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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014に行ってきた!★★★

 前回書いたローリング・ストーンズのライブの次の日、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に参加するために北海道へ飛びました。またもや「本当に就活生かよ!」と呆れられまくりましたが、いやだって就活は来年でも出来るけど、ゆうばりファンタはこれを逃し…ても来年も行けますね。ふつうに就活やるべきですね。

 とはいいつつ、このブログで何度も触れているセス・ローゲンの初監督作『ディス・イズ・ジ・エンド』が腰抜けクソチンカスソニーの判断ミスでDVDスルーになってしまい、今回を逃すとスクリーンで観れる機会はないので、サークルのI先輩を誘い初めて夕張に行ってきました。今回はそのルポ記事です。来年以降参加しようと思っている方は参考にして下さい。

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旅行準備

  • 金券ショップでANA株主優待券購入。株主優待券は約5000円くらいしますが、これにより航空券が半額になるのでかなりお得なります。
  • 夕張との距離と交通の便を考え、千歳駅周辺のホテルを借りました。朝食もつけると1日当たり7500円くらい。f:id:HKtaiyaki:20140303193203j:plain
  • ちなみに千歳〜夕張間は高速を使って70分で900円ほど。レンタカーを借りたが、電車だと3時間かかる。*1なので、少しでも出費を抑えたい人は現地のホテルを借りた方が良い。

夕張市や映画祭自体の感想

  • 財政破綻で有名な夕張市だが、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭wikipediaによると、市が主要産業を石炭から観光事業への転換政策を画策してきた中唯一成功している事業だそうだ。夕張市再生の象徴にもなっており、市民全体で映画祭を盛り上げようとする雰囲気が伝わってきて、それだけで楽しくなってくる。ただし、映画祭やスキー場以外に楽しめる施設があまり無いのがたまに傷…。
  • 夕張市のキャッチコピーは「メロンと映画のある街 夕張」。懐かしの手書き看板があちこちにある。f:id:HKtaiyaki:20140303203655j:plainf:id:HKtaiyaki:20140303203715j:plainf:id:HKtaiyaki:20140303203747j:plainf:id:HKtaiyaki:20140303203809j:plain
  • しかし残念ながら市に映画館も大手レンタルビデオ店もない。それでも市民の映画愛が伝わってきて嬉しい。
  • 市のゆるキャラメロン熊が強烈に怖すぎる。次の写真を撮ったあと急激に振り返られてめちゃくちゃビビった。f:id:HKtaiyaki:20140304020820j:plain
  • 今回の夕張国際ファンタスティック映画祭は「特別招待部門」「フォアキャスト部門」「オフシアター・コンペティション部門」「インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門」「フォアキャスト部門」「特別部門」の5部門から成る。
  • 特別招待部門は『ディス・イズ・ジ・エンド』を除いて4〜5月にやる最新作。それだけだとわざわざ夕張に行く意味が無く、他の部門が自主映画を中心としているのでそれらを中心に観ました。
  • あとちょこちょこ有名人がいました。昼飯を食べにいった時、先輩が「斎藤工を見た」と話してたら隣で聞いてた斎藤工ファンのおばさま三人に尋問される事案が発生。「男性の目から見ても、工くんは魅力的に見えますか?」と大変答え辛い質問を聞かれた。他にも俳優の津田寛治とか井口昇監督とかを見かけました。
  • 特別招待部門は毎回フジテレビの笠井信輔アナウンサーが登壇して解説していた。その解説が知識に基づいていて大変分かりやすいもので、映画の楽しさを増長させてくれた。今まであまり見た事が無かったが、今回の映画祭で一気にファンになった。しかし、ググる結構嫌われているアナウンサーだという事が分かった。なおのこと好きになったぞ!

映画の感想

 鑑賞順です。部門の略し方はオフシアター・コンペティション=OFF、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション=SHORT、フォアキャスト=FOREとします。

『死ななくて』★★☆(OFF)

 2013年、韓国語、ファン・チョルミン監督。

 癌で衰弱した田舎の祖父の多額の遺産を狙い、ボンクラの孫が住み込みで働くが、癌が完治し死ぬどころか以前より元気になりこき使われる。4年も働かされてムカついて酔った勢いで街でひっかけた女に「爺ちゃんを腹上死させてくれよ!」と冗談で頼んだら、後日本当にお爺ちゃんの家に来てしまい…というのが粗筋。

 ブラックコメディと紹介されたけど、そこまで笑える作品ではなかった。主人公は軟派な典型的な今時の若者で、祖父は軍人あがりの保守的な田舎ジジイ。この二人のキャラクターに韓国の高齢社会問題が反映されているのだろう。最後に二人の溝を埋めるのは[家族愛]、というベタ結末だが、それを緊迫した場面で見せるので大して気にならず面白かった。


Korean Movie 죽지않아 (Oldmen Never Die, 2013) 예고 ... 

