僕のラプターズが勝てない

 雑記。ブラックフライデーに『NBA 2K20』を買った。というか、最近の自分は寒いから映画館に行くのをサボる日だってあるのに、NBAの試合だけは毎晩中継観たりハイライト動画見たり記事を読んだりして過ごしている。人間新しい趣味と出会う瞬間というのはいつも唐突で自分でも変わりように驚いている。ワシントンDCまで八村塁の試合だって観に行った訳だし。

 

 よりNBAの世界に浸りたいためにPS4用の『NBA 2K20』を買った。日本だと八村塁が宣伝していたゲームで、要するにバスケ版『FIFA』とか『ウイニングイレブン』だ。そもそも僕のゲームの趣味は偏っていて、大抵『ポケモン』とか『スター・ウォーズ』関連のゲームしかしないので、スポーツゲームを買うこと自体がほとんどない。学校で流行ってたから中学時代に遊んですぐに放置した『ウイニングイレブン』くらいじゃないのか。

 

 そもそも、何度も書いたように僕はスポーツ自体に興味がないのでNBAにハマったこと自体が異例中の異例のことだ。映画を観ていると映画を撮って観たくなるのと同じように、NBAの試合を観ていると自分もバスケがしたくなる。しかし自分には運動神経もないし日頃運動もしていないのでバスケをする体力ない。なのでNBAプレーヤーたちの神技が自分でも疑似体験できるに違いない!という淡い期待を抱いて『2K20』を買ったのだが、これが中々どうして難しい。

 

 現実のバスケットボールという競技の無数のテクニックを再現できることがこのシリーズの売りだが、逆に僕みたいに素人にとってはボタンの組み合わせが多すぎて難しい。例えば、シュートだけでもジャンプシュートをするのかポンプフェイクを入れるのかレイアップにするのかダンクを決めるのか、そのダンクでも片手でするのか両手でするのか派手に決めるのか無数に選択肢があってそれに相当するコマンド操作がある。当然素人の自分ではそもそも技の名前を覚えるのが精一杯で、ディフェンスがいない場面で豪快にダンクを決めようと思っていたのに基本に忠実なレイアップシュートを打つなど、頭の中で描いていた展開と画面で再現されるプレーが一致しないストレスを覚える。

 

 もう一つ厄介なのが、そもそもバスケットボールというスポーツの戦略性の高さで、ボックスワンやゾーンディフェンスといった布陣もゲーム内で再現ができるが、残念ながら全ての知識を『スラムダンク』と『あひるの空』から習得した自分にはどうやって動けばいいのかが分からない。最近観ているNBAの実況からバスケはディフェンスが大事、ということを学んだが、とは言っても何をどこにどう動いていいのかがチンプンカンプンで、オーソドックスなスクリーンにすぐ引っかかる。

 

 『2K20』には複数のゲームモードがあり、面白いのはMyCarrerモードだ。スマホで自分の顔のモデルスキャンを行なってオリジナルプレイヤーを作り*1、更にストーリーモードで大学からドラフトを経てNBAプレーヤーになる道筋をたどることができるのだ。しかし、誰に対しての誠実さなのか、僕は自分の身長を律儀に現実のもの(175cm)にしてしまい、ただでさえアジア人にとって狭き門であるNBAの壁を低身長の日本人が頑張る鬼畜モードとなってしまった。試合モードではチョコチョコと戦略もなく動き回ってすぐにブロックされる日本人(僕)が全然活躍できないのに、ムービーパートでは周囲の期待を集める新人というギャップが笑える。今日はアディダスと契約したぜ!

