昨晩久しぶりにシリーズ屈指のカルト作『ゴジラ対ヘドラ』を観返したのですが、記憶していたよりもサイケデリック!セックス!バイオレンス!な作風でビックリしました。一般市民がヘドラのヘドロに埋もれたり、スモッグにやられて骸骨と化して死ぬのは普通に怖いですし、ゴーゴー喫茶のシーンなんか子供向け映画でかなりドギツイ描写で最高です。
で、その後あれこれ『ゴジラ対ヘドラ』関連の動画を漁っていたのですが、『ゴジラ対ヘドラ』英語版吹き替えの「かえせ!太陽を」が中々良い出来だったので紹介します。まずはオリジナル版を観たことが無い人は原語版をお聞きください。
では次に、『ゴジラ対ヘドラ』英語版オープニング「Save the Earth!」をご覧ください。
何が素晴らしいって、麻里圭子に激似な歌声を持つエイドリアン・ラスを起用しているのもさることながら、ラスが自ら手掛けた訳詞が完璧なんですよね。例えば冒頭の
鳥も魚もどこへいったの
トンボも蝶もどこへいったの
にあたる部分の訳詞は
Animals, God's animals
Don't go away, don't go
Flowers, my flowers
Don't go away, don't go
何に感動したって、「どこへいったの」が「Don't go away, don't go」と空耳か!ってくらい語感が似ている上に、意味も原典から遠からじなんですよ。なんなら「鳥も魚も」の部分も「Animals, God's animals」で音を揃えていて感嘆します。似たような妙訳だと高橋知伽江が『アナと雪の女王』で「Let it go, let it go」を「ありの ままの」と母音を揃えて意訳したのを思い出しました。
僕はどこの国の映画だろうと基本的には原語で観たい人間なんですけど、違和感なく吹き替え版を現地の人が観賞できるように各国の翻訳者がこうした意匠を凝らしているのを観ると少し感動しますね。