暴力から民主主義を守る方法

 このブログを読んでいる方はもう既にご存知だろうが、僕は安倍晋三という政治家が本当に嫌いで仕方がなかった。歴史や文化や人権を軽視し、強権的な姿勢で平和主義を脅かし、そして権力を濫用した数々の不正も疑われた。政治家として強気な性格が熱狂的なシンパを多く生んでいたことも重なって、彼の在任中は本当に憂鬱なことばかりだった。

 

 だからこそ、この結末だけは心底憤りを覚える。日本で凶暴なテロ事件が起きたこともショックだし、結局安倍政権の検証もまともに行われないまま数々の疑惑は闇に葬り去られるのも悔しいし、ネット上ではデマが溢れかえったり、右派左派のよく見かけるメンツが何と戦っているんだかよく分からない非生産的な言論バトルを繰り広げている。

 

 何より、今回の事件をキッカケにただでさえ息苦しかった世の中が、個人の権力をさらに制限する方向に議論が進みそうでさらに息苦しくなるかもしれないと思うと嫌になる。表現の自由言論の自由を何よりも愛する一市民として、この蛮行を働いた人間は本当に愚かだとしか思えない。

 

 冒頭で述べた通り、僕はまだ安倍晋三という政治家に対して複雑な気持ちを抱いているので、正直なところ素直に追悼や冥福なんかを祈ることはできない。安倍晋三が政権批判をする市民に対して「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです!」と声を荒げた有名なシーンがある。彼が日本社会の分断を深めたことを示す象徴的な場面だが、永眠した彼にせめてもの手向けとして、オバマ元大統領が2016年に行ったヒラリー応援演説でトランプ支持者が乱入し、会場からブーイングが沸き立った際の動画を送りたい。

みなさん静かにしてください、真面目に聴いてください!

彼はただ自分の候補者を応援しているご老人で、彼自身が何かをしたわけではありません。

彼を恐れる必要は全くありません。

私は「集中して」私の話を聞いてと言ったでしょう。

第一に、私たちは何よりも言論の自由を尊重する国に住んでいます。

第二に、彼はどうやら退役軍人のようで、国を守る軍人さんには敬意を払わなくてはいけません。

第三に、年長者にも私たちは敬意を払わなくてはいけません。

そして第四に、ヤジを飛ばすのではなく、投票しましょう!*1

 

 そして我々も民主主義をこの暴力から方法はただひとつ。日曜日に投票に行きましょう。

*1: