ディズニーランドの『白雪姫と七人のこびと』が怖すぎる!

 本日ディズニーランドへ行ってきました。7月にも行ったのでまたかよ、と思われるかも知れませんが、今回は『バズ・ライトイヤーアストロブラスター』がクローズするということで、足を運んでまいりました。考えてみりゃ最初にオープンしたのが僕が中坊だった2004年で、オープン当初も乗ったし、あれからもう20年も経てクローズまで見届けられるというのは感慨深いものがありますね。 

 

 ディズニーは最近行ったばっかだし、今日は滅多に乗らないアトラクションに乗る!というテーマで過ごしていたんですけど、一番印象深かったのは『白雪姫と七人のこびと』です。ファンタジーランドにあるこちらのライドは普段は子供向けとしてスルーしがちだったんですけど、とんでもない!『ホーンテッド・マンション』をはるかに上回る恐怖のホラーライドでした。

 

 高橋ヨシキ氏の『暗黒ディズニー入門』に書かれていましたが、ディズニーランド以前の遊園地というのは基本的に若者がいかがわしいことをするデートスポットで、「ダーク・ライド」と呼ばれる暗闇で恐怖を演出するライドが一般的でしたが、ウォルト・デイズニーはディズニーランドを作るにあたり遊園地やライドの健全化(ディズニー化)を図りました。しかし、ディズニーランド開園当初からある『白雪姫と七人のこびと*1』は「ダーク・ライド」の伝統を汲んだアトラクションなので、異色の恐ろしさがあります。

 

 なんていったって、『白雪姫と七人のこびと』というタイトルのくせに、ほとんど白雪姫が出てこず、代わりに魔法で老婆と化した魔女ばかりが出てきます。これはWikipediaによるとゲスト自身が白雪姫となって冒険を再体験する、というライドなのですが、分かりづらすぎて白雪姫が後で足された、という経緯があります。東京版も1シーン白雪姫が出てきますが、本当に申し訳程度にしか出てこないので余計に本来の意図が分かりにくく、恐ろしいシーンばかりが目立ちます。原作で映画を明るく盛り上げる陽気な曲の『ハイホー』すら流れず、ほとんどBGMはなく不気味な風の音のみで構成された音楽演出も怖さを際立たせている一因でしょう。

 

 さらに、Wikipediaによると東京版が他のパークの同アトラクションと比べて特異なのは、バッドエンドで終わっているからなんですね。映画やグリム童話における白雪姫が王子のキスで目覚めてめでたし、という部分は語られず、魔女が巨石をゲストの頭上に落とそうとしたところでトンネルを抜け、キューラインに戻ってきます。まるで悪夢から目覚めて現実に引き戻されるかのような錯覚を与える演出で、これが開園時から今まで残っているのはとても不思議だと思いました*2

 

 前回『イッツ・ア・スモールワールド』に乗った時も思いましたが、やはりウォルトの遺志がいまだに残っているライドはとてもユニークで面白いですね。

 

 

*1:ただし、カリフォルニアにあるライドの名前は『Snow White's Scary Adventure (白雪姫の恐怖の冒険)』

*2:アナハイムでもフロリダでも、流石に時代と共に改修して雰囲気の明るいライドになったそうです