『さようなら全てのエヴァンゲリオン』を見ました。

 見逃していた『さようなら全てのエヴァンゲリオン』がBS1で再放送していたので、この機会にやっと見れました。

 

 こちらは以前NHKで放送されて好評を受けた『プロフェッショナル-仕事の流儀-』庵野秀明回で未公開シーンをふんだんに使った前後編合わせて100分の長尺版となっていますが、これは単なる『プロフェッショナル』完全版ではないんですね。もはや編集の構成から違っていて、ジョス・ウェドン版とザック・スナイダー版の『ジャスティス・リーグ』くらい全然異なる印象を受ける作品になっているんですよ!(といって、ザック版の『JL』はまだ観れてませんけど)

 

 元々の『プロフェッショナル』も凄かったですけど、今回の方がより庵野さんの「現場支配力」が強まっていましたね。自らを取材するディレクターにカメラポジションまで指示する度に見ながら爆笑していましたが、これディレクターの立場だったら本当に困るよな〜。だんだん、庵野さんがいう「面白い」アングルを使うようになってくるのも楽しかったです。

 

 そして、『プロフェッショナル』ではカットされていた新型コロナウイルス感染症によるパンデミックに見舞われた『シン・エヴァ』制作現場もしっかり使われていたのが新鮮でしたね。僕は去年『シン・エヴァ』が公開延期した時、「コロナで制作期間延びてホッとしてそう」なんて思ってましたが、実際本来の公開予定日には全く終わっていなかった模様が映し出されてました。ただ、そこにあるのは「安堵」ではなく、永遠に終わらない創作作業に向き合う地獄絵図で、しがない映像屋をやっている僕なんかはギョッとしましたよ。

 

 ちょうど昨日、『Air/まごころを君に』を見返していたりしたんですけど、僕が昔訳が分からなくて嫌いだった『エヴァ』の難解な側面に段々と面白みを感じるようになってきたのは、やはり『エヴァ』が庵野秀明私小説的一面を担っているからなんでしょうね。難しい用語は最早放っておいて、シンジくんがウジウジしたり笑ったりする様子でその時々の庵野さんの精神状態が見て取れるのが、きっと幅広く『エヴァ』が受け入れられた要素の一つなんでしょう。

 

 なにはともあれ、あらためて『さようなら全てのエヴァンゲリオン』を観て、庵野秀明監督には労いたくなりました。緊急事態宣言明けたらもう一回『シン・エヴァ』観に行きたいけど、まだやってるかなー。ちなみに、このドキュメンタリーを見逃した人はNHKオンデマンドで観れますので、是非是非。必見ですよ!

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