ニューハンプシャー州でドナルド・トランプの集会があり、抗議者が乱入する騒ぎがありました。
抗議者はすぐにつまみ出されましたが、トランプは次のように罵声を浴びせました。
あいつの体重には深刻な問題があるな。
家に帰れ、運動しろ。
あいつをつまみ出してくれ。
あいつには俺よりも大きな問題がある、我々よりも大きな問題を抱えている。
家に帰ってママから「あんた何やったの?」って怒られるんだ。
相手の容姿をバカにしたこの発言に、トランプサポーターで溢れる会場では大盛り上がりでした。日本でも似たようなことが以前ありまして、2017年の都議選で安倍晋三が秋葉原で応援演説をした際、抗議者に「帰れ!」コールを浴びせられたことに対して、「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」と声を荒げて反論しました。
つい最近ですと、NHKから国民を守る党(以下N国党)をMXテレビ『五時に夢中』でマツコ・デラックスが批判した所、N国党首立花孝志がMXテレビ前に突撃して「マツコ・デラックスをぶっ壊す!」などと批判する生配信を行いました。
お偉い政治家が一個人、というか国民を叩くこういうニュースを見るたびに僕が思い出すのは、2016年の大統領選挙キャンペーンでの民主党集会でトランプ支持者がオバマのスピーチ中に乱入した際、オバマが騒ぎ立つ聴衆を宥めるために行った演説です。当時このブログでも掲載しましたが、今一度載せておきましょう。
みなさん静かにしてください、真面目に聴いてください!
彼はただ自分の候補者を応援しているご老人で、彼自身が何かをしたわけではありません。
彼を恐れる必要は全くありません。
私は「集中して」私の話を聞いてと言ったでしょう。
第一に、私たちは何よりも表現の自由を尊重する国に住んでいます。
第二に、彼はどうやら退役軍人のようで、国を守る軍人さんには敬意を払わなくてはいけません。
第三に、年長者にも私たちは敬意を払わなくてはいけません。
そして第四に、ヤジを飛ばすのではなく、投票しましょう!
どうでしょうか、この品格と器と余裕が溢れる演説は。政治家たるもの、自分の支持者の為だけでなく、自分と異なる思想を持つ者や自分を批判する者をひっくるめた全国民の為に政治を行うべきなんです。批判者を排除すると民主主義は死に、ナチスドイツや大日本帝国の時代に逆戻りです。最後に、自民党の皆様が躍起になって改正しようとしている日本国憲法の十五条第2項を載せておきましょう。
第十五条

ドナルド・トランプ演説集 (The Speeches of Donald Trump)
- 作者: ドナルド・トランプ
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