『ギャングエイジ』★☆☆(SHORT)

 東京芸大大学院生の短編作品。予備校を寮舞台にヒロインを巡り、浪人生とチューターが野球で対決する。所々笑えたものの、良くも悪くも学生映画って感じ。ただ、ヒロインは橋本愛に似ててめちゃくちゃ可愛かった。

『イナーショナル・ラブ-惰性の愛-』★★☆(SHORT)

 スペイン人のアレンダ兄弟監督の短編。短編映画らしく、アイディアで勝負に出てる。それなりに面白かった。

 Vimeoで全編が観れます。6分程度なので、暇な時にどうぞ。

INERTIAL LOVE (Trailer - 2013) - YouTube

『猿たちの舟』★★★(SHORT)

 2012年の日芸卒業制作作品。小さな漁村で葛藤する若者三人の物語で、短編部門では群を抜いた傑作だった。16ミリフィルムで撮られており、まるで昭和の邦画のような雰囲気を醸し出しており、演出、カメラワーク、演技などどれを取ってもプロ顔負け。今後映画業界で活躍すると思うので、奥野崇監督を始めとして、全てのキャスト、スタッフの名前を覚えておきたいと思えるほど将来性も感じさせる力強い作品だった。

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『ディス・イズ・ジ・エンド』★★★(特別招待部門)

 本年度ベスト確定!!贔屓目抜きにして大傑作だった。わざわざ夕張まで行って観に行ったのは大正解だった。詳細は後日別個記事にて。

 


This Is The End - Who Did This? (FULL SCENE ...

 『棒つきキャンディー』★☆☆と『神隠しのキャラメル』★★☆(FORE)

 「注目すべき学生映画〜酒井麻衣監督作品」特集で二本鑑賞。最初に酒井監督の挨拶が登壇したけれども、まさに今時のJDって感じで、愛嬌があって可愛いらしい人でした。

 そんな酒井監督の明るさ全面に出てるのが少女漫画と青春を扱った『棒つきキャンディー』で、テーマだけでなく本当に物語も「ザ・少女漫画」という感じで、少女漫画とはほど遠い性格の僕とI先輩は恥ずかしさと眩しさでとてもスクリーンを直視できなかったよ…。

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 一方、『神隠しのキャラメル』は神隠しにあった妹を探す兄が「こどものくに」へ迷い込むファンタジー。学生映画を作る上で一番悩ましいのはやはり予算で、その中でも小道具の用意は大変で、妥協してしまう事もしばしば。その点、映画の大学に通っている学生は有利で、小道具はおろか観覧車や木馬などの大道具もキチンと制作していて作品の世界観に説得力を与えており、同じ学生映画を撮る身として大変羨ましかった。

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それでも夜は明ける』★★☆(特別招待部門)

 昨日のアカデミー賞で見事作品賞を受賞。自由黒人の身でありながら、拉致されて南部に送られ、12年間も奴隷として働いた男の実話の映画化。*2去年の『ジャンゴ』や『リンカーン』といい、近年のハリウッド作品には奴隷制をテーマとした作品が多いなぁ。

 奴隷虐待の描写がえげつなくルピタ・ニョンゴが全裸にされむち打ちにされる場面はどうやって撮影しているのか分からないほどリアル。実際には高度なCG技術でムチが背中を抉っているように見せているのだが、あまりにも痛々し過ぎてジャンゴとキング・シュルツに農場主をぶっ殺して欲しいと心から願った。なお、ルピタ・ニョンゴはこの体当たり的演技で助演女優賞を受賞。