 

 その次に遊んでいるモードはリーグモードで、これは今年のNBAのデータを反映して好きなチームを選択してシーズンを遊べるモードだ。僕はトロント・ラプターズのファン*2という話は前にもしたが、ラプターズは去年の優勝チームであり、エースであったカワイ・レナードの移転、キャプテンのカイル・ラウリーの怪我などを抱えながらも、主力の一人であるパスカル・シアカムが今年も急成長を遂げてオールスター級の活躍を見せており、現在イースタンカンファレンスの第二位と好成績を残しているチームだ。

 

 そんなラプターズも僕の手にかかればリーグ最下位の成績になるのもお手の物だ。シアカムも無得点試合を何回も記録している。現実では自分が好きな強いチームがゲーム内とはいえボコボコにされるのは辛い。じゃあ、どうしたらいいか考えた所、自分が応援している弱いチームを選択すれば負けたところでストレスが無く遊べるのではなかろうか。ということで選ばれたのが八村塁擁するウィザーズである。(現在イースタンカンファレンス16チーム中11位)

 

 ここで一つ注釈をつけると、八村塁選手は今大活躍している。今の所今シーズン全試合において先発出場で、初陣からダブルダブル*3を記録し、昨日の試合では先ほど述べたカワイ・レナードがいるロサンゼルス・クリッパーズを相手にキャリアハイの30得点9リバウンドを記録した。そんな絶好調の塁くんも僕が操作すれば新人王候補なんて夢のまた夢で、第一Qでアホなパスミスしてからベンチにすぐ控えられることもしょっちゅう。

 

 だが、僕は大好きなラプターズが傷つくのは見たくない。塁くんには申し訳ないが、ラプターズのためにしばらく僕のプレステ内でウィザーズには連続敗戦を喫してもらう。そのうち僕が上手くなれば優勝できるかもしれないしさ!

 

【PS4】NBA 2K20
 

 

*1:あまり似てなかったけど

*2:

taiyaki.hatenadiary.com

*3:得点、リバウンド、アシスト、スティールの項目において、一つの試合で二桁をマークした項が二種類あることをいう。三種類ある場合はトリプル・ダブルという。

『サウスパーク』S23E5「Tegridy Farms Halloween Special」感想

 僕の怠惰でもうクリスマスも近いっていうのに大変申し訳ないですが、今回の『サウスパーク』はハロウィン回!タイトルの通りランディがメインだが、今シーズンの主役はすっかりランディだなぁ。

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 ハロウィンに向けてテグリディーファームでプロモーションをすることを家族に発表するランディ。しかしシェリーの姿が見当たらない。ランディはシェリーは「マリファナ問題」を抱えていると察知し、彼女と親子水入らずで会話することにする。なお、英語圏で「マリファナ問題(marijuana problem)」という時は、大概未成年が大麻に手を出してハマってしまうことを指すが、ランディが心配しているのは何故シェリーがマリファナを嫌うのか、というトンチンカンな問題である。「シェリー、どうしてマリファナを嫌うんだい?世界中の偉大な人がマリファナを吸ってハイになってるんだぞ?お前の好きなセリーナ・ウィリアムズだってテニスの試合前に吸って凧のようにハイになってるんだ」父のデタラメに益々腹を立てるシェリー。「この国の人々は大麻のせいでどんどんバカになってる!マリファナがもう一度違法になれば良いのに!」シェリーの言葉に傷ついたランディは娘との関係を修復し、マリファナを好きにさせようと奔走する

 

 一方、デンバー博物館のエジプト展覧会でスタンプラリーを集めているバターズ。最後のスタンプは博物館の中でもひっそりとした部屋に展示されていたトゥーク・タン・ラーのミイラの元にあった。バターズは意気揚々とスランプを押そうとするが、『ペット・セメタリー』に登場するジャドそっくりのキュレーター*1が登場し、バターズに忠告を行う。「そのスタンプは押さない方が良い…子供には相応しく無い古代の愛の呪いがかかっているんだ」しかし朗らかなバターズは忠告を無視してスタンプを押してしまう。

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 その夜、ぐっすりと眠るバターズの部屋をノックする音が。恐る恐る目を開ける、蘇ったミイラが襲いかかり部屋をめちゃくちゃにする。泣き叫ぶバターズの元にミイラが手を差し伸べると…そのままバターズを優しくハグする。これが「愛」の呪いである。そのままミイラはバターズにプレゼント箱を渡す。箱を開けてみると…「あ、ありがとう、Fitbitか…僕もう持ってるけど、これ僕の友達にあげるよ」それを聞いたミイラは激昂し、更にバターズの部屋をめちゃくちゃにし、そのまま街に出て大暴れしてしまう。

