2017年映画ベスト&ワースト

 今年も毎年恒例のベスト&ワーストを選ぶ季節がやって参りました。私事ではついに長かった学生生活を終え、社会人生活が始まりヒーコラ悲鳴をあげている1年でありました。

 

 さて今年は95本の最新映画を観ました。仕事が始まり減るのではないかと心配していましたが、逆に仕事終わりに映画を見るなど劇場に足を運ぶ習慣ができ、例年並みのペースを確保することができました。

 

 さてさて、人生の転機を迎えた今年、僕が選ぶベストテンはどうなっているのでしょうか。それでは今年も見ていきましょう!

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▲今年のベストテン先行イメージキャラクターのトミー・ワイゾーさんとグレッグ・ セステロさん

 

【特記事項】

  • 2017年12月31日までに僕が鑑賞した作品のうち、今年劇場にて公開・または配信された新作映画が対象。よってリバイバル作品や名画座上映は含まれない。
  • Twitterに載せた★の数、上半期ベスト&ワースト、コメディ映画ベストテンとは評価が違う作品もあると思いますが、その時々の気分に左右されるのでご了承ください。

 

【2017年映画ベストテン】 

  1. サバイバル・ファミリー
  2. フロリダ・プロジェクト
  3. The Disaster Artist
  4. デトロイト
  5. ビッグ・シック
  6. ベイビー・ドライバー
  7. リメンバー・ミー
  8. IT/イット "それ"が見えたら、終わり。
  9. ゲット・アウト
  10. バリー・シール/アメリカをはめた男

 

【解説】

 ①は見事に全国ゴーストタウンと化した日本列島を作り出し、サバイバル生活をドキュメンタリーかのような説得力で描いただけで感嘆していたのに、『宇宙戦争』のように極限状況における父親の成長物語となっていてボロボロ泣いた。父のカツラに込めたキャラ設定が素晴らしい。昨年の『シン・ゴジラ』同様、邦画にしか作らないパニック映画として誇りに思う。

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 子役の演技の自然さ、インスタグラムで発見された母親役の素のDQN力、ロケ地キシミーでの撮影などがディズニーリゾートの影を徹底的に生々しく描く②。そして最後の最後で崩壊しつつある現実を映画の魔法で乗り越える疾走感にやられた。

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 ③は昨日も選んだ作品なので別アングルから書くと、劇中あまりに傍若無人ぶりを発揮するトミー・ワイゾーにキャスト・スタッフが抗議をするんだけど、トミーはヒッチコックキューブリックの現場での独裁者っぷりを引き合いに出す。確かに彼らの暴君ぶりも悪名高いが、結果傑作が生まれると彼らは巨匠と呼ばれ、駄作が生まれるとクソ野郎となる。これは昨今ハリウッドを騒がせているセクハラ騒動にも根底で繋がっているような話で、人間性と芸術作品の関連を考える上でも本作はタイムリーな作品だったと思う。

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 もうキャサリン・ビグロー兄貴の骨太演出に震える他ない④。ブラックライブズマター運動で盛り上がる中、企画立ち上げから撮影まで僅か10ヶ月ほどという時代の流れへの敏感さにも惚れ惚れする。

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 ⑤は昨日も書いたけどコメディベスト。偏見を乗り越えた先にある寛容に僕の大好きなアメリカがある。

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 今夏日本からアメリカに帰ってきた時、18時間のフライト中一睡もせず、メンフィス空港に降り立ってそのままレンタカーで映画館に直行して⑥を観に行った。正直寝るんじゃないかと思ったら、冒頭だけで眠気が吹っ飛んで、帰り道はアクセルを踏み込まないように抑えるのが大変だったくらいに面白かった。

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 死と記憶についての物語である⑦は、王道なテーマやながらも祖父が晩年アルツハイマーだった身としては号泣不可避でした…。

