市民のリーダー

 台湾総統 蔡英文の人気が今日で終わりました。僕の嫁さんから「愛国教育だ」と称され、以下のドキュメンタリーを現場終わりで今日強制的に見させられました。

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 僕の奥さんに限らず、僕たち夫婦のほとんど全ての台湾人の知人・友人が蔡総統の功績を称え、彼女の退任を惜しんでいます。台湾の歴代リーダの中でも屈指の人気と支持率を誇っていたことがよくわかります。

 

 上記のドキュメンタリーは彼女の偉大な功績のうちのひとつである同性婚の法制化を追ったものです。台湾は東アジアで唯一同性婚を合法化した国であり、特にリベラルな気質のある人から憧憬を抱かれていることが多いです。しかし、決してその法制化は一筋縄ではなかったことがこのドキュメンタリーを見るとわかります。

 

 一方で、蔡英文が何故ここまで人気だったかもこのドキュメンタリーから伺えるのですが、それは彼女が何よりもまず市民ファーストだったからです。同性婚を法整備したのも、好きな人と一緒にいたいという当たり前の感情を支えるためで、また同性婚を通すために蔡英文LGBTコミュニティだけでなく、アンチ同性婚の人々にも耳を傾けます。

 

 同性婚だけでなく、台湾における全ての事象に対し、蔡英文は自分の支持者だけでなくて反対したり嫌うものたちにできるだけ寄り添う姿勢を見せてきました。それは彼女が真の意味で平和と民主主義が大好きだからで、民主主義を信奉しているからこそ中国からの圧力にも屈することはありませんでした。

 

 このドキュメンタリーの最後の方で、彼女が猫と戯れ合う素顔が見れるのですが、これにふと赤ちゃんを笑かしていたバラク・オバマの姿が重なりました。二人とも党派を越えた、人々や動物にも愛される一種のカリスマ性があったと思います。今日から人を引き続くことになった頼清徳には彼女ほどのカリスマ性がない(嫁さん談)とのことですが、是非とも蔡総統が築いたレガシーを続けて台湾をより素晴らしい国にしてほしいですね。