渡邊雄太の今後が楽しみ

 メンフィス・グリズリーズに所属していた渡邊雄太選手が、来季からBリーグでプレー、つまり6年間闘ったNBAからの引退をInstagram LIVE上で発表しました。

 

 ここ数年の渡邊雄太の活躍は全日本バスケファンが自分のことのように嬉しく思い、見守っていたかと思いましたが、せっかく本契約を勝ち取った今シーズンから調子を落としていたのにもヤキモキしていたかと思います。事実、トレードを体験し、さらにグリズリーズでも試合に出る機会が少なく、本当に辛いシーズンだったそうで、この部分を告白するところはちょっと泣きそうになってしまいました。

 

 バスケに限らず、アジア人がアメリカで活躍するのって本当に大変なんですよ。アメリカ人だけでなくて、同じく夢を追った全ての移民の中で戦い抜かないといけないんです。僕もアメリカで映画監督になる夢を持って渡米しましたが、現実はしがないテレビコーディネーターやっていたので、理想と現実のギャップに押しつぶされそうになっていました。

 

 余談ですけど、人並み以上に活躍していた渡邊選手が全然試合に出してもらえなかったの、僕はNBAで根強く残るアジア人差別も無関係じゃないと思うんですよね。もちろん、八村塁やブランドン・クラークなど、アジアをルーツに持つ選手も活躍していますが、渡邊雄太選手が他の人種の選手たちと比べて常に苦境を強いられたキャリアを送っていたのは、社会現象を巻き起こしながらも苦労したジェレミー・リンを想起させます。

 

 

 ただ、ジェレミー・リンがアジア系コミュニティに残した影響が大きかったように、渡邊雄太が与えた影響も多大であったのは間違いありません。渡邊雄太NBAからの引退表明した投稿には、彼の今後のキャリアの成功を願う英語圏からの投稿が数多く寄せられていました。

 

 また、日本へ戻ることはキャリアの終わりではありません。僕もそうですけど、アメリカにいた頃より今の方が夢を追えているし、憧れの業界との距離が近くてずっと幸せです。また、僕と違って渡邊雄太選手は日本人には無理と言われたNBAで、4年という平均選手寿命を大きく超えて6年間も在籍していました。これは立派に夢を成し遂げた証拠で、誇れることです。これからはBリーグというまた別の戦場で、渡邊選手らしい熱いハートがこもったプレイを見せてくれるでしょう。今後が楽しみです!