心臓に異常があると言われて病院行ったら痛風予備軍だと分かった話

 僕は社会人になってからこの方健康診断というものを受けたことがなかった。偉そうに言えることじゃないが、大学卒業してすぐアメリカ行って、アメリカの医療システムはご存知の通りクソで定期検診なんてものはなかった。向こうの会社にと詰めてた時も働いて二年間保険を忘れられていたというブラックっぷりだったし、日本に帰ってきてフリーランスになってからは自分の健康に気を遣う脳が無かった。

 

 んで、最近ようやく仕事が落ち着いたので、こういう機会もあまりないので区がやっている健康診査に足を運ぶことにしたのだ。学生を卒業して以来なので実に10年ぶり。もう自分も30歳だし、10年間食うものも飲むものも好きにやらせてきたくせに運動はろくにせず、夜型で睡眠削ってきたたこの体が健康であるわけがない。

 

 ぶっちゃけ物凄く怖いのだが、あれだけ多くの人を呼んで派手な結婚式を挙げていきなり奥さんが未亡人になるのも可哀想だし、この体も自分だけのものではなくなってしまったので2週間前にとうとう近所のクリニックへ検査に行ってきた。

 

 健康診査そのものはスムーズに進んでいたのだが、最後に心臓の脈を測っている最中に看護婦が慌ててモニターを何度も見返し、僕に「これまで心音の異常を伝えられたことはありますか?」と聞く。その時点で良い結果なわけがないので、僕は軽くパニクった。え?心臓?え?え?めっちゃヤバいじゃないか。確かに思返せば、学生の頃にやっていた健康診断では心臓はいつもABCの三段階でB評価が出ていた気がするが、こうして普通に生きてきたのでそんなことは意識したことはない。

 

 健康診査が終わった後に医師の診断でその旨を伝えると、先生は「体を調べる良い機会だし結果が出た時に推薦状を書くので、大きな病院で検査してもらってください」と伝えられた。すぐに命の危険がある訳ではないらしいのだが、心音に異常があるというのはあまり良い気がしないし、この2週間生きた心地はしなかった。

 

 さて、今日。詳細に挙がった健康診査結果を聞きにまたクリニックへと足を運んだ。ところが、今日の診察の先生は前回と違っていた。この時点で嫌な感じがしたが、やはりというかなんというか、今日の先生は前回と違ってあまり切迫な感じがせず、不安を覚える。クリニックも色んな患者がいて忙しいし、僕も予約せずに行っているから仕方がないかもしれないが、こっちとしては同じ先生に診てもらっていた方が共通認識をもっているので安心できたのだが…。

 

 僕の健康診断結果を見て、先生はニマニマしている。「あー、Taiyakiさんね、前に検査で引っかかったことがありませんか?」と聞いてくるので「前回同じ説明したじゃんか!」と思いつつ、学生時代に心臓の検査でよく引っかかっていたことを伝える。しかし先生は「心臓…?心臓もあるかもしれないけどね、君尿酸値がすごく高いよ!このままじゃ痛風になるよ!」と全く予想もしていないことを言ってきて僕はビックリしたのだ。

 

 つ、痛風!?あのビール飲みすぎているとなるやつ?プリン体とかいう成分を含む食事を避けなきゃいけないやつ?死ぬほど激痛が走る、と言われる痛風!?確かに僕はジャンクフードは好きだけど基本は家で自炊しているか奥さんの料理食べているし、酒も好きだけど家だと全く飲まないしコロナ禍以後は飲み会に行くこと自体も減ったし、全く思い当たる節がなくて混乱してしまった。

 

 が、表を見ると確かに僕の尿酸値は9.0mg/dlと書いてある。健康の範囲内が3~7.0/dlらしいので、かなりオーバーしているし、左に!マークが印字されているほどなので、よほど高いのだろう。「若いのに痛風になったら大変だから、これからは食生活気をつけて。それから毎年検査しましょうね!それじゃ!」と先生に書類をまとめられて返されそうになったので、「ちょっと待ってくださいよ、心臓は!?」と食い下がる。先生はよく分かってなさそうだったが、今日紹介状を書いてもらうはずだった旨を説明すると改めて心電図を取り出して、急に真剣な顔になって紹介状を書き始めた。

 

 前回の診察で自分は完全な健康体でないことは分かっていたが、まさかの高尿酸血症状態にあるとは思わず、どんなジャンプスケアホラーよりもビックリさせられた。そして痛風予防になるという食材リストを渡されたのだが、これまたトンデモなく退屈な食生活になりそうなのだ…。推奨されているのがヒジキとかオクラとかモズクって、なんだ僕に出家しろってか!

 

 不幸中の幸いは、今回ちゃんとボディメンテナンスとしては功を奏していて、体の悪い部分が分かって治す余地があるのが分かったことか。会社の健康診断を受ける機会がないフリーランスの皆さん、ちゃんと自発的に健康診査に行きましょうね…。

 

 ちなみに、家に帰ってそもそもプリン体ってふざけた名前はなんなんだよ!と思って調べてみたら、puddingじゃなくてPurineなんですね…。*1発音も「ピューリン」でした。失礼しましした。じゃあ、こんなふざけた和名をつけたのは誰だ!

 

 

*1:調べてみたらおやつのプリンにはプリン体が少ないらしい…ややこしい!