さらば愛しのラプターズ

 このブログは映画ブログですし、読者も興味ないと思って最近はNBAの話題をあまり書かないようにしていたんですよ。しかし、今日はちょっとショックすぎるので触れざるを得ません。

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 僕は2018-2019シーズンのNBAファイナルに帯同したことがきっかけでラプターズのファンになりました。いわばラプターズがチャンピオンになっていきなりファンになり、トロントの弱小球団が東地区随一の強豪にまでの苦労を知らないので、ニワカと思われても致し方ありません。

 

 ただ、僕を魅了したラプターズはスター選手カワイ・レナードがいた優勝チームではなく、むしろカワイが去った後の2019-2020のラプターズでした。チームを優勝に導いた大黒柱が去り、ラプターズは弱体化するだろうというのが大方の見方でしたが、多くの予想を裏切って当時のラプターズは強く、結果的には球団史上最多の60勝を挙げ東地区2位でプレーオフに進みました。地味だけど強いスポーツ漫画の主人公みたいなラプターズが僕は大好きで、そのラプターズを牽引していたのがパスカル・シアカムでした。

 

 漫画見たいと言えばパスカル・シアカムの経歴で、カメルーンで生まれた彼は中学生になるまでバスケットボールをしたことがありませんでした。NBAFIBAが共同開催した"国境なきバスケットボール"に参加してバスケの才能を見出された彼はアメリカに渡ったんですが、父の死があったり決して順風満帆なキャリアではなく、ドラフトも全体27位で選ばれてその後は下部リーグと行ったり来たりする2Way契約で始まっていますが。それがメキメキと頭角を表し、優勝で重要な1ピースとなり、オールスターにまで上り詰めるなんて、これが好きになれないわけがないじゃないですか!

 

 ちなみに実は先述したNBAファイナルと2019年のNBA JAPAN GAMEの際、幸運にも僕は通訳として某メディアのシアカムへのインタビューに同席したことがあったのですが、毎回シアカムは陽気で嫌な顔ひとつせず本当にナイスがいでした。一回覚えているのは広報が時間だからとインタビューを終えようとしたら、子供記者の存在に気づいてわざわざ子供の質問に答える時間を作ったんです。その時からシアカムが大好きです。

 

 シアカムだけでなく、ラプターズにはナイスガイが揃っていました。カイル・ラウリー、ノーマン・パウエル、フレッド・ヴァンブリート、OGアヌノビー…。僕が大好きだったラプターズの面々はここ数年で散り散りとなり、昨年末のトレードでOGがNYへと去った時もショックでしたけど、ついに最後の一人だったシアカムまで去ってラプターズは再建へと舵を切りました。

 

 僕はNBAのファン歴が浅いので、自分の好きな球団が再建期に突入した体験がありません。しんどいのであまり生で試合も見なくなりましたが、本当はチームが苦しい時に応援してこそ真のファンですよね。大好きな選手たちがいなくなって辛いですけど、それぞれの移転先での成功を祈りつつ、僕は成長したスコッティ・バーンズ率いる新生ラプターズが再び東の強豪となるのを楽しみに待ちたいと思います。