 

 さて、娘にマリファナの良さを中々理解してもらえないで悩むランディだったが、ビジネスパートナーのタオリーが新手のハイブリッド種ハロウィンスペシャルの開発に成功し大喜び。一方、当のシェリーは研磨剤、ペイントシンナー、漂白剤を使って禍々しい魔女のスープを作り、ハロウィンスペシャルにブチまける。発狂し落ち込むランディだったが、このスープをきっかけにハロウィンスペシャルはより強力な種類の大麻に突然変異している事に気付く。「これでハロウィンのプロモーションは大成功だ!」と乱舞しパーティーを開くランディとタオリーであったが…!

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 これまでのハロウィンエピソードと同様、『ミイラ再生』『クリープショー』などホラー映画からの引用が多数。『ゾンビ』の引用もあり、ジョージ・A・ロメロ風味が若干強め。笑うのはクライマックスでハロウィンスペシャルの効能のせいで色々なゾンビがランディを襲う中、ハーベイ・ワインスタインがランディのお尻を襲う。バターズの注目を引きたくて暴れるミイラは壊れかけのカップルみたいで笑える。でも確かにミイラ映画の本文は悲恋だしね。

 

 しかし、全体的にはこれまでのハロウィン回と比べると風刺も弱くてイマイチな出来。やはり今シーズンが取り扱っているマリファナという題材があまりハマっていないのでは…?

 

クリープショー [Blu-ray]

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*1:ちなみにこのキャラは名前も無いが、サウスパークの子供達に忠告を与えたり呪われた何かの過去を説明する便利な役割で頻繁に現れる。初登場回はジョンベネ事件をパロったS5E14「バターズ☆ベリーマッチ(Butter's Very Own Episode)」

差別はこうして生まれる。

 アメリカに来てから初めて盗難にあった。しかも自宅で。

 

 引越し下準備で売れそうな服を集めて袋に入れ部屋の外に置いていたのだが、怠け者の性分なため1ヶ月くらい放置していた。すると昨日家に帰ってみると、服が半分ほど減っていた。ポカンとしているとルームメイトのフィリピン人のおじさんが「ああ、やっと帰ってきた!お前の服がパクられてるかもしれないぞ!」と教えてくれた。何事かと説明を聞いてみると、今日上の階に住んでいた住人2人が追い出されたのだが、その際に盗んでいったに違いない、とのことだった。

 

 少し背景を説明すると、我が家はランドリーを経営している大家が宿っている従業員が何人か暮らしていて、このフィリピン人のおじさんもその一人。上の階に暮らしていた住人2人もちょっと前からこの家に住んでいたが、勤務中の態度が悪かったのと、夜いつも騒がしくするためランドリーもクビになって家も追い出されたらしい。まあ、確かにこの状況では彼らが一番怪しいのは間違いない。*1

 

 かなり腹が立つが、実はこの文章で書くのに気をつけた事が一つあって、この疑わしい住人2人の人種を特定しないようにしていた。というのも、ルームメイトのおじさんがしきりに「上の階の○○人2人がやったに違いない!」と言っていたのだが、僕のアパートはこれまでアジア人に限定されていた。これは大家の「アジア人は真面目だし信頼できる」という考えの元で住人を選んでいたからで、今回は例外的に住人2人を住まわせていた。そして、彼らはステレオタイプ通りに問題を起こし、僕の服を盗む疑いまでかけられた。

 

 で、僕が彼らの事を書かなかったのは善人ぶろうとしていた訳ではなくて、何を隠そうムカついていた僕の中で「○○人め…」と差別心が芽生えていたことに気が付いて驚いたからだ。よく思い出すのは今年亡くなった婆ちゃんが「戦後朝鮮人がスイカを畑から盗んでいたから信用できない」と話していた事で、幼子心に僕は「チョーセン人はスイカを盗む人たち」という情報を植え付けられた。そのまま大人にならなくて良かったと思うが、ここで僕が「○○人が僕の服を盗んだ」と書いてしまうと婆ちゃんと同じく僕も人に差別心を拡散する事になってしまう。僕の中で生まれてしまった差別心は僕の中で留めて焼却処理をしておかないといけない。

