ちょっと作品作りのリサーチをする為に久々に『アウトレイジ』を観たんですけど、これが記憶していた以上に相当面白かったんですね!
ちなみに、僕が『アウトレイジ』を初めて観たのは『アウトレイジ ビヨンド』公開時に予習する為で、もう12年も前になるんですね。当時のTwitterを振り返ったら生意気な若造はこんな事を呟いていました。
アウトレイジ ★★★ うおー!アドレナリンとニヤニヤが止まらなかった!あんなに静かだった北野作品からこんな罵声映画の傑作が生まれるとは思わなかった。
— Taiyaki (@HKtaiyaki) 2012年11月8日
これは多分当時北野武作品を色々観ていたからこその感想だと思うんですが、僕は今回全く真逆の印象を受けました。つまり、記憶していたよりもずっと静かな作品で、だからこそ面白いと思ったんですね。
もちろん、『その男、凶暴につき』とか『ソナチネ』に比べたらずっとバカヤローコノヤローでうるさいんですが、やはり『アウトレイジ』も多分に漏れず北野武作品なので、一般的なエンタメ作品と比べると間が随分長くて印象的だったり、引きで客観的に捉えたショットがあったり、登場人物が遠いところからゆっくり歩いてくる画とかが多かったりするんですよ。まるで一人の大親分に操られたヤクザの抗争劇を滑稽に演出するかのような意図も感じます。
それだけに唐突なバイオレンスが効いてますし、一方で静かに遺体だけ映す画もあったりする。ギャグにしても毎回すごく丁寧に振ってから落としてますし、とにかく緩急が素晴らしいと思ったのですが、これもやはり根が漫才師だからでしょうね。