま」はクイルとガモーラの関係にも当てはまる。『エンドゲーム』でガモーラを失ったクイルは、本作の別次元のガモーラを自分が愛したガモーラと比べてしまう。クイルは自分にとっての「完璧な」ガモーラ像を押し付けてしまっているが、今回同行するガモーラはあくまで別人なのだ。彼女には彼女の「ありのまま」を生きる権利があり、この衝突が本作のサブプロットとなる。

 

 描かれているテーマ自体は2020年代的で面白いが、僕が気になったのは本作のヴィランのキャラの弱さだ。恐ろしい改造を動物たちに施しているのは分かるが、その実験で何がしたいのかよくわからない。理想な社会を追い求めているのは分かるけれど、どうしてユートピアを求めているのか動機も不明瞭である。マッドだから、で片付けられるかもしれないが、周囲をとにかく怒鳴り散らすだけのキャラクター描写は完結編の悪役描写としては物足りなく感じてしまう。中小企業のパワハラ上司じゃないんだから…。

 

 あと、もう一個不満なのは、ネタバレになるのでぼかして書くが、「カウンター・アース」へのアレが、ガーディアンズのメンバーが割とスルーしているという点だ。仮にも善良な市民に手伝ってもらってすらいるのに、その人たちが危機に瀕した時に、ロケット救出を最優先事項としているのはちょっと偽善的すぎるのでは?僕はヒーロー映画で一般市民をおざなりにする描写があるとそれだけで萎えてしまうのだが、昨今のMCUは特にスケール感ばかりが大きくなってしまって、市井の人々に構っている暇がなさそうなのが問題である。


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マイケル・ベイは庵野秀明だった!?

 YouTubeアルゴリズムが何故か『アンビュランス』のメイキング動画をサジェストしてくれたので観ていたんですが、マイケル・ベイが自身のカスタマイズREDカメラ"ベイヘム"を持って元気に撮影しているのを見て微笑ましかったです。

 

 マイケル・ベイがカメラを回している様子はよく見ますが、考えてみたらこれは中々ない光景です。何故ならマイケル・ベイの役職は「監督」だからです。予算のあるハリウッド映画では、通常カメラを回すのは撮影監督(DP)でもなく、DPから指示を受けたカメラオペレーターという役職の人たちです。まあ、規模感や体制によってはDPが回すこともあるでしょうが、監督は演出に集中するべき人間なので、監督自身がカメラを回すことはあまりありません。

 

 『アンビュランス』は元々ハリウッド映画にしては4000万ドル程度の低予算なので、監督自身がカメラを回していてもおかしくないですが、マイケル・ベイが「ベイヘム」を振り回している光景は今に始まったことではありません。作風同様、とにかくエネルギッシュな監督なので、自分でカメラを持って走り回るのがきっと好きなんでしょう。また、さらに調べていてびっくりしたのがNetflixオリジナル『6アンダーグランド』の撮影で使用したカメラの台数です。

  1. Apple iPhone X
  2. Arriflex 35 IIC, Panavision Primo and T-Series Lenses
  3. DJI Zenmuse X7
  4. GoPro HD Hero
  5. Phantom Flex4K, Panavision Primo and T-Series Lenses
  6. Red Komodo 6K Bayhem, Vantage One Bayhem Lenses
  7. Red Monstro, Panavision Primo, and T-Series Lenses
  8. Red Raven, Panavision Primo, and T-Series Lenses
  9. Red Weapon Helium 8K Bayhem, Vantage One Bayhem Lenses
  10. Sony CineAlta Venice, Panavision Primo, and T-Series Lenses
  11. Sony a7s

 えー、上記「『6アンダーグランド』の撮影:マイケル・ベイが指揮したカメラのオーケストラ」という記事によりますと、『6アンダーグランド』のアクションシーンは10台のカメラが同時に回っていたということです!しかもシネマカメラのREDやSony Veniceに混じって、フィルムカメラのArriflex 35 IIC、一般でも買えるミラーレスのa7s、GoPro、さらにはiPhoneXまで混じっているのが驚きです。

 

 とはいっても、マイケル・ベイは基本RED信者だそうで、撮影監督のボヤン・バゼリがいうことには、通常のアクションシーンでは3台のREDカメラが似たようなアングルから、しかし「異なったバイブス」で回しているそうで、車の中からのショットはSony Veniceで、ドローンはRED Ravenなど、同時に色々とアングルを試していたそうです。

 

 ここで思い返されるのは、マイケル・ベイ映画特有のガチャガチャした編集や情報量の多さで、マイケル・ベイの映画はどうしていつもこんなに見辛いのか?と思っていたら、単純に普段から撮影した量が物理的に多いんでしょうね。そして推測ですが、ベイもなるべく多くのショットを使いたがるタイプの監督なのでしょう。これだけ素材があれば、『トランスフォーマー/リベンジ』の編集が完成したのはワールドプレミアの直前、という逸話もありますが、これだけ素材があれば編集が大変なのも頷けます。

 

 また、『6アンダーグランド』に出演したライアン・レイノルズは、マイケル・ベイについて「マイケル・ベイはいつも緑のカメラを持っていて、現場に隙があれば持ち込んで、とりあえず回してるんだ」と語っています。マイケル・ベイはきっとプリプロ段階で確固たるビジョンがあるというよりは、現場現場の思いつきでとにかく「いいショット」を集め、編集で最良のものを選びたいのでしょう。

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 だからこそ、10台ものカメラが同時に回るというAD泣かせの事態が起きているのでしょうが、我々はこれによく似た撮り方をする監督を知っています。そう、庵野秀明監督です。

 

 『シン・ゴジラ』に始まる『シン〜』シリーズにおいて、庵野秀明監督の現場ではiPhoneからミラーレスカメラまで、10数台以上のカメラを同時に回すスタイルが注目され、映画ファンの間でも話題になりました。NHKのドキュメンタリーを見る限り庵野監督の場合は「計算外のアングル」を求めて10数台のカメラを回しているかと思いますが、編集であーだこーだ苦悩しているのもマイケル・ベイ監督とそっくりです。

 

 二人とも基本的なジャンルはアクションですし、巨大ロボ物*1を二人とも撮っていますし、二人とも作品内の情報量が多いのも似ています。まあ、大きく違うのは作品の中身の知性かもしれませんが、この二人は実はものすごく気が合うんじゃないですかね!

*1:分かってますよ、『エヴァンゲリオン』はロボットじゃありません!!