リムジンパーティーはもっと日本で流行るべき

 仕事でリサーチしていて、今日本でこんなサービスがあることを知りましてね。

 えー、平たく言って、最高だなと。学園映画を愛する僕の理想に社会がまた一歩近づいてしましましたね。学園映画と言えばプロム!プロムと言えばリムジン!が相場なのです。

 

 ただ高校時代からもう10年も経つ僕にとってプロムはもう憧憬の対象とするにはいささか遅すぎるので、この夢は未来に出来ているであろう、珠のように可愛らしい娘にエンジョイしてもらいたいと思います。そのころ僕は日本にいるか海外にいるかは定かではないのですが、僕の娘の高校は偏差値でもスポーツ実績でもなく、当然プロムがある高校に通わせているに決まっているので、娘はリムジンを貸し切ってプロムの日を迎えるわけですよ。いつも仲良しの3人組で華やかに着飾ったりしてね。

 

 すると、家に来たリムジンからタキシードを着たどこの馬の骨かもわからない男の子が娘を迎えに来るわけです。当然、彼氏の事なんて知らされていないので内心はらわたが煮えくり返っているのですが、でも娘には理解のあるお父さんと思われたいので怒りを静かに隠し明らかな作り笑いを浮かべ、必要以上に力強い握手と「21:00には帰ってくるように」と釘を刺してプレッシャーを与えます。そしてリムジンを未来に出来ているであろう、息をのむように美しい嫁と見送るわけですが、大人の階段を上っていく娘を思うと涙があふれてしまうので、嫁には悟られないように早々に家の中に入っていくのです。もちろん、嫁にはそんなこともお見通しな訳ですが。

 

 一方、プロムを楽しんでいた娘はトイレに行った隙に、グデングデンに酔っぱらっている彼氏(慣れもしないのに安いウィスキーでも隠し持っていたのでしょう)が違う女の子とキスをしているのを目撃してしまうのです。その視線に気づいた彼氏は慌てて訂正しようとしますが、娘は父親譲りの力強い平手打ちを喰らわせて学校を飛び出し、リムジンにも乗らず走り去ってしまいます*1。途中、ハイヒールを脱ぎ捨て彼氏からもらったピアスと一緒に川へ投げ捨てるのですが、もちろんアコースティックでエモーショナルなBGMもどこからか流れています。

 

 家に辿り着いた娘はバタンと自分の部屋に閉じこもってしまいます。心配する嫁と一緒に何があったか問い質しますが、泣いてばかりで娘は答えてくれません。状況は分からないが、察するに娘は失恋したに違いない。ひとまず嫁にはリビングにいてもらうように頼み、僕は娘を励ますために自分の過去の恥ずかしい失敗談を話します。その話は一見何ら関係ないように見えて、不思議と良いメタファーとなって娘の気分を晴らします。ようやく泣き止んだ娘は「アイ・ラブ・ユー、ダディ」*2なんて言ってお父さんにハグをしてですね…くぅ~!!!

 

リムジンパーティーたまんねぇな、おい!!!

日本でもっとリムジン流行れ!!!

というかハロウィンの次はプロムが流行れ!!!

 

 あ、その頃10年前のワイドショーを賑わせた連続殺人気が近くの刑務所から脱走し、プロムのドサクサに紛れてマスクを被って学校に忍び込むのですが、実は嫁はその事件の唯一の生き残りで事前に警察や近隣住民に警告していたものの誰も聞き入れてくれず、仕方がないので僕と二人で殺人鬼と対面し、僕は愛する娘と妻を守るためにはそれはもう壮絶な死闘を繰り広げるのですが、それはまた今度の機会にします。

 

 

*1:ちなみに、本来ならば娘と彼氏は学校のプロムクイーン&プロムキングに選ばれる設定です…いや、設定とかないから!何を言ってるんだ!

*2:別に日本語でもいいのですが、「アイ・ラブ・ユー、ダディ」に相当する完璧な日本語を僕は知りません。