昨日の映画サークルOB/OG仲間でやってたオンライン飲み中に、大林宣彦監督の訃報が入って皆で驚きました。
正直に白状すると、これまで観て来た大林作品は『時をかける少女』だけです。一部演出として関わっていた作品も加えるならば、『ピンク・レディーの活動大写真』も入りますが、映画ファンとして大変勉強不足であることは恥ずかしながら自覚しております。
それでも、僕が大林宣彦の逝去に少なからず悲しさを感じるのは、高校時代に監督の著作『ぼくの映画人生』を読んだからでした。確か、僕が映画好きと知った図書室の先生だか誰かがオススメしてくれたものだと思いますが、戦前の幼少期からアニメーションを作り、自主映画の道へ進み、CM界で腕を鳴らし、『HOUSE』で商業映画デビューし、尾道三部作を手がけるなど、大林監督の半生が優しい文体で語られていて、読書が苦手な僕でもスラスラ興味深く読んだことを覚えています。「映画監督になりたい!」と漠然に思いはじめても、実際映画監督がどう言う職業なのか全く分かっていなかった僕に、映画監督というものを具体的にイメージ化したのは『ぼくの映画人生』*1でした。
大林監督とは大学時代に再会することになります。大学のゲスト講師として山田洋次監督と登壇され、多くの映画サークル員が大御所監督達の話を聞きに行こうと詰め掛けたのを覚えています。当時特定秘密保護法が成立したばかりだったと思うのですが、平和主義の大林監督が大変憤っていて、しかし優しく僕ら若者達に未来を託すようなメッセージを発していたのが印象的でした。ただ、いかんせん、6年も前のことなので、具体的な内容など記憶が曖昧なのが残念でなりませんが。
さて、そんな監督に色々と感銘を受けたにもかかわらず、これまであまり大林宣彦作品を観て来なかったのは、高校生の時に観た『時をかける少女』があまりピンと来なかったからなんですよね。僕が大学にいた時話題を呼んだ『この空の花 長岡花火物語』も食指が伸びなくて見に行かなかった体たらくです。
訃報が流れた今日、思い立って観た『HOUSE/ハウス』がかなりドラッギーな映画だったので度肝を抜きました。ひとまず改めて『時をかける少女』を見直して、フィルモグラフィを遅まきながら追ってみようかな。