コンプリケイテッド・コミュニケーション

 実は今、婚約した彼女の親が台湾から我が家に遊びにきている。ここ数日は青森に行っていたが、今晩はうちに泊まる。本日も夜遅くまで続いた撮影仕事から帰ってくると、彼女の母親が食卓でブログを書いていた。余談であるが、彼女の母親は台湾ではそこそこ著名な教育評論家である。というか、今僕もブログを書いているが、義母と同時にブログを書いてるってどんなデジタル社会だよ!

 

 僕は人見知りであるが会話が大好きという困った人間で、大学時代は初対面の究極なシャイっぷりを発揮するのに、仲良くなった後の止まらない口数から「ネアカなコミュ障」と呼ばれていた。とはいえ、これから何年もお世話になる義母の前でシャイぶってても仕方がないので色んな会話をしたいのだが、大きな障壁にぶつかる。彼女の義母は英語が拙く、僕の中国語が幼稚園レベルなのだ。

 

 「青森ではどこにいきましたか?」「仕事から帰ってきたんですけど、毎日撮影が長くてクタクタです。」話したいことは山ほどあるのに、相手に伝えづらいもどかしさ。正直、間に彼女がいないと会話が全く成り立たない。特に僕は冗談を言って相手を笑わせるのが好きなので、せっかくジョークを言っても彼女の通訳をワンテンポ挟まないと通じないのは歯痒い。

 

 ただ一方で、逆説的にそれでも会話が通じる面白さもある。お互いなんとなくの英語となんとなくの中国語でも、表情や身振りで伝わるものもある。まるでスピルバーグが映画でよく描いている異文化の意思疎通を体験しているかのよう。こんなカタコトの状態でも相手を笑わせられるなんて、大したものだと自画自賛したいところだが、台湾に行く前くらいには素直にもうすこし中国語の勉強を頑張ろう。

 

 なお、どうでもいいが、アーカンソーの大学に留学していたときの僕の学部は「メディア&コミュケーション」学部だった。コミュニケーションは実は専門分野なのかもね!