台風ということで、『シン・ゴジラ』を観ました。家が風で揺れる中観る『シン・ゴジラ』は無料4DXでした。この間『新世紀エヴァンゲリオン』を久々に見返した時にも書きましたが、庵野秀明はやはりプロフェッショナリズムを信じて止まない人だと改めて思いました。
特に一般民衆が「ゴジラを殺せ!」「ゴジラを守れ!」とデモをしている中で徹夜しながら頑張っている場面にその側面が強調されていると思います。ただ、一歩間違えるとデモは短絡的で無意味な行為、とも捉えられかねない少し危険な描写でもあって、だからこそ体制礼賛映画だと批判する人も多いのかな、とも思います。
あと、このシーンの問題点は、不眠不休での努力を美化している点もあり、というかこれは邦画でよく見かける文化的な問題点かと思います。まあ、庵野秀明はアニメーション監督で、劣悪な労働環境を経てきた人だと推測されるので、仕方がないっちゃ仕方がないかもしれませんね。
こういう多少の問題点も感じつつも『シン・ゴジラ』は愛せずに要られません。プロフェッショナリズムが大好きな庵野秀明が書いた脚本は日本語字幕つけないと全く何を言っているのか分かりませんが、それでも何が作中で起きているのかはハッキリ分かるのは映画としてはある意味完成系ではないでしょうか。真逆のアプローチなのに結果として『マッドマックス/怒りのデス・ロード』と同じ効果を発揮しています。この2作が似たようなファンを獲得して似たような盛り上がり方をしているのは偶然ではないかもしれません。