続・宗教ポルノ

 昨日『アタック・ザ・ブロック』のジョー・コーニッシュ最新作『The Kid Who Would Be King』を観に行ったっす。興行的には大コケしてしまっていて、確かにマーケティング的には何を売りにしたらいい企画なのか難しかったとは思いますが、流石はエドガー・ライトの盟友ジョー・コーニッシュだけあって大長編『ドラえもん』のようなジュヴナイルを味わえる作品で、クライマックスは『ホーム・アローン』×『ロード・オブ・ザ・リング』といった趣向で楽しい作品ではありました。

 

 まあ『The Kid Who Would Be King』の詳細な話はまた今度するとして、僕のテンションを非常に下げた予告編が本編前に上映されてましてね。

 

 『Breakthrough』というスピリチュアル映画なんですけども、何かっつーと所謂クリスチャン・フィルムってやつですね。クリスチャン・フィルムって言っても、スコセッシの『沈黙』みたいな骨太拷問映画やキリスト教の同性愛矯正キャンプを描いた去年の『Boy Erased』みたいな、ただ単にキリスト教を題材にした映画は含まれません。キリスト教系の映画会社キリスト教徒の為に製作するキリスト教的なメッセージを多分に含んだ映画を指してクリスチャン・フィルムと呼びます。前も書きましたが、実質幸福の科学が作る映画と本質は何も変わりません。

 

 

 映画はなるべく食わず嫌いはしたくない僕ですが、宗教プロパガンダ映画*1と動物映画だけはどうしても拒否反応が出てしまいます。動物映画と書いて思い出しましたが、この間アメリカで公開された『A Dog's Way Home』の予告編もまあ酷くて、予告編さえ見れば本編がオチまで100%分かる仕様になっています。英語も分からなくたって本編内容が分かるので、試しに観てみてください。

 

 

 まあ、ある意味で予告編さえ見れば本編を観る必要は一切ないので超親切っちゃ親切なのですが、しかし去年の秋からこの映画が公開されるまでAMCの映画館に行く度にこのゲロカスな予告編を観させられて『時計仕掛けのオレンジ』か!ってくらいのビジュアル拷問を味わいました。

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 なんで僕が宗教プロパガンダ映画や動物映画が嫌いなのかと言うと、観てる人たちの「キモチイイ」という感情を満たすためだけに作られて実質ポルノやAVと何も変わりないのに、そこに宗教や動物という一見道徳的な皮を被って如何にも高尚な何かに見せかけているからです。というか、ポルノやAVの方がもっと実験的で野心的で芸術的なメッセージ性のある作品が多いので、羅列してしまう事すら烏滸がましかったです。AV製作者やファンの皆様には謹んでお詫びいたします。

 

 まあとにかくですね、これからイースター(復活祭)が近づいてきて、余計にこうした宗教ポルノ映画の予告編やポスターを観る機会が多くなるのかと思うとゲンナリしてしまいます。日本でも面白半分に幸福科学の映画とか観に行ってたから、どうせなら観に行ってみようかしら。多分日本語でクリスチャン・フィルムをレビューするブログなんて滅多にないからその先駆者になれるかもしれないし…と思いましたが、明らかにメリットデメリット差し引いてドマイナスなので、今はやめておきます。ということで、皆さんも『The Kid Who Would Be King』を観よう!

*1:もう一度言いますが、宗教映画とは違います。