 基本的に良い作品だったのだが、唯一不満を持つのは本作のプロデューサーであるブラッド・ピット彼は本作にちょい役で出演しているおり、カナダ出身の反奴隷制主義者というキャラクターで、自分の権力を最大限に振りかざしたズルい役所。しかも、授賞式ではプロデューサーとして一番最初に挨拶してやがる。*3子どもの頃のブラピはきっと皆で戦隊ごっこをする時、絶対にレッドを譲らないワガママなガキンチョだったに違いない。

映画『それでも夜は明ける』予告編 - YouTube

『天使の欲望』★☆☆(OFF)

 映画美学校卒の磯谷渚監督による痴漢狩りをする女子高生たちの話だが、うーん…なんとも言えない恥ずかしさ。オープニングはすごいかっこ良かったんだけど、痴漢狩りを始める当たりで冷めてしまった。展開の強引さであったり、全編アフレコによる芝居臭さ*4など、原因は色々。少なくとも引き合いに出されていた『先生を流産させる会』の方が遥かに衝撃的で面白かったよ。

映画『天使の欲望』予告篇@ゆうばりファンタ2014 - YouTube

『FUCK ME TO THE MOON』★★★(OFF)

 高畑鍬名と滝野弘二のコンビ監督による、3Pという単語に泣くエロティック・コメディの傑作!今回鑑賞した作品の中で一番のダークホースでした。切ないブロマンスという僕の大好物のジャンル。

 ルームシェアをしている音楽家志望のボンクラ2人組の元に、ヤリマンのかぐやが転がり込み「アタシをイカせる音楽を作れたら3Pさせてあげる」と条件を出し、奇妙な共同生活が始まる。この二人が作る音楽に大変説得力があり、この素晴らしい楽曲を作曲しているのはネットで活動しているテクノユニットの三毛猫ホームレス*5[かぐやの声をサンプリング]したED曲も泣ける。

 かぐやは次から次へ男を連れ込んでファックするビッチとして描かれているのだが、彼女を演じるAV女優の秋山祥子が大変チャーミングで、主人公の2人組と同じく映画が進むにつれ観客は彼女に魅了されていく。それ故に3人を襲う悲劇には胸が張り裂けそうになった。そしてああ、僕もかぐやが好きになっていたのか…と気付くのだ。もう一人の高畑が作ったかぐや姫の映画がありましたけども、過激に現代的解釈を施した本作の方がずっと好きですね。
 
 「初めてはお前と一緒が良いよ!」は名台詞。ぶわはははは!

 

 ICAFセレクション上映(特別部門)

 全国のアニメの大学、専門学校など専門機関が推薦する学生作品を集めた学生アニメーション・フェスティバル。ただ、この辺から疲れで眠ってしまいまして、何本か見逃してしまいました。その中でも印象に残ったのは『新聞史』『フミコの告白』『オンリーマイマドンナ』の三本。せめてネットにあった『フミコの告白』『オンリーマイマドンナ』だけでも貼っておきます。

「フミコの告白」Fumiko's Confession - YouTube

 

北海道旅行・その他

  • 当たり前だが、寒い。雪も大分残っており、夜の高速が怖かった。無理な運転は止めましょう。
  • 帰ってきた後は札幌に出かけたが、店が閉まるのが早く、21:30には閉まっている店が多い。リサーチ不足かもしれませんが。二日目に明らかに学生向けでないお店に入り、金銭的打撃を受ける。三日目に入ったEZOというお店がオススメ。
  • 北海道は美人が多い。マジで。
  • 大泉洋は北海道の大スターだというのは嘘じゃない事が分かった。
  • 近くにGEOがあったので、℃uteの矢島舞美主演『ゾンビデオ』を借りる。酷かった。
  • I先輩とは前日のローリング・ストーンズのライブも含め、5日間も二人で行動を共にした。こんなに長い事一緒にいたのにストレスを感じる事は全く無く、大変楽しく愉快な旅となった。誘いに乗って下さって本当にありがとうございました!

*1:あとバスが出てるのだが、最終バスが17:10と早すぎるのでフルに映画祭は楽しめない。

*2:疲れもあり、実は冒頭10分寝ちゃってました、てへぺろ

*3:去年の『アルゴ』の控えめなジョージ・クルーニーを見習え!
"Argo" winning Best Picture - YouTube

*4:ただしこれは演出だと磯谷監督は仰ってました。

*5:そもそもこの映画は音楽家とコラボするMOOSIC LABの企画として始まったそうだ