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 ⑧はNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』S2とセットで。怖いシーンは飛び上がるほど怖いし、ギャグにはゲラゲラ笑ったし、初恋描写にはキュンキュンさせられる。感情のジェットコースターのような一夏の冒険映画でした。

 

 サイコスリリックな『悪魔のいけにえ』だった⑨。キー&ピールにもハマり、最近は彼らのコントばかりYouTubeで観てる。

 

 ⑩枠は色々迷ったんだけど、やはりハリウッド大作でトム・クルーズの口から「アーカンソー!?」と言わせた本作に。アーカンソーはもはや心の故郷。

 

【2017年メモリアル大賞】

 去年が不作だった反動からか今年は割と豊作で、惜しくもベストテンから漏れたがしかし忘れ難き良作を順不同で上げていきます。

 

 半分くらいはどこの賞レースやベストテンからも相手にされないような映画ですが、上記のどの映画にも脳裏にタトゥーを入れられような強烈な瞬間があり、そらが例えどれだけバカバカしくても忘れられない映画の方が個人的には尊いので、今回は「メモリアル大賞」として彼らの作品を選びました。

 

 【2017年映画ワーストテン】

  1. アナと雪の女王/家族の思い出
  2. 銀魂
  3. メアリと魔法の花
  4. The Snowman
  5. バイバイマン
  6. レゴ®︎ニンジャゴー The Movie
  7. 絵文字の国のジー
  8. ジオストーム
  9. カーズ3/クロスロード
  10. エイリアン:コヴェナント

 

【解説】

 最近のディズニーの商業主義の醜悪さが①には濃密されていた。いつまでもこれが許されると思うなよ。

 

 アメリカが『デッドプール』とか作ってる中で邦画が②で満足してて本当に恥ずかしくないのかって思う。福田雄一佐藤次郎にブツクサ気持ち悪いことを言わせてるだけで面白いと考えるそのセンスが本当にムカつく。『50回目のファーストキス』のリメイクに今から頭が痛くなる。

 

 ③⑥⑦⑨と、今年は酷いアニメが多かった。これらの映画にはオリジナリティのカケラもないことが共通していて、消費者をバカにしたマーケティングに基づく安易な企画力が問題だと思う。

 

 一流のキャスト・スタッフ(監督は『裏切りのサーカス』のトーマス・アルフレッドソン!)が集結して④が生まれた事故をリアルタイムで目撃したのはある意味奇跡かもしれない。

 

 ディザスター映画ってもう絶滅寸前なんだなぁ…と⑧には一抹の侘しさを感じた。

 

 リドスコ御大張本人が撮った⑩より、フォロワー映画の『ライフ』の方がずっと『エイリアン』していたって、どういうことだよ、本当…。

 

【総評】

 二年連続で邦画が一位。映画ファンの間で邦画がダメになったって言われて久しいけれど、アメリカ来てからタマに観る邦画が超ホームラン級の傑作ばかりで、まだまだ捨てたもんじゃ無いなと嬉しくなる。

 

 また、自分が田舎きら大都市に出たせいかわからないが、映画を見るときに舞台となる場所が都市か郊外かを余計に気にしながら観るようになった気がするし、なんとなくそれもベストテンに反映されているような気がしないでもない。

 

 ちなみに毎年ギャーギャー言っていた『スター・ウォーズ』は今年遂にワーストにすら入らなくなった。世間で熱狂的な意見が多い『最後のジェダイ』には自分でも驚くほど怒りを覚えず、というのも自分にとっての怒りは2012年のディズニーによるルーカスフィルム買収からずっと続いていて『フォースの覚醒』でピークに達し、いつかこうなることは目に見えていたのだ。むしろ皆怒るの遅すぎじゃない?と思うし、もう『スター・ウォーズ』に費やすエネルギーがあったら他の事に目を向けたい。と言いつつ、来年のハン・ソロ映画に既にソワソワしている…。

 

 それでは皆さん、来年もいい映画に沢山出会えますように、良いお年を!