土曜日に六本木の国立新美術館で開催されている庵野秀明展に行ってきた。
庵野秀明が子供の時に好きだった作品から、中学生時代の油絵、大阪芸術大学時代の自主制作特撮作品からガイナックスを経てスタジオカラー、そして公開待機中の『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』に至るまで、テンコ盛りの1500点超えの展示数!
基本的には庵野秀明の人生のタイムライン順に展示は進んでいくが、入場しても2時間半経っても『エヴァ』に辿り着いていなかったのは驚愕だった。14時に入場して、外に出れたのは18:30頃。その時にはまだ外に人が並んでいたが、閉館時間の20:00まで間に合わないんじゃないかと余計な心配をしてしまった。
NHKが制作した庵野監督のドキュメンタリーも今年話題になったが、この展覧会では何が庵野秀明という映像作家を作り上げたのか、また難解な作品が多いイメージの庵野秀明の脳内を覗き見るような感覚がたまらなかった。走り書きでページの隅々にメモが書かれており、作品ごとの苦悩が伺える。
個人的に嬉しかったのは、庵野秀明の名をSFファンに知らしめた『帰ってきたウルトラマン』がノーカットで見れたことである。大学生の自主制作とは思えないくらい手の凝った特撮には感心したし、若き庵野秀明監督もまた「アングル」にこだわっていた作家であることがよくわかる。
今年は『シン・エヴァンゲリオン新劇場版:||』のヒットがあり、空前の庵野秀明ブームだったと思う。印象的だったのは、この展覧会に訪れている客層が老若男女幅広かったことで、少し前まではアニメや映画ファンのみぞ知る存在だった庵野監督がどれだけ大衆に支持されるようになったかが窺い知れたのもまた一つ面白かった。最後のブースには、これから公開される『シン・ウルトラマン』と『シン・仮面ライダー』の撮影稿がガラス張りのケースに飾られており、ガラスをかち割って読みたい衝動に駆られたのはここだけの話。
12/19まで開催されているそうなので、まだ足を運んでいない人はお早めに。