 

 しかし、だからと言って服を盗った奴らに罪が無いわけではないよ。*2大家はまだ彼らに辞めた時の給料を渡してないらしく、もし彼らが盗った事が判明したらこの給料を人質に盗んだ服の返還を要求するとのこと。僕としてはどっちにせよ処分する予定の服だったからそこまでして貰わなくてもいいんだけど、まあもし彼らが本当に盗んでたらザマアミロとしか言えないよね!

 

偏見や差別はなぜ起こる?: 心理メカニズムの解明と現象の分析

偏見や差別はなぜ起こる?: 心理メカニズムの解明と現象の分析

 

 

 

*1:念には念を入れて、このブログを読んだ人の中で僕のルームメイトのフィリピン人のおじさんを疑う人もいるかと思いますが、彼とは2年間一緒に暮らしてる仲なのでそれはあり得ませんし、1ヶ月放置してた服をこのタイミングでパクる意味もありません。

*2:ただ、ルームメイトにも大家にも「なんで自分の部屋に置いとかないんだ!」と怒られた。究極は脇が甘かった自分が一番悪い…

サンクスギビングデー

 昨日はサンクスギビングデーということで友人宅で飲んでいました。と言っても、映画で観るようなターキーとか用意するトラディショナルな晩餐会では無かったのですが、というか僕そういえばアメリカに4年もいながらそういうコッテコテのサンクスギビングの食事をした事がないですね。一回位しておけば良かったな。あ、友人宅でのパーティー自体は楽しかったですよ!

 

 ちなみに僕が一番好きな映画の中に登場するサンクスギビングデーといえば『アダムス・ファミリー2』です。毒気満載で最高!


Addams Family Values (1993) - Wednesday's Revolt

 

 

 

【告知】友達のドライブインシアターイベント第二弾がクラウドファンディングを募っています。

 以前当ブログでも告知し無事に開催できた友人主宰の「ドライブシアターを作る会」のイベント*1ですが、この度第二弾「DRIVE IN THEATER 02 in KAWAGOE」が開催されることになりました!しかも今回は3日間連続二本立てな上、クラウドファンディングを募っています。

 

 クラウドファンディングでは2000円から手軽に出資できますので、この企画に賛同していただける方は課金して頂けるとK君も喜ぶと思うので宜しくお願いします。イベント当日券他、オリジナルグッズやあなたの為だけにドライブインシアター!といった特典ももちろんあります。なお、出資するにはMotionGalleryにアカウントを作る必要がありますが、ドライブインシアターが観れると思えば小さい手間ではありませんか!ドライブインシアターだと上映中にスマホ触っても怒られないし!

 

  第二弾の開催日は12/13〜15の3日間で、上映作品は豪華な以下のラインナップ!

12月13日(金)〈革命のホラーナイト!〉
  『サスペリア』1977 『天使の恍惚』1972

 12月14日(土)〈楽しくファミリーナイト!〉
  『白雪姫』1937 『ジュマンジ』1996

 12月15日(日)〈アガるぜドライブナイト!〉
  『REDLINE』2010 『問いかける焦土』1995

 前回のロシア映画2本立てもニッチで良かったですが、今回はより王道な、とはいえらしさも忘れてない渋いラインナップ!残念ながら僕はアメリカにいるので今回は手伝いに行けないのですが、普通に客としても行きたかったですね。

 

 

 なお、場所は前回と同じく川越オフロードビレッジとなります。

〒350-0846 埼玉県川越市大字中老袋295−5

 

 時期が近づいたもう一度告知しますが、「ドライブインシアターを作る会」の公式サイト・SNSもチェックしてみてください。

 

*1: